ブッダ釈尊-その生涯と造形

1984年04月

釈迦をめぐる各種の美術工芸品409点を展開した展覧会が29日より6月3日まで奈良国立博物館で開催された。国宝51点、重文236点、インド・韓国、イギリスからも24点が出品され充実した内容となった。

浅井忠の高野コレクション、東博に寄贈

1984年04月

明治の洋画家浅井忠の作品収集では屈指といわれる高野時次のコレクションが24日東京国立博物館に寄贈された。水彩56点を中心とする76点は、滞仏中のグレーでの作品も含む充実したもので、同コレクションはその後同博物館で一般公開された。

第15回日本国際美術展

1984年04月

隔年で実施される日本国際美術展の第15回は25日から5月10日まで東京都美術館で開催され、大賞に内田晴之「異・空間」(立体)が選ばれた。以後同展は各地を巡回。

野村美術館ほか続々開館

1984年04月

野村財閥の創始者故野村徳七の収集した秘蔵コレクションを展示する財団法人野村文華財団の野村美術館が8日開館(京都市左京区南禅寺下河原町61)、またこれに先立ち、肉筆浮世絵の麻布美術館(港区東麻布1-29-13)が2月25日、近代日本絵画の中野美術館(奈良市あやめ池南9-946-2)が3月1日、高畠華宵ほか大正ロマンの絵を集めた弥生美術館(文京区弥生2-4-1-3)が6月1日にそれぞれ開館、また盲人のためのユニークな「手で見るギャラリーTOM」(渋谷区松涛2-11-1)も3日から一般公開され、個性的な美術館の開館が相次いだ。

民俗芸術学会発足

1984年04月

美術工芸、デザイン、建築などの研究者約900人が集まり、世界各地の民俗芸術の研究を目的とした学会がこのほど発足、会長に木村重信、評議員に林屋辰三郎、梅棹忠夫ら29名が就任した。

村上華岳展

1984年03月

孤高の画家村上華岳の初期から晩年に至る未公開作を含む106点の作品を展観した展覧会が、3月28日より5月6日まで東京国立近代美術館で開催され、画業の全貌を窺う好機を提供した。

58年度日本芸術院賞決定  

1984年04月

日本芸術院は4日、58年度(第40回)の芸術院恩賜賞と芸術院賞10名を内定、第一部・美術では芸術院賞に日本画の福王寺法林(前年院展出品作「ヒマラヤの花」に対し)、洋画の寺田竹雄(前年二科展出品作「朝の港」に対し)、陶芸の中里太郎右衛門(前年日展出品作「叩き唐津手付瓶」に対し)、建築の芦原義信(国立歴史民俗博物館の建築設計に対して)が選ばれた。10日正式決定し、授賞式は6月4日日本芸術院会館で行なわれた。

松方コレクション、主要作品は国内に

1984年04月

ブリヂストン美術館に寄託中の故松方幸次郎コレクションのヨーロッパ絵画16点が競売に出されることになり、6日遺族に引き渡された。海外への流出が懸念されたが、マネ、モネほかの主要な作品は国立西洋美術館、ブリヂストン美術館への寄贈が決定、国内にとどまることとなった。

重要文化財新指定

1984年03月

文化財保護審議会(小林行雄会長)は、新たな国の重要文化財として、23日建造物関係6件、24日までに美術工芸品関係国宝1件、重要文化財37件を認定するよう森文相に答申した。建造物では旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎(名古屋市)、大滝神社本殿および拝殿(福井県今立町)など洋風建築二件二棟、社寺建築四件六棟、美術工芸品では平安後期書写の医書「医心方」(半井家本)が国宝に、紙本着色「辟邪絵」(文化庁)など絵画6、彫刻6、工芸6、書籍典籍6、その他13件が重要文化財として答申された。これで国宝は826件、重要文化財9261件となり、新指定の文化財は4月3日より15日まで東京国立博物館で展観された。また今回も冷泉家の文書類6件が重文指定を受け、これで冷泉家関係は国宝3件、重文16件となった。

人間国宝決定

1984年03月

文化財保護審議会は26日、重要無形文化財保持者(人間国宝)として新たに6名を認定するよう森文相に答申、美術関係では木工芸の大野昭和斎、中台瑞真、友禅の山田貢が選ばれた。

渡辺崋山展

1984年02月

渡辺崋山の作品約80点、門人らの作品約20点を展観した展覧会が2月25日より3月25日まで栃木県立美術館で開催され、崋山の重文多数を含む作品が出品され、充実した展覧となった。

インド古代彫刻展 

1984年03月

インド各地の博物館から仏教、ヒンズー教、ジャイナ教等の第一級の彫刻を集めたインド古代彫刻展が東京国立博物館(3月20日-5月6日)、京都国立博物館(5月22日-7月8日)で開催され、石像彫刻を中心にブロンズも含めた71点の作品が出品された。

第1回本郷新賞決定

1984年02月

昨年10月に札幌彫刻美術館により新設され、隔年ごとに実施される本郷新賞の第1回受賞者が7日発表され、金子健二、安倍和子、栗原俊明、寺田栄の若手4作家の共同制作になる「風の又三郎群像」が受賞した。

58年度芸術選奨

1984年02月

昨年一年間に優れた業績を残した人々に贈られる58年度の芸術選奨文部大臣賞と新人賞が25日決定、美術関係で日本画家松本哲男が「大同石仏」により新人賞を受賞した。

第27回安井賞決定

1984年02月

具象洋画の新人登竜門的役割を果し昭和32年以来続く安井賞の第27回受賞者が25日発表され、安井賞に小笠原宣「行」、佳作賞に藤崎恒瀬「漁夫」がそれぞれ選ばれた。同賞展は池袋西武(3月3日~14日)を皮切りに全国7会場を巡回。

山種美術財団に山崎種二遺産10億円寄附

1984年02月

昨年8月死去した山種美術館創設者山崎種二の遺産の中から山種美術財団に10億円が寄附され、また国際交流基金を通じニューヨーク、メトロポリタン美術館日本コーナー建設にも1億円が寄附された。

第19回昭和会賞決定

1984年01月

昭和生まれの作家を対象に具象絵画・彫刻の新人登竜門として19回目を迎えた昭和会賞が31日決定、昭和会賞に松井ヨシアキ「幕間」(絵画)、林武賞に高田大「秘密」(彫刻)、優秀賞に金森宰司「ライフ、母親」(絵画)、杉山惣二「戒と律」(彫刻)が選ばれた。

58年度朝日賞決定 

1984年02月

58年度朝日賞に、美術関係者から美術史家源豊宗(日本美術史研究における多大の業績)、グラフィックデザイナー亀倉雄策(現代日本のデザインを世界的水準に高めた功績)が選ばれた。

浅井忠賞新設

1984年01月

千葉県立美術館が開館10周年を記念し、同地ゆかりの浅井忠に因んでこのたび浅井忠賞を新設、国公立美術館としては初の全国公募展を開設した(1.14~2.22)。“リアリズムの追求”をテーマとして洋画に限られ、第1回浅井忠賞は大賞に松本秋美「aspettare」、優秀賞に高森登志夫「絵画」斎藤捷夫「海辺の光景」斎藤寅彦「時の跡」が選ばれた。

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