欧米に工業デザイン視察団を派遣

1956年06月

日本生産性本部と通産省産業工芸試験所では、民間デザイン研究所及び会社、地方自治体、産業工芸試験所等の工業デザイナー一三名を欧米に視察のため派遣した。一行は団長に千葉大工学部教授小池新二、副団長に産業工芸試験所意匠部長豊口克平がなり、二六日出発した。

西洋美術館の基本設計成る

1956年06月

松方コレクション受入れのための西洋美術館建設に関しては、その設計をフランスの建築家ル・コルビュジェに依嘱中のところ、その基本設計が完成し、外務省に送られて来た旨、二九日同省より発表された。

ヴェニス国際美術展の日本館完成

1956年06月

第二八回ビエンナーレ国際美術展の開かれる一六日に先だち、一一日日本館(吉阪隆正設計)の開館式が、日本からの代表委員評論家富永惣一、日本美術家連盟委員長伊原宇三郎、それに日本館建設の民間資金を寄贈した石橋正二郎等が参列して盛大に行われた。日本館はかねてイタリア政府より敷地の提供を申出られていたが、資金面で建設は実現困難であつたが、日本美術家連盟が中心となりヴェニス日本館建設準備委員会(委員長団伊能)等が設けられ熱心な運動がつづけられた。当初賛成を得られなかつた政府からも漸く建設費の一部三○○万円を計上され、不足額二○○○万円の調達は極めて難行だつたが、石橋正二郎がその全額援助を申出たことによりこの実現をみるに至つたものである。

出版文化国際交流会発足

1956年05月

最近出版物に関する世界各国よりの照会、展示会開催の要望が多くなつたので、従来のアジア文化交流出版会を発展的に解消し、新たに出版文化国際交流会(会長下中弥三郎)を結成、三○日その発会式を行つた。

朝鮮古陶磁展

1956年06月

鎌倉近代美術館では二日から七月二九日まで、朝鮮古陶磁展を開催、三○○点に近い作品が年代順に配置され、楽浪、三国時代から李朝に至る朝鮮古陶磁の歴史的概観を示した。

日本美術史展

1956年05月

愛知県立美術館の日本美術史展は前年に引続き第三期(桃山時代─江戸時代)を、二七日から六月二五日まで朝日新聞社の主催で開催した。今回で独自の方式を以て美術作家を系統的に紹介しようという同展覧会の企劃が一応完了したことになる。

米国建築家の一行来日

1956年05月

アメリカの民間建築家一九名が、日本古典建築の見学に二二日来日した。最近米国での日本建築への関心は強く、初旬に行われたアメリカ建築家大会がきつかけとなり有志が集つたもので、一行は約三週間の予定で、古建築及び最近の和風建築の見学を行い、また日本建築学会等と意見の交換を行つた。

アジアアフリカ諸国美術展に参加

1956年05月

七月カイロで開かれたバンドン会議の決議にもとづくエジプト政府主催のアジア・アフリカ諸国美術展に、日本からも参加し、日本画一○名、洋画九名、版画三名、合計二三名の作家各一点ずつと、工芸作家二○名、二○点の作品及び市販品の七宝、食器等が送られ、会場で大いに人気を集めた。

シェル美術賞の設定

1956年05月

シェル石油会社は日本の新人美術家奨励のため「シェル美術賞」を設定した。競技の運営及び選考は同社の依嘱により美術評論家連盟が当り、授賞の対象は日本画、洋画、水彩画に限られる。(賞金一等一点一○万円、二等一点五万円、三等四点各一五○○○円)

浦上玉堂展

1956年05月

一一日から一六日まで日本経済新聞社の主催により八重洲口大丸で玉堂展を開催した。

姫路城天守改修

1956年05月

慶長一四年(一六○九)池田氏の構築になる姫路城は、昭和一六年以来改修工事をつづけて来たが、今年度より天守に着手することとなり、三日朝起工式を行つた。白鷺城の名で親しまれてきた秀麗な姿も、解体修理のため約一○年間姿をかくすことになる。

矢代文化財保護委員渡欧

1956年05月

文化財保護委員矢代幸雄は、中亜極東協会から招請され、日伊文化協定にもとずく初の文化使節として、三日出発した。日程の中には、美術講演、ヴェニス日本館開館への参列、来年開催予定の欧洲に於ける日本古美術展の折衝、及びルネッサンス展日本開催の下相談等が含まれている。

平安鎌倉国宝展

1956年04月

中部日本新聞社の主催により名古屋松坂屋に於て二九日から五月二三日まで、平安鎌倉国宝展が開かれた。特に彫刻に限つての出品ながら名品揃いであつた。

飛鳥寺発掘

1956年05月

奈良国立文化財研究所では飛鳥平城宮跡長期発掘計画の一環として、一日飛鳥寺跡の発掘を開始、同二六日終了した。今次の調査で塔の東西に金堂と同一規模の建物を配しているらしいことが判明し、興福寺に似た伽藍配置が推定されることとなつた。なお、我国最古のものとみられる白色大理石の石灯籠の台石が発掘された。

フローレンス国際手工芸展

1956年04月

イタリアフローレンスで二八日から五月一八日まで開かれる第二○回フローレンス国際手工芸展に、日本でも初めて参加し、各工芸作家作品、工芸試験所作品、及び市販のものが集めて送られた。

雪舟展

1956年04月

雪舟歿後四五○年を記念して、東京国立博物館では、二八日から五月二七日まで雪舟展を開催した。雪舟の代表作を網羅した上、彼の画作に影響を及ぼした中国の画人及び、彼のあとをついだ拙宗、周耕、雪村、牧松の作品も併せ出品され、雪舟研究の新しい資料と研究の成果がいろいろの形で表わされた。

中国陶磁元明名品展

1956年04月

日本陶磁協会では、前年の宋磁に引続き、二四日から五月六日まで、高島屋に於て元明の陶磁展を開催し、元明の名品約三○○点が展観された。

アジア連帯文化使節団出発

1956年04月

昨春バンドンで開かれたアジア諸国会議の決定にもとづき、各国にアジア連帯委員会が設けられたが、印度、ソ聯、中国等の招請により日本文化使節団の民間代表二○数名が、二四日羽田を出発した。一行は谷川徹三を団長とし、芸術を通じ相互理解と交流を推進することを目的とし、印度、エジプト、ソ聯、中国、ベトナム、北鮮の各国を訪問した。美術関係団員では、本郷新福田豊四郎加藤唐九郎菊池一雄渡辺義雄今泉篤男がいる。

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