川端竜子賞展創設
1985年07月和歌山市は、同市出身の川端竜子の画業をたたえると共に日本画振興のため、このほど全国公募による川端竜子賞展を創設。次年度開催の第1回展のため応募規定を発表した。
和歌山市は、同市出身の川端竜子の画業をたたえると共に日本画振興のため、このほど全国公募による川端竜子賞展を創設。次年度開催の第1回展のため応募規定を発表した。
3年に1度のトリエンナーレ方式で行なわれているブルガリア国際具象画展第5回展で、丸木位里・俊夫妻がグランプリを受賞。第3回展に続き2度目の受賞となった。
我国におけるフォービスムとキュービズムの先駆者とされる大正期の洋画家万鉄五郎の生誕100年を記念する展覧会が、22日から7月21日までの神奈川県立近代美術館を皮切りに各地で開催された。同展には油彩約140点、水彩・素描約70点、文人画約20点、版画約20点のほかスケッチブックなど多数が出品された。
日本芸術院は6月25日で任期満了となる有光次郎院長の後任人事について、有光・安達健二両氏の正候補者に対し全会員による選挙を行ない、有光氏を再選した。同氏は3選目となり、任期は3年。
日本美術への関心がますます高まるアメリカで、長年日本美術蒐集に力を注いできたニューヨーク在住のメアリー・アンド・バーク夫妻のコレクション里帰り展が行なわれた。上代から近世に至る各ジャンルの作品計122点が出陳され、21日から6月30日までの東京国立博物館を皮切りに全国を巡回した。
今年開館90周年を迎えた奈良国立博物館は、開館90周年記念特別展として「山岳信仰の遺宝」展を、28日から6月2日まで開催した。仏教とも係わりを深めながら進行した我国の山岳信仰を総合的に捉えるため、全国の代表的な霊山から工芸、彫刻、絵画、書蹟など国宝15件、重文約80件を含む約230件の美術工芸品が集められ、一堂に展観された。
明治から昭和初期にかけて京都画壇で活躍した山元春挙の画業を探る初の大規模な展覧会が、20日から5月26日まで大津の滋賀県立近代美術館で開催された。屏風多数を含む力作約80点と、下絵、写生などの諸資料が陳列され、充実した展観となった。
昭和29年以来日本国際美術展と隔年で実施されてきた現代日本美術展第17回展が、24日から5月10日まで東京都美術館で開催された。それに先立つ選考委員会の審査の結果、入選作218作家219点の中から、大賞に立体の岩井俊雄「時間層Ⅱ」、佳作賞に平面の沢田英治、小本章、高原洋一、甲谷武、立体の松本秋則がそれぞれ選ばれた。
近年の具象絵画への関心の高まりを受け、神奈川県立近代美術館、三重県立美術館、福岡市美術館、笠間日動美術館によりこのほど「具象絵画ビエンナーレ」が組織された。第1回展は13日から5月12日までの神奈川県立近代美術館を皮切りに、全国を巡回した。
日本や世界の諸民族の芸術活動を、関連諸分野の交流により考察しようと昨年4月に発足した民族芸術学会(木村重信会長)第1回大会が、3、4日の2日間、奈良県文化会館小ホールで行なわれた。同会では民族学、芸術学相方からの研究発表と、両分野の係わり方に関する活発な討議が行なわれた。
21の塔頭を持つ大徳寺の宝物144点を一挙に展観した展覧会が、9日から5月12日まで京都国立博物館で開催された。開祖大灯国師宗峰妙超の没後650年に因んだもので、国宝12点、重文56点を含む絵画、墨蹟、工芸品多数が出品され、昭和8年以来半世紀ぶりの公開となった。
京都市で、実施をめぐって市と仏教会の対立が続いている古都保存協力税を、自治省は9日の地方財政審議会で正式決定し、10日許可する方針を決めた。同税は、京都の有名40社寺を訪れる拝観者から税を徴収する法定外普通税であるが、7月10日より実施に移行。これに対して京都仏教会では拝観停止、無料公開等の措置をとり、厳しい対立が続いた。
新印象主義の画家スーラ、シニャックを中心に、キュビズムや未来派に至るまでの点描表現による作品を集めたユニークな展覧会が、6日から5月26日まで東京上野の国立西洋美術館で開催された。欧米、国内の美術館、コレクターから油絵82点、水彩・素描・版画15点の計97点が集められ展観された。
コンピューターの普及に伴う著作権関連の問題にあたるため、文化庁は4月より著作権課に企画調査室を設置。コンピューター・ソフトウェアの著作権制度による保護をはじめ、データベース、ビデオソフト、コンピュータ創作物の保護に関する問題に対処することとなった。
日本芸術院(有光次郎院長)は29日、59年度の芸術院恩賜賞と芸術院賞の受賞者9名を内定した。美術関係(第1部)からは、恩賜賞に日本画の村山径(59年日展出品作「冠」に対し)。芸術院賞に洋画の渡辺武夫(59年日展出品作「シャンパァニュの丘」)、彫塑の小森邦夫(59年茨城県芸術祭美術展出品作「青春譜」)、工芸の大樋年朗(59年日展出品作の陶器「峙つ」)、書の古谷蒼韻(59年日展出品作「万葉・秋雑歌」)、建築の西沢文隆(「神宮前の家」(白倉邸)ほか一連の住宅作品に対して)が、それぞれ選ばれた。授賞式は6月3日東京上野の日本芸術院会館で行なわれた。
ヨーロッパで最大の浮世絵コレクションとして知られる大英博物館の蔵品約300点による里帰り展が開かれた。肉筆浮世絵も含め浮世絵の初期から末期までを通観する内容で、29日から4月12日まで東京上野・上野の森美術館で行なわれた。
文化財保護審議会(小林行雄会長)は、新たな国の重要文化財として、22日建造物関係6件7棟、25日美術工芸品関係国宝1件、重要無形文化財39件を新たに認定するよう松永文相に答申した。建造物関係では、富士御室浅間神社本殿など6件7棟が選出され、合わせて重要伝統的建造物群保存地区(歴史的町並み保存)に香川県丸亀市の塩飽本島町の港町跡を選定するよう答申した。これで建造物関係の重要文化財は1982件3196棟、町並保存選定地区は22地区となった。 美術工芸品関係では、平安末鎌倉初期の「紙本著色辟邪絵」5幅が国宝に。また重要文化財として石川県珠洲郡薬師寺「銅造如来及び両脇侍像」ほか、冷泉家時雨亭文庫の藤原為家書写『和歌初学抄』など、絵画8、彫刻5、工芸6、書籍典籍5、古文書5、考古資料7、歴史資料3の計39件が答申された。これで国の重要文化財は9300件、うち国宝が827件となった。
文化財保護審議会(小林行雄会長)は23日、芸能や工芸の分野で優れた技術を有する重要無形文化財保持者として新たに8名を認定するよう松永文相に答申。工芸技術の部で、鉄釉陶器の清水卯一、琉球陶器の金城次郎、蒟醤の磯井正美、載金の西出大三、撥鏤の吉田文之、蒔絵の寺井直次の6名が選ばれた。
浮世絵師菱川師宣の出身地千葉県安房郡鋸南町に、小規模ながら菱川師宣の記念館が誕生、21日オープンした。正式名称は「鋸南町立歴史民俗資料館」。
棟方志功の歿後10年を記念して初期から晩年に至る代表作70余点(版画約460図)を集めた展覧会が行なわれた。20日から5月6日までの東京竹橋・東京国立近代美術館を皮切りに、他2ケ所で行なわれた。