小杉放庵芸術院会員を辞任
1958年11月老齢を理由に芸術院会員の辞任を申出ていた小杉放庵(国太郎)は、27日文部省から同会員の解任を発令された。
老齢を理由に芸術院会員の辞任を申出ていた小杉放庵(国太郎)は、27日文部省から同会員の解任を発令された。
中央沿線美術家懇談会を母体として、各団体に呼びかけられ組織された警職法反対美術家会議では、21日都美術館で大会を開き、芸術創造の自由をはばむ悪法の撤回を期して声明文を発表し、決議した。会場には100数名の美術家が参加し、加藤勘十、中島健蔵らの講演があつた。
第6回野間文芸賞は、20日の選考委員会で小林秀雄著「近代絵画」(人文書院)と決つた。
第2回安井記念賞は、20日自由美術作家協会々員野見山暁治(巴里在住)の「岩上の人」と決定した。
ニューヨーク日本領事館、日米協会主催による同協会展を、14日から12月4日までニューヨーク市BRATA GALLERYで開催した。同展は日米交換展の一部で、山口薫、村井正誠、朝妻治郎など22作家45点の作品が送られたが、米国からの作品は、明年のモダンアート展に並べられることになつている。
ファン・ゴッホ展オランダ側展覧会長の国立クロラ・ミュラー美術館長A・Mハンマーヘル博士は、京都展の準備も完了したので11日帰国した。
毎日新聞社主催による第26回産業デザイン振興運動「1958年度毎日商業デザイン作品募集」の結果は次の通り 第1部、(一般公募)A部門(新聞広告デザイン)─「岩波書店」青野健(デザイン)、内藤京(コピー)、中川邦一郎(フォト)、(総理大臣賞状並びに毎日広告賞50万円1名)。同B部門(ポスター・デザイン)「文芸春秋新社」山下勇三(通産大臣賞状並びに毎日広告賞20万円1名)。第二部、A部門(新聞広告デザイン)毎日広告賞(賞状並びに賞金30万円1社)、花王石鹸池田真幸(デザイン)、石川伸一(フォト)、永山十四(文案)
戦災で焼失後31年春から再建工事がすすめられていた明治神宮は、先月末本殿ほか15棟の社殿が完成し31日遷座祭が行われた。新社殿は建築面積1240平方m、総工費約5億円を以て造営され、戦後の神社建築では最も豪華なものである。
政府は31日の閣議で33年度の紫綬褒章授賞者19名を決定、11月3日文化の日にその伝達式が行われた。同章は学術、芸術上の発明改良、創作ですぐれた業績をあげた人に贈られるもので、美術関係では重要文化財表装修理、遠藤三右衛門、工芸図案杉浦非水、織物研究竜村平蔵、建造物修理竹口富太郎、造園学竜居松之助がある。
昭和33年度第17回文化勲章並びに第7回文化功労年金受領者11名が28日の閣議で正式に決定された。尚授賞式は例年通り11月3日文化の日に皇居で行われた。美術関係授賞者次の通り。 文化勲章 北村西望 松林篤(桂月) 文化功労者 和田三造
舞台装置家と舞台製作技術家が集つて舞台美術家協会を結成し、28日発足総会を開いた。会員の技術の向上とともに、とかく軽視されがちな仕事面の権威の拡大をはかろうというもので、会長に伊藤熹朔、副会長に吉田謙吉、長谷川勘兵衛があり、会員総数60名を数える。
生誕300年に当り、さきに世界平和評議会理事会から文化巨匠に推挙された光琳の作品展が16日から10日間北京の美術家協会会館で開催された。紅白梅図、燕子花図、風神雷神図等の屏風をはじめ40点すべて原寸大の複製であつたが、日本の原色写真工業の最高技術を発揮したもので、好評であつた。なお11月10日から上海でも開催された。
興福寺中金堂の千手観音立像を収蔵庫に移すため解体作業中、胎内から木箱入の銅仏3体、宝鏡1面、文書経巻類52点、彩色図像1点が発見された。千手陀羅尼、印仏などの文書、経巻類には、貞応、嘉禄、寛喜などの年号が見出されこの千手観音像の製作年代との関連が注目された。
1958年度グッゲンハイム国際美術賞の選考が16日ニューヨークで行われ、スペインのホアン・ミロの陶芸作品「夜と昼」と決定した。この作は新しいユネスコ本部のために作られたものである。なお日本では、国内賞の山口薫と、川端実、山口長男、佐野繁次郎、加山又造の作品が送られたが、川端実が他の国の作家3名と共に個人表彰をうけ、日本とカナダはグループとして団体表彰を受けた。
日中関係の打開に積極的な文化運動を展開するため、16日産経会館内日本文芸家協会々議室に各界文化人が集り「日中文化関係懇談会」の創立を決定した。美術関係出席者は福田豊四郎であつた
新制作協会では、日本画部々員岩崎鐸、洋画部々員川端実の両名を、協会活動に反する旨をもつて、10日除名処分にした。
メキシコ国立造形美術博物館は今回構成を変え国立近代美術館として新たに誕生したが、この開館式に米、仏、ブラジル等の近代美術館の参加を得て、そのコレクションを陳列することになつた。日本でも鎌倉近代美術館に招待状がよせられたので、同館が中心となつて洋画、日本画、版画等合せて30余点を集めてメキシコへ送つた。
13日からロンドンで世界政治漫画家会議が開かれたが、日本からは漫画家横山泰三が、同会議出席のため8日出発した。
文部省は昭和33年度文化勲章と文化功労者の選考委員を16日の閣議で決定発表した。委員次の通り─元文相天野貞祐、元文部次官有光次郎、早大総長大浜信泉、日本芸術院会員土岐善麿、同野田九浦、同信時潔、同吉田三郎、東京医科歯科大学長尾優、元東大教授山県昌夫、気象庁長官和達清夫。
伊東深水、同万耀の両名は、イムソワール紙の招請で27日渡仏した。