奥村土牛自選展開催
1960年05月朝日新聞社主催のもとに20日から29日まで銀座松屋で奥村土牛自選展がひらかれた。作家生活に入つてからすでに60年、その画業を回顧する作家自選の展覧会で、大正14年以来近作迄約50点が陳列された。
朝日新聞社主催のもとに20日から29日まで銀座松屋で奥村土牛自選展がひらかれた。作家生活に入つてからすでに60年、その画業を回顧する作家自選の展覧会で、大正14年以来近作迄約50点が陳列された。
富本憲吉が大正元年作陶を初めてから50年になるのを記念しての展観で、23日から28日迄東京高島屋で行われた。
パリに残存されていた松方コレクションは、昨年フランス政府の好意によつて日本に返還され、国立西洋美術館の建設となつて同館に収り、すでに一般に公開されている。しかし、早くから日本に招来され各地の所蔵家のもとに分散している旧松方コレクションは戦中戦後の激しい動きのために消息不明の作品も少くない。西洋美術館では開館一周年を記念して、朝日新聞社共催のもとに調査し、旧松方コレクションの代表的作品を集め、14日から7月10日まで一般に公開することとなつたものである。
日中文化交流協会と朝日新聞の協力で、現代日本画の代表作を北京、上海で展観することになり82点が送られた。代表団は28日出発、団長前田青邨、団員には吉岡堅二、岩橋英遠、西山英雄、河北倫明、北川桃雄、秋山光和ほか若干名が参加した。
東京国立博物館を会場として19日から3日間にわたつて、第9回全国美術館会議が開催された。出席者は全国36館の代表約50名。第1日は、1. 美術行政の一本化、2. 課税の問題 3. 地方美術館への補助の三点にしぼつて討議が行われた。2日目は講演会で登石健三の「Climatisation」について、近藤市太郎の「美術品の陳列方法について」、島崎敏樹、「幻想剤と現代美術」などの講演があり、3日目は見学で全日程を終えた。
社団法人日本南画院の結成式が、松田文相、松林桂月他全国南画家300人を集めて、8日京都上京区の相国寺で行われた。名誉会員松田文相等17名、会員85名、準会員500人で組織し、南画復興をめざし毎年東京、大阪、京都で作品発表を行うことをきめ、松林桂月を会長に選出した。
日本側150人、外国側20数ケ国150人の参加による大規模な世界デザイン会議が東京大手町の産経会館で開会された。会議は11日から16日迄開かれ、“今世紀の全体像――デザイナーは未来社会に何を寄与し得るか”を中心テーマに、デザインと個性、実際性、可能性の三議題に分れて熱心な討論がつづけられた。然しこの会議の成果如何は、むしろこれからのことで、今後のデザイン界の動きが大いに期待されるところであろう。
重要文化財に指定されている建造物は、解体修理や壁画の模写など、いろいろ保存上の手をつくされているが、文化財保護委員会では本年度から精密模型の製作にとりかかり、建築様式の保存に乗り出すことになつた。本年は200万円で広島県福山市の明王院五重塔(国宝)の10分の1の模型を作るが、今後さらに、法隆寺その他貴重な建造物の模型化を計画している。
5日から11日まで東京銀座松坂屋で行われた。日本経済新聞社主催、エル・サルバドル外務省、日本外務省後援のもとに新興国エル・サルバドルの新進画家10数人の作品を展示した。
東京赤坂大宮御所内に33年12月以来着工新築中の東宮御所は、このほど完成27日落成式を行つた。東京工大教授谷口吉郎の設計になり、日本趣味をとり入れた鉄筋コンクリート、地上二階、地下一階延3866平方米の近代的な宮殿建築である。総工費2億2千万円余。施工は、七つの有力建設会社が合同で工事に当つた。
日仏会館の新館開館を機に、東京国立博物館長浅野長武に日仏文化交流に尽した功績に対し、フランスからコマンドウール・ダン・ロルドル・デ・ザール・エ・レットル勲章を贈られた。
京都国立博物館では、文化財保護法施行10周年を記念して、「日本説話画」特別展を1日から29日までひらいた。この展観には、社寺や個人所蔵のものでこれまで殆ど公開されることのなかつた多くの作品を陳列、きわめて興味ある特別展であつた。
国立近代美術館では28日から6月5日まで、“四人の作家”展として今回は菱田春草、瑛九、上阪雅人、高付光太郎の作品をそれぞれ30点から50点づつ、回顧的展観を行つた。
東海道線大船駅前の高台に戦争で中絶、未完成のままおかれていた大船観音が、3ケ年、4千万円の工費でこのほど完成、建設に当つた大船観音協会では28日開眼供養を行つた。東京芸大の山木豊市教授が原型をつくり、旧観音の表面をはがしてコンクリート仕上をしたもので、胸像の高さも25米と、従前より高くなつた。
毎日新聞社主催、トルコ政府後援のもとに、珍らしいトルコ古美術展が上野松坂屋で開かれた。ヒッタイト時代の壷をはじめ過去4000年に亘る古代文化を伝える土器や青銅器、織物、絵画など、海外未公開といわれる美術品を含む365点が陳列された。トルコから美術特使として、アンカラ考古学博物館長ラージ・テミゼル、イスタンブール回教美術博物館副館長ケマル・チイらが来日した。会期は23日~5月8日迄
先頃、芸術院会員を辞任した春陽会々員小杉放庵は、79才を迎え赤倉にこもつて制作三昧に入つているが、その画業60年を記念して高島屋で4月26日から5月1日まで展覧会が開かれた。明治末の作品「一木杉」「水郷」あるいは滞欧作から現在の作品まで、50余点を出品しためづらしい展覧会であつた。
昭和25年文化財保護法が施行されてから今日までの10年間に、文化財保護委員会及び、東京国立博物館が収蔵した465に及ぶ名品を陳列したものである。期日は19日から5月22日まで東京国立博物館本館で行われた。
佐藤玄々が約10年の歳月を費して制作したという天女像の除幕式が19日東京日本橋の三越本店で行われた。この像は、同店が創立50周年記念事業の一つとして10余年前から、芸術院会員佐藤玄々に製作を依頼、延べ10万人の助手を使つて完成したが、29年の同店の50周年には間に合わなかつた。檜材の木彫で、極彩色、宝冠には百余のダイヤを使用、その他にも無数の宝石をちりばめた豪華を誇るもので、高さは10.91米、一階の中央ホールに安置されている。尚同時に佐藤玄々の回顧作品展が同所で開かれた。
12日から17日まで東京白木屋で行われた。日本での展覧会は第3回であるが、フランスでは10周年を迎えビュッフェ、ロルジュ、モッテなどの作品が陳列された。
戦災で焼失した浅草本願寺か15年ぶりに再建され、その復興報告法要が、大谷ホール落成祝をかねて17日から行われた。本堂は畳敷を癈し、タイル張、椅子席に改められた。