岡田譲
前東京国立近代美術館長岡田譲は、6月26日肝臓腫瘍に肺炎を併発し、東京都中央区の国立がんセンターで死去した。享年70。1911(明治44)年1月2日東京の生まれ。34(昭和9)年東京帝国大学文学部美学美術史学科卒業、同年11月東京帝室博物館(現東京国立博物館)の研究員となり、38年帝室博物館鑑査官補、47年国立博物館事業課文部技官、55年資料課長、58年普及課長、59年美術課長を経て、65年学芸部長となる。69年文化庁文化財保護部文化財鑑査官、72年東京国立近代美術館長となり、76年1月までつとめた。退官後は、文化財保護審議会専門委員をはじめ諸団体の委員や各博物館・美術館の顧問等のほか、77年から共立女子大学教授を亡くなる迄つとめた。81年勲二等瑞宝章を受ける。専門は工芸史で、特に漆工を中心とした研究論文が多い。また伝統工芸や現代工芸についての美術評論でも活躍している。主著 日本工芸図録(朝日新聞社1952)、日本美術全集工芸編上・下(東京文化出版1954)、調度(至文堂1966)、ガラス(至文堂1969)、南蛮工芸(至文堂1973)、日本の漆工(小学館)、正倉院の漆器(至文堂1978)、東洋漆芸史の研究(中央公論美術出版1978)、美と風土-名品・名匠との出会い(講談社1979、昭和54年度芸術選奨文部大臣賞受賞)等。
出 典:『日本美術年鑑』昭和57年版(277-278頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「岡田譲」『日本美術年鑑』昭和57年版(277-278頁)
例)「岡田譲 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10238.html(閲覧日 2024-12-04)
例)「岡田譲」『日本美術年鑑』昭和57年版(277-278頁)
例)「岡田譲 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10238.html(閲覧日 2024-12-04)
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- ■美術界年史(彙報)
- 1961年10月 正倉院のガラス調査終る
- 1977年10月 漆工史学会設立総会開かる
- 1980年03月 昭和54年度芸術選奨決定
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