岡倉天心の切手発行

1952年11月

一一月三日文化の日に岡倉天心の肖像をかいた一〇円切手が発行された。青味がかつた灰色の地に横向きの肖像をかいたものである。

大和文華館第一回名宝展開催

1952年11月

古美術の蒐集によつて著名な大和文華館はまだ美術館の建物が完成しないため一般に公開されていないが、一一月三日から三〇日まで奈良国立博物館において第一回名宝展として収蔵品を公開した。

「原爆の図」映画化さる

1952年10月

丸木位里、赤松俊子作の「原爆の図」が新星映画社、監督今井正で二巻の映画に作製された。幽霊、火、水、虹、少年少女の五部によつて出来ている。

京都朝日会館の壁画完成

1952年10月

京都三条河原町朝日会館の外壁二〇〇坪の壁面に東郷青児に依嘱して壁画を製作中であつたが、完成した。「平和と団結」という主題のものである。

美術映画「桃山美術」完成

1952年10月

東京国立博物館では「美の殿堂」「上代彫刻」と美術映画を作製して来たが、その第三作として「桃山美術」が完成した。二巻で、製作三井芸術プロダクション、脚本近藤市太郎、演出水木荘也、撮影川村清衛、音楽松平頼則である。

中尊寺華鬘盗難にあう

1952年10月

岩手県西磐井郡平泉村の中尊寺金色堂にあつた同寺蔵重要文化財の華鬘四個と清衝観音菩薩の瓔珞、地蔵菩薩の宝玉等計九点が盗まれているのを二七日朝発見した。

文化勲章受賞者決定

1952年10月

昭和二七年度、第一一回目の文化勲章受賞者が決定し二一日発表された。美術関係者では梅原竜三郎安井曽太郎がこの栄誉をうけた。一一月三日文化の日に授賞式が皇居で行われた。

平泉無量光院発掘

1952年10月

文化財保護委員会では岩手県教育委員会と合同で岩手県南磐井郡平泉村の無量光院跡を発掘調査することになつた。二〇日から三一日まで、考古学、建築史、庭園等各方面から調査した。

アメリカでの日本古美術展出品目録決定

1952年10月

来年アメリカの五都市で開かれる予定の日本古美術展の出品については八月以来日米合同選択委員会々議を重ね、九月五日文化財専門審議会を開いて第一次公式案を作成し、更に修正を重ねて一〇月九、一〇両日の専門審議会で可決した目録が一一日文化財保護委員会から発表された。高山寺の鳥獣戯画や神護寺の源頼朝像などが含まれている。

在外公館へ美術品送付を決定

1952年10月

海外各地にある大使館、公使館、領事館等から美術品を送つてほしいという要望が多いので、外務省では優秀作品を買上げて送ることになつた。装飾用とするとともに日本美術を紹介する意味で日本的な特色の濃い絵画、版画、工芸品を選ぶ方針である。 

東京国立博物館創設八〇周年記念事業行わる

1952年10月

明治四年九月文部省に博物局を置き、湯島聖堂大成殿を博物館として一〇月一日より一〇日間博覧会を開いたが、これが今日の東京国立博物館のもとになつており、今年で満八〇年を迎えた。博物館では二日記念式典を行い、また記念特別展として一日から三〇日まで館の収蔵品だけで普段陳列されない日用品までを含めた広範囲な展観を行つた。記念出版としては博物館所蔵品の総目録を刊行する。

ブラック展開催

1952年09月

九月二〇日から一〇月二六日まで東京国立博物館表慶館においてブラック展が開催された。東京国立博物館、読売新聞社の主催、フランス大使館の協賛で、絵画・彫刻・版画等一九五二年に至る代表的作品をブラック自身選択したものである。

ベルギー現代美術展開催

1952年09月

九月一六日から二一日まで日本橋三越においてベルギー現代美術展が開催された。ティトガット・デルボーをはじめ現代ベルギー画壇を代表する七作家の作品八二点を展観した。

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