- 本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された彙報・年史記事を網羅したものです。
- 現在、2019年/平成31(令和元)年まで公開しています。(記事件数
5,450 件)
1955年07月 我国産業デザインの向上を目的として、「毎日賞」の中に新しく今年度から設定されたもので、年度内に於ける商工業デザインを通じて最も優秀と認められる作家および団体の顕著な業績に対し、毎年授賞される。今年度(昭和三〇年度)の受賞者は左の通りで二三日受賞式を行つた。 特別賞―国井喜太郎(工業デザイン部門)、山名文夫(商業デザイン部門) 作品賞―小杉二郎(工業デザイン部門「松田三輪トラック、蛇の目ミシンその他」)、早川良雄(商業デザイン部門、「年間を通じての一連の作品」)
1955年07月 二科会を脱退した鈴木信太郎、野間仁根、高岡徳太郎の三名は新たに新団体「一陽会」を結成、一五日創立会員一七名を発表した。
1955年07月 二科会々員鈴木信太郎、野間仁根、高岡徳太郎の三名は、五日各人の脱皮を理由とする共同声明を発表し、二科会を脱退した。
1955年07月 修理の為解体中の平等院鳳凰堂の扉絵の縁板の下から戯画が発見された。上品中生来迎図を主題とした正面右側の扉の内南側のふち板の下から発見されたもので、人物一三人と花卉が描かれている。変化にとんだ姿態、風俗がいきいきと描かれ、同時代の下層階級の風俗資料の貴重な例として話題をよんだ。
1955年07月 文化財保護委員会と大阪府教育委員会では、大阪四天王寺の発掘調査を四日開始した。三ケ年の継続事業として東京国立博物館石田茂作、東京大学藤島亥治郎、東京国立文化財研究所福山敏男らが参加する調査団が当り、今年は現状実測図の作製、金堂跡、南大門跡の発掘を行い、八月二日その第一年度を終了した。
1955年07月 ブラジルサンパウロに於ける第三回ビエンナーレ展は二日から開催され、日本からも脇田和、山口長男、荒井竜男、岡田謙三、植木茂、昆野恒、恩地孝四郎、棟方志功等八作家五〇余点が出品された。なお版画部門で棟方志功の「湧然する女者達々」がメタルルジカ・マタラツツオ賞を受けた。
1955年06月 日本美術家連盟とドイツ芸術家協会との共催による「現代日本木版画展」が二六日から七月一七日までベルリンに於いて開催され、日本からの六作家六〇点の作品が陳列された。
1955年06月 一五日付東京都教育庁異動により、東京都美術館々長杉山司七は勇退し、早川治平が替つて就任した。
1955年06月 朝日新聞社の主催により一一日から七月四日まで愛知県美術館で日本美術史展が開催された。ルーヴル展の会場構成に刺戟された新しい立場から企図され、その設計には谷口吉郎、吉村順三、吉阪隆正の三人が当つた。第一期を上古から奈良朝までとし、第二期を平安から室町までとして九月二七日から一〇月二五日まで同館で開催された。
1955年06月 一〇日から二ケ月半に亙つてスウエーデンのヘルシングボルグで開かれた「International Exhibition of Industrial Design, Housing, Homefurnishings, Crafts.」に、今年はじて日本も招待をうけ、欧米諸国にまじつて、モデル・ルームを設けて工芸品と家具類を出品した。
1955年06月 一〇日から一ケ月間、パリで開かれた国際警察美術展に、日本の芹田英治書記の「夜の孤独」が四位に入選した。
1955年06月 東山高台寺境内に、高さ七丈五尺、鉄筋コンクリート製の大観音が建立され、場所柄賛否両論が沸いたが八日開眼式が挙行された。某実業家の建立になるもので牧渓の白衣観音をモデルに山崎朝雲が製作にあたつた。胎内に今大戦の戦歿者二〇〇万の霊をまつる。
1955年06月 ブリヂストン美術館ではアメリカの文学者で水彩画もよくするヘンリー・ミラーの作品四〇点を七日から二六日迄陳列した。
1955年06月 二日、フランス政府から日仏文化交流の功労者にレジョン・ド・ヌール勲章を贈る旨伝達があつたが、美術関係者では東京国立博物館長浅野長武にオフイシェー章、同次長田内静三にシュヴアリエ章が贈られることになつた。
1955年05月 日本建築学会では二一日春季大会を開催「昭和二九年度日本建築学会賞」を発表した。 論文―「日本住宅史の研究」太田博太郎、後藤一雄、原田有、平賀謙一、吉武泰水 作品―「神奈川県立図書館ならびに音楽堂」前川国男、丹下健三、清家清 業跡―「沼津市防火建築帯の造成行政」松下喜一、小池新二、下出源七
1955年05月 毎日新聞社主催による第三回国際美術展が二〇日から六月一二日まで東京都美術館で開かれ、日本をはじめ、アメリカ、フランス等一二ケ国約六〇〇点の絵画、彫刻が陳列された。なお同社では国際賞「日本国際美術展賞」を新らたに設定、二三日左の通り決定した。 外国部 外務大臣賞―ペリクレ・ファッチニ(彫刻)イタリア 文部大臣賞―カルズー(油絵)フランス 東京都知事賞―ベン・ニコルソン(油絵)イギリス 毎日新聞社賞―ピーター・ルバルダ(油絵)ユーゴスラヴィア 日本部 最優秀賞―脇田和(油絵) 佳作賞―海老原喜之助、村井正誠、高畠達四郎(油絵)福田豊四郎(日本画)
1955年05月 東京都美術館が故佐藤慶太郎の寄附によつて創建されて以来、三〇周年を迎え、五月一一日多数の来賓を招いて盛大な記念祝典及び祝賀会が催された。
1955年05月 ニューヨークのブルックリン美術館で日仏米三国参加による第一八回「国際水彩画ビエンナーレ展」が四日から六月一二日まで開かれ、日本から海老原喜之助、桂ユキ子、草間弥生他二六名七六点の作品が出品された。
1955年05月 ブリヂストン美術館では三日から一五日まで、アメリカ・フィラデルフィア版画協会員二一名の作品、リトグラフ、セリグラフ、木版、エッチング等四〇余点を陳列した。
1955年04月 国立近代美術館では二九日から五月二九日まで「日米抽象美術展」を開催、絵画、彫刻、版画、書等一〇〇余点を陳列、抽象美術に対する親しみを深めた。