第12回MOA岡田茂吉賞

2000年08月

日本画と伝統的な工芸を対象とする第12回の同賞(MOA美術館主催)に、絵画部門の大賞に平松礼二、優秀賞に浅野均、工芸部門の大賞に栗木達介、優秀賞に八木明を決定した。授賞式は、静岡県熱海市の同美術館でおこなわれた。

「ナビ派と日本」展開催

2000年09月

ナビ派の絵画と、1910年代の日本近代の絵画にその反映をみなおそうとする展覧会が、9月15日から新潟県立近代美術館で開催された。1890年代、フランスで生まれたナビ派の画家たちの作品と、1910年代の日本の画家たちの作品のなかに、同派からの多様な影響の跡をみようとする意欲的な企画であった。(会期、11月5日まで。)

第31回中原悌二郎賞決定

2000年10月

彫刻家中原悌二郎の業績を記念して、北海道旭川市が創設した同賞の第31回の受賞作に、山本正道「Versilia ’99」が、同優秀賞に井田勝己の「月に向かって進め」が選ばれ、10月7日に旭川市内で贈呈式がおこなわれた。

第47回日本伝統工芸展入賞作品決定

2000年08月

第47回の同展(文化庁、日本工芸会等主催)は、758点の入選作から、日本工芸会総裁賞に大西勲の「曲輪造黒溜盛器」など13点の入賞作を選び、公表した。

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」開催

2000年07月

越後妻有6市町村が連携して、7月20日から地域活性化事業としてトリエンナーレを開催した。参加したのは、新潟県十日町、川西町、津南町、中里町、松代町、松之山町の6市町村。地球の環境問題が注目されている現代にあって、地域と自然、人間を見つめなおすことを目的に開催され、アーティストと地域の住民が協働しながら、それぞれの場所にねざした作品を制作した。地域の振興事業としても注目され、また芸術表現を発表するかたちとして、新しい方向をしめした。(会期、9月10日まで。)

「世界四大文明」展同時開催

2000年08月

エジプト、メソポタミア、インダス、中国の四つの古代文明をとりあげた展覧会が、東京都内、横浜の博物館、美術館4館で同時開催された。東京国立博物館では、8月2日から「エジプト文明展」(会期、10月1日まで)、東京都美術館では、8月5日から「インダス文明展」(会期、12月3日まで)、世田谷美術館では、8月5日から「メソポタミア文明展」(会期、12月3日まで)横浜美術館では、8月5日から「中国文明展」(会期、11月5日まで)がそれぞれ開催された。いずれも、主催は、開催館とNHK、NHKプロモーションであり、こうした試みは、はじめてのことであった。

第12回世界文化賞決定

2000年07月

文化、芸術の発展に貢献した芸術家に贈られる第12回高松宮殿下記念世界文化賞(財団法人日本美術協会主催)の受賞者が、7月11日にロンドンのテート・モダン美術館で公表された。絵画部門でエルズワース・ケリー(米国、77)、彫刻部門でニキ・ド・サン・ファール(フランス、69)、建築部門でリチャード・ロジャース(英国、66)が選ばれた。授賞式は、10月26日に東京、元赤阪の明治記念館でおこなわれた。

登録有形文化財

2000年07月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、7月18日、高崎白衣大観音像(群馬県高崎市)、近江兄弟社学園ハイド記念館・教育会館(滋賀県近江八幡市)など建造物140件を登録有形文化財にするよう大島理森文相に答申した。

第22回マルコポーロ賞決定

2000年06月

イタリア文化会館主催の同賞は、「プリーモ・レーヴィへの旅」(朝日新聞社)の著者徐京植、「ヴェネツィアと日本―美術をめぐる交流」(ブリュッケ)の著者石井元章(大阪芸術大学助教授)に決定した。授賞式は、6月19日にイタリア大使館でおこなわれた。

第1回和島誠一賞決定

2000年07月

文化財保護の分野で功績のあった個人や団体を顕彰するため、文化財保存全国協議会が創設した同賞の受賞者に、直木孝次郎(大阪市立大学名誉教授)と大分県文化財保存協議会(二宮淳一郎会長)が選ばれた。

うらわ美術館開館

2000年04月

埼玉県浦和市(現さいたま市)に市立の同美術館が、浦和センチュリーシティービル内に、4月15日に開館した。美術館は、ビルの2、3階を占め、延べ床面積2,300平方メートル。コレクションは、浦和ゆかりの美術家の作品と20世紀のアーティスト・ブックを中心にしている。開館記念展として、「浦和画家とその時代―寺内万治郎瑛九高田誠を中心に」展が、6月18日まで開かれた。

日本芸術大賞決定

2000年05月

新潮文芸振興会が主催する第13回新潮四賞のうち日本芸術大賞は、5月16日の選考会によりデザイナーの三宅一生に決定した。授賞式は、6月23日に東京、虎の門のホテル・オークラでおこなわれた。

人間国宝認定

2000年05月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、19日、5人を重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう中曽根弘文文相に答申した。工芸技術の部では、経錦の北村武資(64)、芭蕉布の平良敏子(79)、越前奉書の岩野市兵衛(66)が選ばれた。これで、現在の人間国宝は109人となった。

春の褒章受章者

2000年04月

政府は、2000年春の褒章受賞者を4月29日付で発令した。美術関係の紫綬褒章受章者は、立体造形作家江口週(68)、漫画家東海林さだお(62)、美術評論家高階秀爾(68)、金工作家魚住安彦(62)。

「明王―怒りと慈しみの仏」展開催

2000年04月

密教伝来とともに、わが国にもたらされた図像としての明王を、その造形の諸相にわたって展観する展覧会が、4月29日から奈良国立博物館で開催された。「五大明王」、「不動明王」、「愛染明王」等及び関連資料、約120点によって構成され、仏像のなかでも、もっとも変化に富んだ造形が総覧された。(会期、6月4日まで。)

国宝重要文化財指定

2000年04月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、17日、藤原定家自筆の「明月記」(冷泉家時雨亭文庫)、木造弘法大師坐像(教王護国寺)の2件を国宝に、黒田清輝の「智・感・情」(東京国立文化財研究所)、上村松園の「序の舞」(東京芸術大学)など45件を重要文化財に指定するよう中曽根弘文文相に答申した。また、「東京大学教養学部時計台」など95件を登録有形文化財に登録するよう答申した。

「あるくうつすあつめる 松平定信の古文化財調査 集古十種」展開催

2000年04月

松平定信を中心に編纂された『集古十種』に、収められた古文化財を展示し、好古の視線を検証する展覧会が、4月22日から福島県立博物館で開催された。同書に収められ、記録された多様な古物のなかから、現存する資料等約100点によって構成され、定信の情報収集の姿と、好古趣味を多角的に検証した展覧会となった。(会期、6月11日まで。)

「フェルメールとその時代」展開催

2000年04月

日本とオランダの交流400年を記念して企画された同展が、4月4日から大阪市立美術館で開催された。ヨハネス・フェルメールの「青いターバンの少女」など5点とデルフト派の作品約30点によって構成され、国内でフェルメールの作品に接することができる、またとない機会となった。(会期、7月2日まで。)

茨城県陶芸美術館開館

2000年04月

笠間焼を中心に、陶芸専門の県立美術館として茨城県笠間市の笠間芸術の森公園内に同美術館が、4月15日に開館した。建物は、地上二階、地下一階、延べ床面積6,751平方メートル。板谷波山をはじめ、人間国宝の27名の作品を展示する常設展示室と、笠間焼の歴史を紹介する展示室などを備えている。開館記念展として「人間国宝展 技と美を極める匠たち」が、6月18日まで開催された。

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