第19回安井賞
1976年03月具象絵画部門の登竜門として知られる安井賞に今回は三栖右嗣「老いる」が決定。佳作賞は麻生征子「エリーゼのために“風”」。
具象絵画部門の登竜門として知られる安井賞に今回は三栖右嗣「老いる」が決定。佳作賞は麻生征子「エリーゼのために“風”」。
彫刻家平櫛田中を記念して設立された平櫛田中記念会が、毎年彫刻の優秀作(木彫に比重を置いた)に対し贈っているもので、今回は木彫の山本正道「追憶」に決定した。
韓国の先史時代から近代に至るさまざまな美術工芸品を、最近発見された出土文化財をはじめ、わが国の文化財とも関連する美術の各ジャンルにわたって、京都国立博物館(2月24日―4月18日)、福岡県文化会館(4月27日―5月27日)、東京国立博物館(6月8日―7月25日)で、長期にわたり展観した。
兵庫県加古川市の鶴林寺太子堂の来迎壁とその背面の仏涅槃図の図様は、肉眼ではわからなかったが、このたび赤外線フィルムによる写真撮影に成功、学界の注目をあびた。
ドイツ民主共和国の協力により、第1次大戦からワイマール共和国崩壊に至る1919-1933年間のドイツ・リアリズムの展覧会が24日から3月21日まで東京国立近代美術館で開催された。展観されたのは46作家の絵画、彫刻、フォト・モンタージュなど148点。(主催:東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、日本経済新聞社、ベルリン国立美術館)
第17回毎日芸術賞が決まり、1日発表された。美術部門では、彫刻家清水九兵衛が「現代日本彫刻展出品作をはじめアルミ合金による連作“アフィニティ”」の成果により受賞した。
昭和19年落雷のため焼失した法輪寺三重塔が、30年ぶりに再建、4日落慶法要が営まれた。
25日、本年度の会員補充選挙の開票を行い、美術関係では、日本画の森田沙伊、洋画の野口弥太郎、工芸の蓮田脩吾郎、建築の中村順平の4名を新会員に内定した。
本年度の美術関係の文化勲章は洋画家の田崎広助、中川一政、小山敬三に決まり、21日の閣議で了承された。なお文化功労者には該当者がなかった。
京都国立博物館秋季特別展として、10日から11月9日まで開催、1“武将の装い”、2“遊楽の意匠”、3“生活の華”、4“東西文明の交流”、5“わびの世界”、6“食生活の彩り”のほか、当代の生活を彩った絵画、書跡の類をあわせ展示した。
東京国立博物館で、7日より11月24日まで開催、115件が展示された。
第6回中原悌二郎賞(旭川市教育委員会主催)は佐藤忠良「カンカン帽」、優秀賞は清水九兵衛「アフェニティー」、土谷武「虫」に決まり、4日夕、6時から旭川市のニュー北海ホテルで授賞式が行なわれた。
20世紀の芸術に本質的で広範な影響を与えたシュルレアリスムの本格的な展覧会が、27日から11月16日まで、東京国立近代美術館で開かれた。欧米の代表的作家18名の作品、約60点、日本の作家16名26点。(京都展:11月26日~51年1月11日、京都国立近代美術館)
アメリカ社会に同化し、現代アメリカの代表的画家のひとりとして国際的にも活躍した国吉康雄の遺作展が、6日から10月26日まで、東京、ブリヂストン美術館で開催された。油彩画を中心に素描・版画などを含め160点が展観され、東京展後、名古屋市、神戸市を巡回した。
1日、新しい東京都美術館(台東区上野公園8―36)が開館式を挙行した。都が、旧美術館の老朽化に伴ない、隣接する1万2千5百平方メートルの敷地に昭和47年12月の着工より50億円の経費をかけて建設したもので、地下三階、地上二階。常設企画展示室、公募展示室をはじめ彫刻室、アトリエ、図書室、講堂、収蔵庫、食堂などを完備した世界でも有数の立派な建物となった。開館展として、記念の新収品展とともに、公募展示場では、それぞれ第60回記念を迎えた院展・二科展および第30回行動展でオープンした。
日ソ文化交流の一環としてソ連文化省、毎日新聞社主催により、トレチャコフ美術館、プーシキン美術館の所蔵品によるロシア・ソビエト美術50点、フランス近代絵画30点からなる展覧会が、29日より9月30日まで東京・伊勢丹を会場として開催された。
さる5月にソ連政府より返還、寄贈された福田平八郎の作品42点が、23日から9月17日まで東京国立近代美術館において公開、展観された。
鳳凰堂壁扉画のうち?落のひどい本尊後壁表面阿弥陀浄土図と裏面下品下生図、北側の中品中生図、南側の下品中生図、西側の日想観扉画2面の計6面の修理が国庫補助を受けて18日から3ヵ月の予定で始まった。
明治28年完成の同館は、屋根、外壁石材の痛みが著しいため、3ヵ年計画で修理が始まった。
第7回日本芸術大賞は、日本画家近藤弘明のひとつの神秘的空間を示した画業に対して授与されることが5月に決定されていたが、19日ホテル・オークラにおいてその贈呈式が行われた。