ロシアソビエト国宝絵画展

1975年05月

ソ連文化省、朝日新聞社主催によりこれまで国外不出であったレーピン作「ボルガの舟曳き」など24点による展覧会が、27日から6月15日まで東京日本橋・三越を会場として開催された。

円空仏、多量に発見

1975年05月

名古屋市の荒子観音寺で1,020体の円空仏が発見され、15日円空研究家ら関係者に公開された。なお、発見されたのは1昨年11月で、保管設備ができるまでその発表が控えられていたのである。

池田20世紀美術館開館

1975年05月

国内外の現代美術品600点からなる日瀝化学工業社長池田英一の蒐集より財団法人池田20世紀美術館が、1日、静岡県伊東市に開館した。開館記念展「現代の人間像」。現代美術館として活動、運営されるとのことである。

鉄斎美術館完成

1975年05月

富岡鉄斎の作品を多数所蔵している兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺内に美術館が完成、今後、随時鉄斎の作品が展観されることとなった。

「源氏物語の美術」展

1975年04月

京都国立博物館の春季特別展として、日本経済新聞社と共催で26日から5月25日まで開催、源氏物語に取材した絵画、工芸、書跡など各時代にわたる作品を展示した。

「仏舎利の美術」展

1975年04月

奈良国立博物館開館80周年記念の催しとして、27日から5月25日まで開催、国宝15件、重文43件を含む総計160件を展示し、諸外国の遺例とあわせて、上代から近世初期に至る多種多様な変遷をもつ仏舎利信仰とその系譜を示した。

ホドラー展

1975年04月

スイスの近代絵画の巨匠で、世紀末の代表的画家フェルディナント・ホドラーの展覧会が、スイス連邦政府の協力により、5日から5月25日まで東京上野の国立西洋美術館において開かれた。ホドラーの作品が組織的に紹介、展観されたのは初めてのことである(主催:国立西洋美術館、スイス・プロヘルベティア文化財団、朝日新聞社)。

桂離宮解体修理へ

1975年04月

かねてから老朽化が心配されていた桂離宮は、11日「桂離宮整備懇談会」(座長・村田治郎京大名誉教授)によって全面解体修理されることが決定した。

多摩美大紛争和解成立

1975年03月

理事長が反理事派の学長、教務部長の二理事を一方的に解雇し、被解雇者が地裁に訴え争っていた多摩美大の内紛は、29日までに東京地裁のあっせんで和解が成立し、解決をみた。

浮世絵、ベルギーから里帰り

1975年03月

ベルギー王立美術博物館所蔵の浮世絵255点が、同館と日本浮世絵協会の主催する「浮世絵名作展」のため、このほど里帰りした。大阪を初め、札幌、東京、岡山、熊本、北九州の各地で公開される。その中には写楽の「二世市川高麗蔵の相模次郎」、「嵐竜蔵の奴なみ平」ほか春信の「五常」、歌麿の「青楼十二時続」など優品が含まれている。

東照宮の廻廊修理成る

1975年03月

昭和47年から3ヵ年計画で行なわれていた日光東照宮の廻廊の全面修理がこのほど終り、装いも新たに施されて見事によみがえった。

文化財の新指定

1975年03月

今回指定された物件は、美術工芸部門では絹本著色普賢延命像1幅 広島持光寺蔵が国宝に指定されるほか、重要文化財には絵画の部17件、彫刻の部8件、工芸の部17件、書跡の部10件、古文書の部10件、考古の部4件。建造物部門では重要文化財に社寺その他6件、洋風建築1件、民家15件がそれぞれ指定された。

京の染織美展

1975年03月

21日から4月13日まで、京都国立博物館において上記の特別展を京都市、京都商工会議所と共催で行った。

吉田五十八賞新設

1975年03月

建築家吉田五十八を記念する「吉田五十八賞」がこのほど新設された。建築美術の優れた制作者に贈られるもので、未亡人寄贈による二億円の基金で吉田五十八記念芸術振興財団(理事長高橋誠一郎)が設けられた。対象は1―建築設計、2―建築意匠に関連する絵画、彫刻3―同じく工芸等の3部門で、各部門から各1点を選び、故人の命日である3月24日に第1回表彰を行い、以後毎年続けられる。選考委員は工芸家岩田藤七、彫刻家木内克、建築家谷口吉郎村野藤吾、吉村順三、画家東山魁夷杉山寧、小糸源太郎ら8名。賞金総額900万円内の予定。

飛鳥資料館の開館

1975年03月

奈良国立文化財研究所飛鳥資料館(奈良県高市郡明香村奥山)は昨年3月竣工、その後外構の工事を進めてきたが、3月15日に開館、16日より一般公開した。開館の特別展示として「仏教伝来―飛鳥への道」を開催した。

醍醐寺密教美術展

1975年03月

3月18日から4月29日まで、京都・醍醐寺に伝わる絵画、書跡、彫刻、工芸など密教美術の名品約90点を東京国立博物館で特別展示した。

芸術選奨決まる

1975年03月

演劇、映画、文学、美術など10部門の芸術分野で、過去1年間に優れた業績を挙げた人たちに贈られる文部省の昭和49年度芸術選奨文部大臣賞と、同新人賞が14日決まった。文部大臣賞の美術部門は、日本画家小松均、版画家関野準一郎で、前者は最上川全域の景観を題材とする連作で現代の日本画の領域に新たな精気を吹き込んだこと、後者は、版画集「東海道五十三次」で、木版画のあらゆる技法を駆使して完成し、円熟した境地を示したことが授賞の対象となった。なお、新人賞は、イラストレーター安野光雅で、絵本「ABCの本―へそまがりのアルファベット」などで、自由奔放で独自な技量を発揮したことの理由による。

第4回平櫛田中賞

1975年02月

彫刻家平櫛田中を記念して設立された平櫛田中記念会が、毎年彫刻の優秀作(木彫に比重を置いた)に対し贈っているもので、今回は木彫の最上寿之「コテンパン」に決定した。

第18回安井賞

1975年03月

具象絵画の登竜門として知られる安井賞が決まり、4日東京池袋のレストランプリンセスで授賞式が行われた。授賞はつぎの通り、安井賞―八島正明「小使いさん」、佳作賞―麻田浩「原風景(重い旅)」。

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