浅野長武にフランスから勲章贈与
1960年04月日仏会館の新館開館を機に、東京国立博物館長浅野長武に日仏文化交流に尽した功績に対し、フランスからコマンドウール・ダン・ロルドル・デ・ザール・エ・レットル勲章を贈られた。
日仏会館の新館開館を機に、東京国立博物館長浅野長武に日仏文化交流に尽した功績に対し、フランスからコマンドウール・ダン・ロルドル・デ・ザール・エ・レットル勲章を贈られた。
東京赤坂大宮御所内に33年12月以来着工新築中の東宮御所は、このほど完成27日落成式を行つた。東京工大教授谷口吉郎の設計になり、日本趣味をとり入れた鉄筋コンクリート、地上二階、地下一階延3866平方米の近代的な宮殿建築である。総工費2億2千万円余。施工は、七つの有力建設会社が合同で工事に当つた。
国立近代美術館では28日から6月5日まで、“四人の作家”展として今回は菱田春草、瑛九、上阪雅人、高付光太郎の作品をそれぞれ30点から50点づつ、回顧的展観を行つた。
東海道線大船駅前の高台に戦争で中絶、未完成のままおかれていた大船観音が、3ケ年、4千万円の工費でこのほど完成、建設に当つた大船観音協会では28日開眼供養を行つた。東京芸大の山木豊市教授が原型をつくり、旧観音の表面をはがしてコンクリート仕上をしたもので、胸像の高さも25米と、従前より高くなつた。
先頃、芸術院会員を辞任した春陽会々員小杉放庵は、79才を迎え赤倉にこもつて制作三昧に入つているが、その画業60年を記念して高島屋で4月26日から5月1日まで展覧会が開かれた。明治末の作品「一木杉」「水郷」あるいは滞欧作から現在の作品まで、50余点を出品しためづらしい展覧会であつた。
毎日新聞社主催、トルコ政府後援のもとに、珍らしいトルコ古美術展が上野松坂屋で開かれた。ヒッタイト時代の壷をはじめ過去4000年に亘る古代文化を伝える土器や青銅器、織物、絵画など、海外未公開といわれる美術品を含む365点が陳列された。トルコから美術特使として、アンカラ考古学博物館長ラージ・テミゼル、イスタンブール回教美術博物館副館長ケマル・チイらが来日した。会期は23日~5月8日迄
佐藤玄々が約10年の歳月を費して制作したという天女像の除幕式が19日東京日本橋の三越本店で行われた。この像は、同店が創立50周年記念事業の一つとして10余年前から、芸術院会員佐藤玄々に製作を依頼、延べ10万人の助手を使つて完成したが、29年の同店の50周年には間に合わなかつた。檜材の木彫で、極彩色、宝冠には百余のダイヤを使用、その他にも無数の宝石をちりばめた豪華を誇るもので、高さは10.91米、一階の中央ホールに安置されている。尚同時に佐藤玄々の回顧作品展が同所で開かれた。
昭和25年文化財保護法が施行されてから今日までの10年間に、文化財保護委員会及び、東京国立博物館が収蔵した465に及ぶ名品を陳列したものである。期日は19日から5月22日まで東京国立博物館本館で行われた。
五島慶太の蒐集した美術品並に古文書の保存展観のため、工費1億8千万円の五島美術が東京玉川上野毛に完成、18日開館式を行つた。建物は平安時代の寝殿造りのスタイルで、延1700平方米。設計は吉田五十八。所蔵品は、写径、墨跡、絵画、陶磁器で国宝重文を含み数百点に及ぶ。19日から一般に公開された。
戦災で焼失した浅草本願寺か15年ぶりに再建され、その復興報告法要が、大谷ホール落成祝をかねて17日から行われた。本堂は畳敷を癈し、タイル張、椅子席に改められた。
12日から17日まで東京白木屋で行われた。日本での展覧会は第3回であるが、フランスでは10周年を迎えビュッフェ、ロルジュ、モッテなどの作品が陳列された。
文化財法護法施行10周年記念展の一つとして、また、本年は奈良遷都1250年に当るところから奈良国立博物館では、10日から5月10日まで奈良時代の出土品を集めて陳列し、出土品からみた奈良朝文化展を行つた。
ネルー印度首相から送られた仏舎利を奉安した姫路仏舎利塔の落慶供養式が、花まつりの8日、姫路市名古屋山墓苑の山頂にセイロン、インド両大使、セイロンのウイマラタッシ僧正、大谷本願寺法主はじめ仏教宗派11の管長を招いて行われた。仏舎利は29年4月ネールから姫路へ贈られ、次で建設計画が具体化し、浄財を基金に総工費8千万円で完成したもの。
先の若手会員除名退会につづいて、創立会員の一人である榎戸庄衛が退会した。立軌会は、公募展のあり方と、封建性への抵抗から、同志とともに一切の画壇的きづなを離れて研究一途のグループとして創立されたわけだが、すでに、会にはその精神がなくなつた、というのがその理由。
具象派絵画発展のため、日本とフランスの具象派協会が連携して毎年開催するこの展覧会は、今年で3回を迎え、東京をはじめ全国主要都市で開かれる。今年の外国出品作家はクラーヴェ、ビュッフェ、カルズー、など71名に、日本側は林武など90名が参加し、5日から13日まで銀座松坂屋で行われた。
日本経済新聞社主催の中国名陶百選展が5日から17日まで東京、高島屋で開かれた。国宝6点、重要文化財23点のほか海外からも美術館、個人のコレクションが出品され、まれにみる充実した展覧会であつた。
アメリカ・カーネギ美術協会美術部長ゴードン・B・ウォッシュバーンは4日来日、5月11日迄滞在する。来年ビッツバーグ市で開かれる国際美術展への日本側出品の選定をするほか、東京、大阪などで講演する予定。
読売新聞社主催のもとに4月3日~24日京都市美術館、5月3日~15日東京高島屋で開催された。梅原竜三郎の画業50年を記念して明治41年から近作まで110点余を集めた、梅原芸術の全貌を示す大展覧会であつた。
朝日新聞社、沖縄タイムス社共催、琉球政府文教局後援で、選抜秀作美術展が4月1日から10日間那覇市で開かれた。東京での1959年度選抜秀作展のなかから44点を選んで送つたもので、この様な中央画壇の一流作品のみを選んだ美術展が開かれるのは、戦前戦後を通じて初めてのことで、多くの人々の関心を集めた。