第2回ロダン大賞決定
1988年08月現代具象彫刻の振興を目指し一昨年開設されたロダン大賞展(彫刻の森美術館、美ケ原高原美術館)の第2回受賞者が決定。大賞に海外招待作家からフランスのセザール「親指」、特別優秀賞にメキシコのペドロ・セルバンテス「双子座」、ギリシャフォティス・チャッチオニディス「女のトルソ」、の綿引道郎「詩人-自然を讃え、生を詩う」、安藤泉「逆転の確率」がそれぞれ選ばれた。
現代具象彫刻の振興を目指し一昨年開設されたロダン大賞展(彫刻の森美術館、美ケ原高原美術館)の第2回受賞者が決定。大賞に海外招待作家からフランスのセザール「親指」、特別優秀賞にメキシコのペドロ・セルバンテス「双子座」、ギリシャフォティス・チャッチオニディス「女のトルソ」、の綿引道郎「詩人-自然を讃え、生を詩う」、安藤泉「逆転の確率」がそれぞれ選ばれた。
大蔵省は29日、宗教法人の経営する美術館や博物館、宝物館などの入場料収入に対して、消費税を課税する方針を明らかにした。全国各地の寺院や神社が併設しているこうした施設は150以上にのぼり、国宝、重要文化財の約6割はこうした施設が所有していると言われるが、国や地方公共団体の美術館入場料などと同様に、宗教法人の施設も課税対象になることとなった。
ユネスコ主催による「第1回世界美術館館長会議(仮称)」を来秋日本で開催する計画が動きだした。日本でこの種の会議は、国際博物館会議(ICOM)以外には開催されたことがないが、「21世紀に向けての美術館のあり方」をメインテーマに、サブテーマとして「日本と世界の美術館」「美術館の現状と課題」「21世紀の美術館」「子供のための美術館」が話し合われる予定。世界33ケ国の美術館・博物館の館長、キュレーターに呼びかけられる。
明治22年10月岡倉天心らにより創刊された『国華』は、その後国華社編集、朝日新聞社の発売により続けられ、創刊100年を迎えた。これを記念し、谷川徹三らの発意で国華賞の創設が決定。国華創刊百周年記念顕彰基金をもとに、昭和64年度から東洋美術の優れた研究に対して贈られることになった。
李朝陶磁など韓国古美術を収蔵する財団法人出羽桜美術館(山形県天童市一日町1-4-1)が設立され、仮オープンを記念して「新羅・高麗・李朝陶磁の流れ」展が、15日から21日まで無料公開された。同館収蔵品は出羽桜酒造社長仲野清次郎の収集になるコレクションで、高麗青磁、李朝陶磁のほか、金工、木工、刺繍、民画など約1800点。美術館は10月に正式開館した。 また8日には、現代中国の油彩、国画、版画、書などを展示する弥勒之里美術館(広島県福山市外みろくの里)がオープンした。
MOA美術館創設者岡田茂吉を記念し、日本画と工芸を対象に作られたMOA岡田茂吉賞の第1回受賞者が決定。絵画部門の大賞に稗田一穂、優秀賞に平松礼二、工芸部門の大賞に今泉今右衛門、優秀賞に田口善国が、それぞれ選ばれた。授賞式は8月1日同美術館で行なわれ、同賞展も8月1日から28日まで開催された。
5年前京都で開催された国際紙会議を契機に、このほど日本・紙アカデミー(事務局・京都市左京区岡崎成勝寺町9-2、京都市伝統産業館内)が設立された。全国の製紙、加工、工芸などの関係者、デザイナー、学生など会員227名、当面機関誌の発行などによる情報交換を行なうという。
チェコ・ブルノで開催された「第13回ブルノ・グラフィック・デザイン・コンペ」で、永井一正が、「4GD」展、「北欧デザインの今日」展、「美との対話’87」展など近年富山県立近代美術館で開催された展覧会のカタログ8点の装幀により、グランプリを受賞した。同コンペは書籍、雑誌・新聞、タイプの3部門からなり、永井の受賞は3部門総合の最高賞となった。
新潮社主催の日本芸術大賞は高橋秀が受賞。贈呈式が24日、ホテルオークラで行なわれた。
昭和62年に死去した故高松宮の愛蔵品12件29点が、高野山金剛峯寺に寄贈され、28日本山関係に披露された。狩野探幽筆楼閣山水図や一休禅師の書など、重要文化財級のものが含まれており、金剛峯寺では記念館を造りこれを収蔵する予定。
元NHK熊本放送局員の故今西菊松の収集になる肉筆浮世絵234点を中心とする美術工芸品394点が、熊本県立美術館に寄贈された。同コレクションは、今西が美術品の海外流出を憂い戦後から収集を始めたもので、8割以上が真作と判明。葛飾北斎「鐘馗図」、勝川春章「太夫とかぶろ図」をはじめ各流派70作家を超える肉筆浮世絵のほか、書画29点、茶陶を含む131点の工芸品が寄贈された。
ポスター・デザインの国際的交流とグラフィックデザインの現況を捉えることを目的に、1985年開設された「世界ポスター・トリエンナーレ・トヤマ」の第2回展受賞作品を決める第2次審査が、23、24日の両日行なわれた。その結果、最高賞の金賞に、A部門ではフランスのデザインスタジオ・グラピューの「APARTHEID/RACISME」、B部門では前回に続きサイトウ・マコトの「1987 ALPHA CUBIC M-I」がそれぞれ受賞。銀賞にA部門、B部門各1件、銅賞にA部門5件、B部門4件が選ばれた。入賞、入選作による展覧会は、28日から8月28日まで富山県立近代美術館で開催された。
ロマン主義風景画の影響下、19世紀中頃にアメリカでハドソン川流域やロッキー山脈の壮大な景観を題材に描いたことから命名されたハドソンリヴァー派の作品を展観する展覧会が、3日から7月24日まで静岡県立美術館で開催された。同美術館は東西の風景画の収集にも力を入れているが、昨秋ニューヨークのメトロポリタン美術館で「アメリカの楽園・ハドソンリヴァー派風景画展」が行なわれたのを受けて、同展の日本版として、メトロポリタン美術館の所蔵品で構成したもの。
1966年の発足以来、日本人アートディレクターも活躍してきたワルシャワ・ポスター・ビエンナーレの第12回展で、6月初旬に発表された審査の結果、松永真の平和ポスター「ヒロシマアピールズ」(’86年作)が、金賞、名誉賞をダブル受賞した。金賞受賞は、イデオロギー、文化、広告と三部門あるうちのイデオロギーポスター部門で受賞したもので、名誉賞は金賞作品の中から秀作に贈られるもの。
宮城県中新田町に、縄文土器を専門に展示する縄文芸術館(宮城県加美郡中新田町字南町186-1)が、開館した。展示品は、詩人宗左近が15年をかけて収集した縄文土器や土偶約200点。昭和初年のしょう油蔵を改装し、展示施設として利用することになった。
明治期の酸性紙(洋紙)を使った文献の腐蝕が問題化している中、早稲田大学は明治期の文献約20万点をマイクロフィルム化することを計画、27日その内容を発表した。計画では、早稲田大学の蔵書、全国各大学・図書館の蔵書、海外に流出した文献、の順で、約20年をかけてマイクロ化が進められる。
群馬県榛名山麓中ほどの伊香保グリーン牧場に、現代美術専用の展示空間となるハラ・ミュージアムARC(群馬県渋川市金井大野2844)が、29日開館した。設計は磯崎新。
日本芸術院は24日、任期満了に伴う院長選挙を行ない、有光次郎を再選した。6月26日付で正式に発令された。
第13回吉田五十八賞(吉田五十八記念芸術振興財団)の受賞者3名が、25日発表された。建築の部で安田忠雄「K邸」、建築関連美術の部で澄川喜一「鷺舞の譜」(山口県庁舎内モニュメント彫刻)、特別賞に岡村辰雄(額装研究と製作による建築、美術界に対する功績)が、それぞれ受賞。授賞式は6月15日東京丸の内の東京会館で行なわれた。
京都における美術創作活動の奨励と伝統文化の継承発展に寄与することを目的に、昨年4月に設定された京都美術文化賞の第1回受賞者が決定、日本画の秋野不矩、洋画の小牧源太郎、陶芸の坪井明日香が受賞、20日贈呈式が行なわれた。