名勝・史跡指定の答申

2019年06月

文化審議会は21日、弘法大師空海が修復工事に関わった国内最大級のため池である満濃池(香川県まんのう町)等3件を名勝に、戦国大名の真田氏ゆかりの岩櫃城跡(群馬県東吾妻町)等8件を史跡に指定、耶馬渓の景観を生かした平田氏庭園(大分県中津市)等3件を登録記念物に登録、防風林による緑豊かな住環境が特徴の「今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と集落景観」(沖縄県今帰仁村)を重要文化的景観に選定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。

第41回中原悌二郎賞受賞者決定

2019年06月

日本の彫刻界に貢献する目的で創設された中原悌二郎賞(主催:北海道旭川市・同市教育委員会)の選考が8日に行なわれ、第41回目の受賞作が三沢厚彦の「Animal 2018―01」に決定した。

金属製文化財の切り取り

2019年06月

岩手県立博物館(盛岡市)は5日、県内外の遺跡から出土し自治体から保存処理を依頼されるなどした金属製の文化財の一部を、同館の上席専門学芸員(2020年3月に解雇)が所有者に無断で切り取って分析する行為を繰り返し行なっていたと発表、謝罪した。12月16日には重要文化財2点(岩手県平泉町柳之御所・平泉遺跡群より出土した「火舎」「花瓶」)からの無断切り取りが行なわれたことを岩手県教育委員会が公表。2022年の最終報告では計103点の文化財が被害にあったことが報告された。

「The Citi exhibition Manga マンガ」の開催

2019年05月

23日より英国の大英博物館で「The Citi exhibition Manga マンガ」が開催された(8月26日まで)。葛飾北斎の漫画や河鍋暁斎の「新富座妖怪引幕」、明治期の新聞漫画等も交え、今日に至る日本の漫画の歩みや社会との関わりを紹介する内容の展覧会で、国外の漫画展としては史上最大規模。若年層を多く含む約18万人という来場者数を記録した。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2019年05月

文化審議会は17日、明治初期に建てられた旧開智学校校舎(長野県松本市)を国宝に、曹洞宗大本山の永平寺(福井県永平寺町)や真宗本廟東本願寺(京都市)等、6件の建造物を重要文化財に指定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。

第13回読売あをによし賞受賞者決定

2019年05月

保存科学・修復の現場で優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する読売あをによし賞(主催:読売新聞社、特別協力:文化財保存修復学会)の第13回目の受賞者として、本賞にオホーツク文化の研究や出土品等の保存時取り組んできた北構保男(北海道根室市)、奨励賞に棚田の再生や後継者育成を進めるNPO法人の棚田LOVER’s(永菅裕一理事長、兵庫県市川町)、特別賞に災害で被災した古文書等の救出、保全活動を行なっている歴史資料ネットワーク(奥村弘代表委員、神戸市灘区)が決定した。

日本芸術院賞受賞者決定

2019年03月

日本芸術院(院長:黒井千次)は22日、2018年度の日本芸術院賞受賞者を発表した。第一部(美術)で真神巍堂(書、改組新第4回日展出品作「碧潯」に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、池川直(彫塑、改組新第5回日展出品作「時の旅人」に対して)、並木恒延(工芸、改組新第1回日展出品作「月出ずる」に対して)が日本芸術院賞を受賞した。

第38回土門拳賞受賞者決定

2019年03月

前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第38回受賞者が高橋智史に決定したことが20日に発表された。受賞対象は写真集『RESISTANCE カンボジア 屈せざる人々の願い』。

第44回木村伊兵衛写真賞受賞者決定

2019年03月

写真家木村伊兵衛の業績を記念し、優れた新人写真家に贈られる木村伊兵衛写真賞(主催:朝日新聞社、朝日新聞出版)の第44回目の受賞者が19日に発表され、岩根愛に決定した。対象作は写真集『KIPUKA』、展示「FUKUSHIMA ONDO」。

国宝・重要文化財指定の答申

2019年03月

文化審議会は18日、キトラ古墳壁画(文部科学省)、木造五智如来坐像(京都・安祥寺)、木造薬師如来立像、木造伝衆宝王菩薩立像、木造伝獅子吼菩薩立像、木造伝大自在王菩薩立像、木造二天王立像(以上、奈良・唐招提寺)を国宝に、銅置物「十二の鷹」(東京国立近代美術館)等41件を重要文化財に指定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。あわせて昭和初期の気風を伝える近代ビルディングの旧九段会館(東京都)等153件の建造物、および旧仙台高等工業学校建築学科で集められた教育・研究資料等2件の美術工芸品(歴史資料)を登録有形文化財にするよう求めた。

李公麟「五馬図巻」の発見

2019年03月

中国北宋時代の画家、李公麟の「五馬図巻」が約80年ぶりに発見、東京国立博物館に寄贈されていたことが明らかになった。同作品は中国の歴代皇帝が愛蔵、昭和初期に日本へもたらされ、1928年に開催された「唐宋元明名画展覧会」に出品、30年に実業家の末延道成が購入するも、戦後は行方が分からなくなっていた。国内で発見され、2017年度に東京国立博物館に寄贈、同館では19年1月より開催の「特別展 顔真卿 王羲之を超えた名筆」で展示、3月には板倉聖哲編『李公麟 五馬図』(羽鳥書店)で原寸図版によりその全貌が紹介された。

森山大道のハッセルブラッド国際写真賞受賞

2019年03月

スウェーデンのハッセルブラッド財団は8日、写真分野において顕著な功績をあげた人物に贈るハッセルブラッド国際写真賞を写真家の森山大道に贈ることを決定した。

芸術選奨文部科学大臣賞受賞者決定

2019年03月

文化庁は6日、2018年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞の美術部門では美術家の小沢剛(「不完全―パラレルな美術史」展他の成果に対して)、美術家の内藤礼(「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」展の成果に対して)、芸術振興の部門ではグラフィックデザイナーの佐藤卓(「デザインあ展 in TOKYO」他の成果に対して)、評論等の部門では造形作家・批評家の岡﨑乾二郎(『抽象の力 近代芸術の解析』の成果に対して)、メディア芸術部門では漫画家の荒木飛呂彦(「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」他の成果に対して)が受賞。同新人賞の美術部門では建築家の石上純也(ボタニカルガーデンビオトープ「水庭」の成果に対して)、評論等の部門では大阪市立大学教授の菅原真弓(『月岡芳年伝 幕末明治のはざまに』の成果に対して)が受賞した。

磯崎新のプリツカー賞受賞

2019年03月

建築界のノーベル賞と称され、優れた建築家に毎年贈られるプリツカー賞受賞者に磯崎新が選ばれたことを、主催団体の米ハイアット財団が5日発表した。東洋と西洋の文化を融合し、欧米の建築デザインに大きな影響を与えたことが評価された。

「日本博」旗揚げ式の開催

2019年03月

政府・文化庁は3日、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化プログラムの中核的事業である「日本博」の旗揚げ式を、東京千代田区の国立劇場で開催した。「日本人と自然」という総合テーマの下に、美術・文化財、メディア芸術等の分野にわたり、縄文時代から現代まで続く日本の美を国内外に発信しようとするもので、2020年を中心とした期間で幅広く展開することとなった。

文化庁メディア芸術祭、受賞作品決定

2019年03月

文化庁は1日、国内外の優れた映像作品などを表彰する第22回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を発表した。アート部門は日本の古舘健によるサウンドインスタレーション「Pulses/Grains/Phase/Moiré」、エンターテインメント部門は日本の「チコちゃんに叱られる!」制作チームによるテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」、アニメーション部門はフランスのBoris LABBÉの短編アニメーション「La Chute」、マンガ部門は韓国のBoichiによる「ORIGIN」がそれぞれ大賞を受賞した。

旧都城市民会館の解体方針発表

2019年02月

宮崎県都城市は5日、メタボリズム建築の代表作とされる菊竹清訓設計の旧都城市民会館を解体する方針を発表した。同建築は1966年に完成、都城市の文化振興拠点として利用されたが、老朽化に伴い2007年に閉館、以後活用の見通しが立たず、市民アンケートの結果もふまえて解体を決定したもの。解体工事は7月23日に開始され、2020年3月に終了。解体に際しては建物の形状を3次元スキャンで立体的に記録し、建築的価値の継承と新たな保存手法の構築を目的としたデジタルアーカイブのプロジェクトが実施された。

「特別展 顔真卿 王羲之を超えた名筆」の開催

2019年01月

16日より東京国立博物館で「特別展 顔真卿 王羲之を超えた名筆」が開催された(2月24日まで)。書の普遍的な美しさを法則化した唐時代に焦点をあて、後世に大きな影響を与えた顔真卿の人物や書の本質に迫る展覧会で、台北・故宮博物院が所蔵する「祭姪文稿」をはじめとする名品を展示、さらに甲骨文から清代、日本の書に至る書道の歴史を問い直す構想が話題を集めた。

毎日芸術賞受賞者決定

2019年01月

芸術文化における優れた業績を顕彰する毎日芸術賞(主催:毎日新聞社)の第60回目の受賞者が1日に発表され、美術Ⅰ部門(絵画・彫刻・工芸・グラフィック)で現代美術家の内藤礼(個展「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」に対して)が受賞した。

著作権等の保護期間延長

2018年12月

環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定である環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の締結と、それに伴うTPP整備法による著作権法の改正により、30日付で著作権等の保護期間が著作権者の死後50年から70年へと延長された。

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