「日本画の100年」展開催

2000年04月

日本画を20世紀の日本が生んだ近代絵画として回顧しようとする展覧会が、4月4日から東京芸術大学大学美術館で開催された。同展は、東京国立近代美術館の企画協力を得て実現されたもので、菱田春草から中島千波まで、67点で構成され、近代日本画の流れをたどるとともに、同大学の東京美術学校時代からの「日本画科」の伝統をもふりかえる企画であった。(会期、5月28日まで。)

「長沢芦雪」展開催

2000年04月

江戸時代、天明から寛政年間にかけて、独自の画境をもって活躍した画家長沢蘆雪の回顧展が、4月4日から千葉市美術館で開催された。米国のプライス・コレクションからの里帰り作品を含む、約100点によって構成され、形式にとらわれないその個性豊な芸術が回顧された。(会期、5月7日まで。以後同展は、和歌山県立博物館に巡回した。)

第25回木村伊兵衛賞決定

2000年03月

故木村伊兵衛の業績を記念して朝日新聞社が、昭和50年に創設した同賞は、鈴木理策の写真集「PILES OF TIME」(光琳社出版)を中心とする写真活動に対して贈ることを決定した。授賞式は、4月13日に東京、有楽町マリオン・朝日スクエアでおこなわれた。

文化庁予算決まる

2000年03月

平成12年度の文化庁予算は、前年度比0.4%増の807億9,100万円とすることが決まった。三年連続のマイナスは避けられたが、「ナショナル・ギャラリー」(仮称)、「九州国立博物館」(仮称)の設置等の事業が本格化することにともなうものとなった。

多摩美術大学美術館開館

2000年04月

同大学が、東京、多摩センター駅前の旧東京国際美術館の建物を取得し、改修工事をすすめてきたが、同美術館は、4月1日に開館した。開館記念展としては、「ベン・シャーン―人びとへ、二十世紀から」展を開催した。(会期、6月25日まで。)

日本国宝展開催

2000年03月

文化財保護法施行50周年を記念して、東京国立博物館平成館で、3月25日から「日本国宝展」が開催された。絵画、書籍・典籍・古文書、彫刻、工芸、考古遺物の五部門の約200点を総合的に紹介する企画であった。(会期、5月7日まで。)

第2回亀倉雄策賞決定

2000年03月

亀倉雄策の業績を記念して社団法人日本グラフィックデザイナー協会が主催する同賞は、グラフィックデザイナー永井一正氏のポスター「Life」全6点に贈ることを決定した。授賞式は、4月3日に東京、銀座のリクルートGINZA8ビルでおこなわれた。

芸術選奨受賞者決定

2000年03月

芸術の分野で昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる芸術選奨の受賞者が、17日文化庁から発表された。美術関係では、インテリアデザイナー内田繁(57)(個展「棚のある空間」でのデザイン)、草間弥生(70)(展覧会「草間弥生 ニューヨーク/東京」)が文部大臣賞、また青木野枝(41)(造形「untitled」)が新人賞を受賞した。評論等部門の新人賞では、美術史家の小池寿子(44)が選ばれた。

第7回日本文化芸術振興賞決定

2000年03月

日本文化藝術財団が主催する同賞は、織物美術家の竜村順に、また日本現代藝術振興賞は、宮脇愛子、川俣正に決定した。授賞式は、3月24日に東京、元赤阪の明治記念館でおこなわれた。

日本芸術院賞受賞者決定

2000年03月

日本芸術院(犬丸直院長)は、10日、芸術の各分野で顕著な功績のあった人に贈る平成11年度の日本芸術院賞受賞者を決定した。恩賜賞・日本芸術院賞の第1部(美術)受賞者には、洋画家庄司栄吉(81)(日展出品作「聴音」に対し)、日本芸術院賞には日本画の那波多目功一(66)(院展出品作「富貴譜」に対し)、工芸の古賀将夫(57)(日展出品作萩釉広口陶壺『曜 ’99・海』に対し)、書の梅原清山(77)(現代書道二十人展出品「漢鐃歌三章」に対し)、建築の長谷川逸子(58)(「新潟市民芸術文化会館及び周辺ランドスケープの設計」)が選ばれた。授賞式は6月19日に東京、上野の日本芸術院会館で行われた。

重要文化財(建造物)指定

2000年03月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、17日、山形県羽黒町の「羽黒山三神合祭殿および鐘楼」など8件を、重要文化財(建築)に指定するよう中曽根弘文文相に答申した。これで、重要文化財(建築)は、2,191件となった。

登録有形文化財登録の答申

2000年02月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、18日、東京都渋谷区立広尾小学校や琵琶湖上に立つ平安中期創建と伝えられる海門山満月寺浮御堂(滋賀県大津市)など110件を登録有形文化財に登録するよう答申した。登録される文化財建造物は781ヶ所、1,670件となった。

第3回岡本太郎記念現代芸術大賞受賞者決定

2000年02月

財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団が主催する第3回の同賞の最終審査が、2月22日におこなわれ、受賞者が決定した。大賞は、該当者がなく、準対象にN.キデヒトの「終わらないにらめっこの脱け殻」(インスタレーション)、藤阪新吾の「よいこの学習」(インスタレーション)に贈られることになった。

第15回国際交流基金地域交流振興賞決定

2000年01月

同賞の受賞者で、美術関係では、「いなみ国際木彫刻キャンプ実行委員会」(富山県)が選ばれた。同委員会は、91年に設立され、海外と地元の彫刻家が公開制作をおこない、完成作品を野外展示するキャンプを4年に一度、企画実施しており、その活動が、このほど評価された。

第7回VOCA賞受賞者決定

2000年02月

具象、抽象の区別なく、絵画・平面系の若手作家を対象としたVOCA2000展(同展実行委員会、財団法人日本美術協会、上野の森美術館主催)の最高賞であるVOCA賞は、31作家のなかから岩尾恵都子「Oslo」「Cuzco」に決定した。奨励賞には、坂井淑恵、内藤絹子、フジイフランソワ、みやじけいこが選ばれた。

「顔 絵画を突き動かすもの」展開催

2000年01月

東京国立近代美術館、国立西洋美術館、京都国立近代美術館の主催により、同展(会場、国立西洋美術館)が1月12日から開催された。絵画に描かれた顔に焦点をあて、20世紀の絵画表現の核心を見つめなおそうとする企画で、国内外の45作家、98点によって構成された。(会期、2月23日まで。以後京都国立近代美術館に巡回した。) 

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