広隆寺境内の発掘調査
1970年03月京都市のバイパス建設工事に先立ち平安博物館が広隆寺境内の発掘調査を行っているが、2日までに日本書紀の記述の通り現在の広隆寺の境内に蜂岡寺が実在したことが確認された。
京都市のバイパス建設工事に先立ち平安博物館が広隆寺境内の発掘調査を行っているが、2日までに日本書紀の記述の通り現在の広隆寺の境内に蜂岡寺が実在したことが確認された。
第13回安井曽太郎賞(財団法人安井曽太郎記念会、毎日新聞社主催)の選考委員会は、4日東京・上野の日本美術協会会館で開かれ、安井賞に藤田吉香(国画会会員)の「春木萬華」が決まり、今回から加えられた佳作賞には市川正三(三軌会会友)の「無言譜」が選ばれた。受賞作を含む64作家70点の作品は6日から17日まで池袋西武百貨店で開催の安井賞展に展示された。
第20回(44年度)芸術選奨と第3回新人賞の受賞者が10日文化庁から発表された。美術関係では、栃木県議会議事堂の設計で地方建築の造形的水準を高め、また千葉県文化会館(建築学会賞)、坂出市の人工土地を手がけるなど、公共建築の近代的表現を開拓してきた大高正人(建築設計事務所長)が選奨に、第9回現代日本美術展、個展の発表作が熟練した技術と新鮮な感覚で大きな成果をあげた版画家吉原英雄が新人賞に選ばれた。
最澄の1150年忌を機に14日から3月3日まで新宿の小田急百貨店に於いて延暦寺を始め全国の天台宗寺院・博物館から100余点の寺宝を集めて開催された。
滋賀県甲賀郡の浄楽寺は国宝の本堂と三重塔とがアオゲラ(キツツキ科)に荒らされ、支輪の部分に穴を開けられた個所が見つかった。アオゲラは保護鳥なので捕獲せず、建物の周囲に網を張って被害の拡大を防ぐこととした。
丹下健三東大教授にローマ法王庁から「サン・グレゴリオ・マンニャ勲章」が授与されることになり、本月初旬、駐日ローマ法王庁大使館から連絡があった。東京・文京区の東京カテドラル(昭和39年完成)を設計したのが授章の理由で、16日に同大使館で伝達式が行なわれた。因みに同勲章はローマ法王庁の最高勲章で、日本人としては4人目の受章者となった。なお同教授は「日本の都市を変化させた業績」に対して、18日香港大学から名誉学位を贈られた。
パプロ・ピカソの新作版画をあつめた「ピカソ近作版画展」(東京国立近代美術館、毎日新聞社主催)が、7日から3月15日まで東京国立近代美術館で開催された。前年欧米各地で開かれ国際的な話題をまいた版画展で、’68年3月から10月にわたっての精力的な製作ぶりを示し、エロチカルな日記風につづられた版画347点のうちの256点を展示、エッチング、ドライポイント、アクアティントなどさまざまな版画の技法を試みた作品群は、版画家や愛好家の関心をあつめた。
日本考古学協会の埋蔵文化財保護対策特別委員会は全国の埋蔵文化財が開発事業などで破壊されてゆく埋蔵文化財の実態を、昭和40年より調査して来たが、この程その調査結果の大要をまとめ「埋蔵文化財破壊の現状」と題する資料を発表した。それによると、埋蔵文化財は予想以上に激しい勢いで壊わされつつあり、調査をせぬうちに破壊され文化財としての価値を失った遺跡の数は地元の研究者が確認しただけでも5年間で1000件を越えている。(8日)
文化庁では美術団体展、個展などの発表作の中から毎年その年度の優秀作品の買上げを行なっているが、昭和44年度の買上げ作品が下記の通り決まり、21日発表された。 日本画―「碇と少年」加倉井和夫(日展会員)、「青の時」下田義寛(院展特待)、「ロマネスクの祭壇」大森運夫(新制作協友) 洋画―「外輪山」田村一男(日展理事)、「驚く可き風景B」猪熊弦一郎(新制作会員)、「画家の家族」北川民次(二科副会長)、「町・トレド」藤田吉香(国画会員) 彫刻―「鳥の季節」水船六洲(日展評議員)
文芸・美術の分野でのすぐれた業績をあげた作家に贈られる第2回新潮芸術大賞は、今回芸術部門の授賞者として、ここ2、3年来の業績が高く評価された日本画家日展理事高山辰雄が選ばれた。26日、東京・帝国ホテルで授賞式が行なわれた。
4日から20日まで新宿小田急百貨店において歌麿の作品300余点を集めて行なわれた。ギメ美術館、ホノルル美術館、リードバーグ美術館など外国からの出品も50余点を数えた。
第11回毎日芸術賞(昭和44年度)の受賞者が1日附毎日新聞紙上で発表されたが、美術関係では、芸術大賞に板画家・棟方志功(「板画大柵」と板芸業40年記念「棟方志功障壁画展」の成果)と芸術賞に建築家・白井晟一(「親和銀行本店」の設計)がきまり、16日、東京一ツ橋のパレスサイドビルで表彰式が行なわれた。