国画創作協会回顧展開催
1963年11月国画創作協会回顧展は、大正7年創立以来、京都画壇における日本画の革新運動を興しながら解散に至る迄の同会10年間の歩みを回顧、展望しようとする意義深い展観であつた。3日から27日迄京都市美術館で開かれた。
国画創作協会回顧展は、大正7年創立以来、京都画壇における日本画の革新運動を興しながら解散に至る迄の同会10年間の歩みを回顧、展望しようとする意義深い展観であつた。3日から27日迄京都市美術館で開かれた。
彫刻を中心とし、インダス文明遺品、陶器、貨幣、絵画の240点を展示した展覧会が、日本経済新聞社と東京国立博物館の共催により、11月3日から39年1月12日まで東京国立博物館で開かれた。アショカ王時代の有名な柱頭ライオン像をはじめ、モヘンジョダロ、ハラッパの遺跡出土品から中世のヒンズー寺院の彫刻、ムガール時代の細密画に至る各時代の美術品の秀作が並べられた。同展は1月から3月まで京都市美術館でも開かれた。
京都国立博物館では10月23日から11月23日まで「鎌倉時代の美術――彫刻・工芸篇――」の特別展を開催し,八大童子立像(金剛峰寺)、弁財天坐像(鶴岡八幡宮)、時雨螺鈿鞍(永青文庫)など国宝、重文を含む約130点が陳列された。
23日、昭和38年度の文化功労者として計10人が決つたが、美術に関係ある梅原末治、松田権六氏がその中に含まれた。
9月7日盗難にあつた臼杵磨崖仏の石仏群中の仏頭一個は、10月21日、臼杵市役所に損傷もなく送り届けられて来た。発送人は不明である。
フランス外務、文化両省と東京国立博物館、朝日新聞社共催の「日本古美術展」が19日から12月16日までパリのプリ・パレ美術館で開かれ,埴輪、仏像、水墨画、南画、禅画など180点が展示された。
大阪・四天王寺は昭和32年以来、五重塔など主要伽藍の再建工事を進めていたが、このほど完成、15日から5日間落慶法要を行なつた。
昭和36年2月、日本美術院を脱退した山本豊市,新海竹蔵、桜井祐一等彫刻家12名は、S・A・S(彫刻家集団)を結成、今日に及んでいたが、9月、国画会に合流することとなり、国画会は同日、彫刻部を新設した。
国立西洋美術館・読売新聞社・アートフレンド・アソシエイション共同主催で1日から11月12日迄、国立西洋美術館で、また版画は、1日から10月23日迄日本橋白木屋で開かれた。7年の歳月をついやして準備したといわれるが、世界各国の美術館、個人所蔵家から出品を依頼し、作者所蔵の近作43点を加え、油絵118点、グヮッシュ、水彩等87点、版画239点、彫刻6点、ステンド・グラス2点に及ぶ、シャガールの全貌を示す世界的な大展覧会であつた。
財団法人日本近代文学館の創立を記念して、毎日新聞社と近代文学館主催で1日から13日迄,新宿伊勢丹で行われた。明治、大正、昭和三代に亘る近代文学100年の流れを図書、書簡その他の資料によつて捉えようとしたもので、関連する絵画、彫刻、挿絵、装幀等も数多く出品され、文学と絵画の関係を伝える上でも興味ある展観であつた。
印象派の先駆者で光と水の画家として古くから我国に紹介されながら、その作品がまとまつて展示されたのは今回が初めてである。油絵4点、水彩画62点、いずれも大英博物館所蔵の作品で、国際文化振興会、朝日新聞社主催のもとにブリヂストン美術館で21日から10月20日まで開かれたが、ターナーはもとより、従来イギリス近代美術の伝えられる機会が少なかつただけに意義ある展観であつた。
日本橋高島屋で20日から29日迄開催、明治44年から今日迄、50余年に亘る画業の代表作約60余点が展示された。
朝日新聞社主催で17日から22日迄日本橋高島屋で開催、代表作約50点を厳選しただけに充実した展覧会であつた。
東京国立博物館は、一昨年春開いた「中国宋元美術展」に続く特別展として明代から清代にわたる絵画、書、工芸496点(うち重要文化財25点、重要美術品2点)を9月14日から10月13日まで展示した。絵画では載文進、仇英、石濤、八大山人、揚州八怪といわれた金農、鄭板橋らの代表作。工芸では明清の染付、青磁、赤絵、金欄などの陶磁器や漆器、織物のすぐれたもの。書では祝允明、文徴明らの作品など名品の多くが並べられた。
メキシコ画壇の代表作家ルフィーノ・タマヨの1947年から現在迄の作品71点(壁画3点、油絵51点、デッサン4点、版画13点)がメキシコから直送展示された。 毎日新聞社主催で7日から池袋西武百貨店で開催を予定されていたが、直前に西武百貨店火災のため芝白金迎賓館に会場を移し11日から10月6日迄開かれた。なお、3日はタマヨ夫妻も招かれて来朝した。
彫刻界の発展を願い、新人の登竜門として広く全国に公募した第1回全国彫刻コンクール展(宇部市、日本美術館企画協議会、毎日新聞社共催)は応募総数94人、120点にのぼり、土方定一等5人の審査員によつて大賞に志水晴児「執念―い」の他八点の入賞、26点の入選がきまつた。展覧会は、以上の外招待8人、48点の作品を加えて10日から11月5日迄宇部市野外彫刻美術館で開かれた。
近年、大正時代の研究が盛んになりつつあるが、国立近代美術館では、大正初期、ようやく主観主義美術の抬頭しはじめた1914年を中心とする油絵、日本画、彫刻を展示し、大正期の特殊な性格を捉えた意義ある展観を行つた。会期は9月6日から10月20日迄。
カブール博物館の提供によるアフガニスタンの代表的な古美術、土器、ガラス器、仏像など約200点が9月3日から15日まで、日本経済新聞社主催、外務・文部両省後援のもとに、日本橋高島屋で展示され、東西文化の交流の上で、この国の古代美術が果した役割の大きさが改めて認識された。同展は引続き大阪、名古屋で展示された。
橿原考古学研究所では、7月から8月にかけて5世紀後半のものと思われる橿原市川西町、千塚古墳群の第三次発掘調査を行なつた結果、多数の貴重な出土品を得たが、中でもペルシャふうのカットグラスが発見され、話題を呼んだ。
1952年、中国の山西省?城県永楽鎮でダム工事中発見された道教寺院「大純陽万寿宮」(通称永楽宮)の壁画は、中国絵画史の記述を大きく書き変えさせる重要な遺品と云われるが、その精巧な模写(37幅111点)が元代陶器22点と合わせて、8月31日から9月18日まで、読売新聞社とアート・フレンド・アソシエーション主催により、東京・日本橋の白木屋ホールで公開され、注目をあびた。また、この展示を機会に、文物博物館研究所長王冶秋氏らが来日、永楽宮の発掘、考証、保存などにつき公演を行なつた。