陽明門の修理終了

1973年03月

日光東照宮の国宝陽明門の修理が9日終わり、26日に完工式が行われた。今回の修理は50年ぶりのもので昭和44年から進められていたもの。なお今回の修理中、門東西の彫刻後部に「梅に錦花鳥図」「松鶴図」が発見された。これは宝暦修理時、狩野祐清によって描かれたものである。

平川廃寺発掘調査

1973年03月

昭和41年はじめてその存在が明らかにされた京都府城陽市平川廃寺の発掘が同市教育委員会によって進められていたが、8日その調査結果が発表された。今回の調査では塔基壇東側に金堂跡が確認された。

北京で北斎展

1973年03月

日中文化交流協会、中日友好協会等の協力で13日から25日まで北京の中国美術館で北斎展が開催された。なお、4月11日から23日まで上海展も開催された。

安井賞

1973年03月

第16回安井賞は、谷本重義「二人老人」に決定した。

シカゴ美術館浮世絵名品展

1973年02月

リッカー美術館では24日から3月18日まで、シカゴ美術館のクレアンス・バッキンガム・コレクションの蔵品約200点を公開した。同展は3月24日から4月15日まで京都国立近代美術館でも開催された。

九州歴史資料館一般公開

1973年02月

昨年4月に開設された福岡県立九州歴史資料館が24日から開館記念の展示を行った。同館は、その重要な事業として太宰府史跡の発掘調査を県教育委員会から引き継いでいる。

東京国立博物館所蔵名品展

1973年01月

東京国立博物館ではその創立100年記念事業のひとつとして、この100年の間に同館の所蔵に帰した作品の中から各時代にわたる重要作品を選び、「東京国立博物館所蔵名品展」を6日から2月11日まで開催した。

山種美術館賞

1973年01月

第2回山種美術館賞は候補作37点のなかから、大賞に石田武『林』、優秀賞に小山硬『天草』、小嶋悠司『群像』が選ばれた。

円通寺本堂の修理成る

1972年12月

14世紀初期に創立された禅刹円通寺本堂は、昭和46年4月から修理が行なわれたが、このほど修理が完了し、いままで改造されていたところが当初の姿に復原された。 

現代美術選抜展の東京展

1972年12月

文化庁の主催で毎年地方のみを巡回していた同展が第6回展を迎え、はじめて東京で開かれた。滋賀、長崎、鹿児島をまわり、19日から28日まで銀座のセントラル美術館で開催、前年度の中央公募展13団体の受賞作品から選抜したものと文化庁買上げ作品を一堂に集めたもの、日本画19点、洋画32点、版画5点、彫刻15点、総計71点を展示して、近年この種の公的な選抜ダイジェスト展に恵まれない都民ファンに反って喜ばれた。

東京国際版画ビエンナーレ展

1972年12月

日本の海外文化交流事業を推進する中核機関として新発足した国際交流基金(理事長・今日出海)の主催による第8回展が16日から12月20日まで東京国立近代美術館で開催された。参加46カ国、出品作家149名、総計288点、日本からは25作家の43点を出品。最高賞である国際大賞には高松次郎「The Story」が選ばれた。 

古照遺跡の発見

1972年11月

11月9日ごろ愛媛県松山市南江戸町において、市の下水処理場増設工事中、弥生時代の建造物と推定される埋蔵物が発見された。 

橋本明治壁画展

1972年11月

橋本明治が故郷である島根・出雲大社の奉納のために描いていた「竜」の壁画がこのほど完成、20日から26日まで東京・日本橋三越で披露展が開かれた。青竜を描いた本体(2×3.6メートル)、波濤を図案化した左右の袖の部分(各1.9×1メートル)とで構成され、従来の竜とは趣を異にした作家独特の解釈で描かれた竜の図で、その苦心の制作が窺われた。

芸術文化部門に褒章

1972年11月

学術、芸術、文化部門など、文部省関係の褒章受章者が7日の閣議で決定した。本年度の美術関係者では、紫綬褒章を美術評論の土方定一、重要無形文化財「日本刀」保持者の宮入昭平に、黄綬褒章を建造物修理の佐々木与一、本美濃紙の製紙の沢村伝十郎、仏像彫刻の地主賢二、染色補正技術の三島竜三、木版画の横山文治にそれぞれ贈られることになった。

文化勲章功労者決定

1972年11月

昭和47年度の文化勲章と文化功労者が28日、正式に決まった。4人の文化勲章受章者のうち美術関係者は、洋画家の岡鹿之助、建築学・防災工学の内田祥三、6人の文化功労者のうちでは、美術工芸(陶芸家)の楠部弥弌。文化勲章の伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京・虎ノ門の国立教育会館で行なわれ、受章者にはいずれも終身年金150万円が贈られた。

平等院の梵鐘宝物館に入る

1972年11月

日本三名鐘の一つ京都宇治平等院の梵鐘は大気汚染による侵触から護るため、宝物館に移された(31日)。

沖縄復帰記念日本古美術展

1972年11月

沖縄復帰も記念して、文化庁の主催により、沖縄県立博物館で10月29日―11月26日に考古と工芸品を中心にした日本古美術展が開かれた。

芸術院新会員決まる

1972年11月

日本芸術院は、24日会員補充選挙を行ない、開票の結果、美術部門の新会員には日本画の郷倉千靱(院展評議員・監事)、高山辰雄(日展理事)、洋画の鈴木千久馬(日展評議員)、書の安東聖空(日展参与)の4作家を内定、12月15日付で正式に任命された。 

文化財建造物の新指定

1972年10月

文化庁は建造物14件の指定を行った。今回は民家の指定にかぎられ、この結果、民家の重要文化財指定数は181件になった。

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