イランなど三国へ京大学術調査隊出発

1962年07月

京都大学第三次イラン・アフガニスタン・パキスタン学術調査隊(朝日新聞社後援)の第一陣は4日、東京を出発した。調査隊は同大学人文科学研究所の水野精一教授を隊長に助教授、大学院学生等7人。さきに行なわれた第一、第二次調査につづき約4ケ月にわたつて中近東の仏教発祥地をたずね、主として考古学、美術史の立場からこの地方を調査する。

青蓮院の重要文化財襖絵盗難

1962年07月

京都青蓮院の宸殿にある桃山様式の浜松図襖絵(重要文化財)17面のうち1枚が、朝から夕方までの間にきりとられ、この他指定外のもの2枚もあわせて盗難にあつた。

国立近代美術館増改築工事完成

1962年06月

昨年5月から実施中であつた国立近代美術館の増改築工事が完成し、28日から「近代日本の造形」展で再開された。今回の増改築工事によつて展示室は従来の287坪から451坪と約6割増加し、映写室を兼ねた講堂の座席数も80から210と拡張した。

「竜子記念館」完成

1962年06月

川端竜子が自作の代表作品を収めるため、東京大森・新井宿の竜子邸前の敷地に建設したもので、現存作家が自作のために美術館を作つたのはこれが初めてである。

川端竜子の喜寿記念展

1962年06月

かつて、古稀の際にも記念として回顧的な「竜子の歩み」展(第1回)を開いたが、今年、喜寿記念として「竜子の歩み」第3回展を東京・高島屋で開き(第2回は青竜社創立30年)、第2回展から今年迄、5年間の展覧会出品作品並びに、未発表作品54点が展観された。会期は5日から17日まで。

根津美術館展

1962年05月

根津美術館では、東武百貨店の創設を記念し、茶器を主体とした同館の主要蔵品を公開する「根津美術館展」を、29日から6月17日まで池袋東武百貨店において開催し、伝牧谿筆「漁村夕照図」をはじめ、絵画、書跡、茶器、漆工、金工品など約400点を出陳した。

伊勢神宮総合調査

1962年05月

文化財保護委員会による文化財集中社寺調査の第1回として計画された伊勢神宮を中心とする文化財の総合調査は5月28日から約1週間実施された。調査は、神宮司庁、徴古館、文庫を中心に、朝熊山、神島、和具島の範囲に及び、調査件数は300点にのぼつた。

鏑木清方自選展開催

1962年05月

朝日新聞社主催のもとに11日から20日迄、東京銀座・松屋でひらかれた。明治35年作の「一葉女史の墓」から近作まで、清方自選になる50余点の代表作が陳列された。

タイ古代美術展

1962年05月

仏像彫刻を主体とするタイ国美術の遺品約300点の展観が、バンコック国立博物館、日本経済新聞社の主催のもとに、5月4日から17日まで、上野の松坂屋で開かれ、引続き名古屋、大阪においても展観され、図録も刊行された。

現代日本美術展に公募部門設ける

1962年05月

毎日新聞社主催の第5回現代日本美術展は9日から30日まで上野の都美術館で開かれたが、今回から公募部門を設け一般作家も加えることになつた。 

伊東深水展開催

1962年04月

深水の画業50年を記念する回顧展が、17日から29日まで朝日新聞主催のもとに東京日本橋の三越で開かれた。作家自選の展覧会で、大正5年以来近作迄約80点が陳列された。

熊谷守一展

1962年04月

日本経済新聞社主催により10日から15日迄東京・白木屋で開かれた。初期の「自画像」や「ローソク」の時代から極めて単純化された色面と描線による独自のスタイルを示す現在の仕事まで、油絵100点、日本画、色紙、素描など約50点が出品された。

正倉院第二宝庫完成

1962年04月

耐火、耐震構造とわが国の宝庫として初めての空気温湿度調節、浄化設備つきの正倉院第二新宝庫がほぼ完成、10日に落成式が行なわれた。

「佐野乾山」問題化

1962年04月

尾形乾山が佐野の滞在の折作つたとされる「佐野乾山」200余点が1月に公開された。その真偽をめぐつて業者や研究家の間に意見が対立、ジャーナリズムをにぎわし、18日衆議院文教委員会でこの問題がとりあげられた。

芸術院賞決定

1962年04月

昭和36年度第18回日本芸術院恩賜賞、同院賞の受賞者が6日決定した。美術関係者は次の通りである。 恩賜賞 榊原紫峰(日本画) (日本画壇に尽した業績に対し) 芸術院賞 小倉遊亀(日本画) (第46回院展出品作「母子」に対し) 三輪晁勢(日本画) (第4回日展出品作「朱柱」に対し) 耳野卯三郎(洋画) (第4回日展出品作「静物」及び以前に発表した静物の連作に対し) 蓮田脩五郎(鋳金) (第4回日展出品作「森の鳴動」に対し) 山脇洋二(彫金) (第4回日展出品作「游砂」に対し) 炭山南木(書) (第4回日展出品作「白楽天詩」に対し) 竹腰健造(建築) (建築界の業績に対し)

熊本城の修理おわる

1962年03月

熊本城の重要文化財指定建造物13棟の修理は、昭和27年度から行なわれていたが、総工費、69,172,000円をもつて、工事を完了、竣工式を行なつた。

静岡市で住居跡発掘

1962年03月

静岡市曙町に建設中の市営有東(うど)住宅団地の工事場から27日、登呂時代より古いと思われる有東式土器、石器、住居跡など100余点が発掘された。

to page top