- 本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された彙報・年史記事を網羅したものです。
- 現在、2019年/平成31(令和元)年まで公開しています。(記事件数
5,450 件)
2018年03月 文化庁は7日、2017年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞美術部門では美術家の杉戸洋(「杉戸洋 とんぼとのりしろ」展の成果に対して)、現代美術家の西野達(「西野達 in 別府」展他の成果に対して)、評論等の部門では美術史家、筑波大学特命教授の五十殿利治(『非常時のモダニズム』の成果に対して)、美術評論家の椹木野衣(『震美術論』の成果に対して)、メディア芸術部門ではアニメーション作家の山村浩二(「山村浩二 右目と左目でみる夢」の成果に対して)が受賞。同新人賞の美術部門ではアーティストの岩崎貴宏(「逆さにすれば、森」展の成果に対して)、芸術振興の部門ではNPO法人クリエイティブサポートレッツ代表理事の久保田翠(「表現未満、実験室」他の成果に対して)、メディア芸術部門ではアーティストの和田永(「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」の成果に対して)が受賞した。 (English)
2018年06月 「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」が、国会での審議を経て1日に成立、8日に公布された。過疎化や少子高齢化等により文化財の継承の基盤であるコミュニティーが脆弱化し、その減失や散逸の防止といった喫緊の課題をふまえたもので、①地域における文化財の総合的な保存・活用、②個々の文化財の確実な継承に向けた保存活用制度の見直し、③地方における文化財保護行政に係る制度の見直し、の三点が位置付けられた。これにより、都道府県は文化財の保存活用に係る総合的な施策の大綱を策定し、それを勘案して市町村は文化財保護活用地域計画を作成して国の認定を申請できることとなったほか、これまで地方公共団体の教育委員会が所管していた文化財保護の事務を条例により地方公共団体の長が担当できるようになった。 (English)
2018年10月 政府は26日、2018年度の文化勲章受章者5名と文化功労者20名を決定した。美術関係では、技術的に難しいとされる象嵌技法を広い面に展開する面象嵌に発展させ、陶芸に新しい可能性を切り開いた陶芸家の今井政之が文化勲章受章者に、斬新な散らし書きが伝統の品格と現代の造形感覚を兼ね備え、高く評価された書家の井茂圭洞、「建築を軽く」という方法論で注目を集め、日本各地でプロジェクトを展開し、現代建築の発展に寄与した建築家の伊東豊雄、地域創生に至るアートプロジェクトという前人未到の領域で第一人者として活躍するアートディレクターの北川フラムが文化功労者に選ばれた。 (English)
2018年03月 文化審議会は9日、紙本著色日月四季山水図・六曲屏風(大阪・天野山金剛寺)、木造千手観音立像・蓮華王院本堂安置(京都・妙法院)、木造四天王立像(奈良・興福寺)、紺紙金字大宝積経巻第三十二・高麗国金字大蔵経(京都国立博物館)、菅浦文書・菅浦与大浦下庄堺絵図(滋賀・須賀神社)の5件を国宝に、キトラ古墳(奈良県明日香村)の彩色壁画等50件を重要文化財に指定するよう林芳正文部科学相に答申した。あわせて岸田日出刀の設計によるモダニズム建築の旧東照宮宝物館(栃木県日光市)等196件の建造物を登録有形文化財にするよう答申した。 (English)
2018年06月 第二次世界大戦の空襲で焼失し、名古屋市が2009年より復元を進めてきた名古屋城本丸御殿(総面積3100平方メートル)が完成し、4日、内覧会が催された(一般公開は8日から)。復元に際しては木造で往時の姿を忠実に再現する技術を凝らし、狩野貞信や探幽といった狩野派の絵師による障壁画は、現存する襖等や焼失以前に撮影されたガラス乾板写真をもとに復元模写が行なわれた。 (English)
2018年10月 優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第30回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は「没後40年 幻の画家不染鉄」展の企画及び図録中の論文を担当した松川綾子(奈良県立美術館学芸員)、美術評論部門は「戦後美術の現在形 池田龍雄展 楕円幻想」の企画及び図録中の論文を担当した喜夛孝臣(練馬区立美術館学芸員)が選ばれた。 (English)
2018年03月 文化庁は16日、国内外の優れた映像作品などを表彰する第21回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を発表した。アート部門はチュニジアのヘイサム・ザカリアによる映像インスタレーション「Interstices/OpusⅠ―OpusⅡ」、エンターテインメント部門は『人〓いの大鷲トリコ』開発チーム(代表:上田文人)のゲーム「人〓いの大鷲トリコ」、アニメーション部門は片渕須直の劇場アニメーション「この世界の片隅に」、マンガ部門は池辺葵の「ねぇ、ママ」がそれぞれ大賞を受賞した。 (English)
2018年06月 文化審議会は15日、新津油田金津鉱場跡(新潟市)等9件を史跡に、白山公園(新潟市)等4件を名勝に指定、絲原氏庭園(島根県奥出雲町)を登録記念物に登録、「伊庭内湖の農村景観」(滋賀県東近江市)および「北大東島の燐鉱山由来の文化的景観」(沖縄県北大東島)を重要文化的景観に選定するよう林芳正文部科学相に答申した。 (English)
2018年03月 写真家木村伊兵衛の業績を記念し、優れた新人写真家に贈られる木村伊兵衛写真賞(主催:朝日新聞社、朝日新聞出版)の第43回目の受賞者が16日に発表され、小松浩子と藤岡亜弥に決定した。対象作は小松が展示「人格的自律処理」他、藤岡が写真集『川はゆく』他。 (English)
2018年06月 世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月、日本政府が推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて6月30日、バーレーンの首都マナマで開催されていたユネスコの第42回世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。 (English)
2018年03月 前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第37回受賞者が潮田登久子に決定したことが16日に発表された。受賞対象は写真集『本の景色 BIBLIOTHECA』。 (English)
2018年07月 国立文化財機構に1日、文化財活用センター(センター長:旭充)が開設された。文化財の積極的な活用を打ち出した文化審議会の答申を受けて設置されたもので、企画、貸与促進、保存、デジタル資源の4事業を通して国内の有形文化財の活用を目指す。 (English)
2018年03月 朝日新聞社の創業者である村山龍平が収集した日本・東洋古美術品を所蔵する公益財団法人香雪美術館は開館45周年を記念し、神戸市東灘区御影の本館に次ぐ中之島香雪美術館(大阪市北区中之島)を21日にオープンした。大阪のビジネス街にある中之島フェスティバルタワー・ウエストの4階に位置し、重要文化財の旧村山家住宅に建つ茶室玄庵を再現した中之島玄庵や、創業者の生涯を紹介する村山龍平記念室が設けられている。開館記念展として「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」が、3月21日から2019年2月11日にかけて5期にわたりテーマ別に開催された。 (English)
2018年07月 3日より東京国立博物館で「特別展 縄文 1万年の美の鼓動」が開催された(9月2日まで)。日本のもの作りの源流として、縄文時代の土器や石器、土偶等のダイナミックな造形美に焦点をあてた展覧会で、火焔型土器や土偶「縄文のビーナス」といった国宝指定の出土品全6件を展示、また同時期の世界各地の土器も併せて展示し縄文土器の独創性をうかがうコーナーも設けた。 (English)
2018年03月 日本芸術院(院長:黒井千次)は22 日、2017年度の芸術院賞受賞者を発表した。第一部(美術)で田渕俊夫(日本画、再興第100回院展出品作「渦潮」に対して)、第二部(文芸)で芳賀徹(評論・翻訳、『文明としての徳川日本 一六〇三―一八五三年』に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、第一部(美術)で湯山俊久(洋画、改組新第3回日展出品作「l’Aube(夜明け)」に対して)、三田村有純(工芸、改組新第3回日展出品作「月の光 その先に」)、土橋靖子(書、改組新第4回日展出品作「かつしかの里」に対して)が日本芸術院賞を受賞した。 (English)
2018年07月 西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第13回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は平野到・埼玉県立近代美術館学芸主幹(「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」展に対して)、安井裕雄・三菱一号館美術館学芸グループ副グループ長(「ルドン・秘密の花園」展に対して)が、団体に贈られる文化振興賞は「クラーナハ展 500年後の誘惑」(国立西洋美術館)他への調査研究助成、出版援助、国際交流援助による研究振興に功績のあった公益財団法人鹿島美術財団が受賞した。 (English)
2018年03月 平成30年度国家予算が28日、成立した。文化庁予算は1077億2900万円となり前年度より3.3%、34億5700万円の増額となった。Ⅰ.文化芸術の創造・発展と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.文化資源を生かした社会的・経済的価値の創出、Ⅳ.日本ブランド向上に向けた多彩な文化芸術の発信、Ⅴ.文化発信を支える基盤の整備・充実の5つを柱とし、美術に関する主な新規項目として、Ⅲの「アート市場活性化事業」に5000万円が計上された。 (English)
2018年07月 世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第30回受賞者が11日発表された。美術関係では、絵画部門で、国際的な前衛美術集団コブラ(CoBrA、1948~51年)で活躍、書道の影響を受けた自由な筆さばきと、アクリル絵の具の乾きやすい特性を生かし、自身の内面を大胆に表現するベルギーの現代美術家ピエール・アレシンスキー、彫刻部門で、水を用いた人工霧による「霧の彫刻」を1970年の大阪万国博覧会で初めて発表し、以来、世界各地で霧を使ったインスタレーションやパフォーマンス、環境彫刻等80作品以上を手がけ、“霧のアーティスト”として世界的に知られる中谷芙二子、建築部門で、フランスの“音楽都市”で一躍有名になり、福岡市のネクサス集合住宅等が高く評価されるフランスの建築家・都市計画家のクリスチャン・ド・ポルザンパルクが受賞した。 (English)
2018年04月 東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターは1日、独立行政法人国立美術館の映画専門機関である国立映画アーカイブ(館長:岡島尚志)となった。これは他の国立美術館と同格の機関とした改組で、日本の映画文化振興のためのナショナルセンターとして一層の機能強化を進めることとなった。 (English)
2018年07月 文化審議会は20日、人間国宝の父康孝に師事し、伝統技法を習得、染色に適した生地や型紙の和紙、のり等に徹底してこだわり“連子柄”に代表される精緻な文様を実現した江戸小紋の小宮康正、沈金の前大峰と蒔絵の松田権六から指導を受け、創意工夫を加えて技を磨き、沈金象嵌の技法等を効果的に織り交ぜて表現の可能性を広げた沈金の山岸一男を含む3名を、新たに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう林芳正文部科学相に答申した。 (English)