桜井祐一

没年月日:1981/11/04
分野:, (彫)

国画会会員の彫刻家桜井祐一は、11月4日、肝臓ガンのため、東京都板橋区の日本大学付属板橋病院で死去した。享年67。1914(大正3)年8月24日山形県米沢市に生まれ、24年家族と共に上京した。31年から翌年にかけて小林芳聰に彫刻の手ほどきを受け、32年平櫛田中に師事する。34年の第21回院展に木彫「乞ふ人」が初入選し、以後院展を中心として活動するが、39年の第3回文展に「男立像」が初入選しており、戦前は文展にも出品している。40年日本美術院院友となり、戦後は彫塑に転じて、46年第31回院展で日本美術院賞を、49年には日本美術院奨励賞を受賞する。更に51年第36回院展「青年」52年第37回院展「若い男」で日本美術院賞大観賞を続けて受賞し、55年同人に推挙された。61年美術院の彫刻部が解散したため、彫刻家集団S・A・Sの結成を経て、63年10月国画会に合流、彫刻部の創立メンバーとなる。この頃日本国際美術展、現代日本美術展にも出品している。65年には第1回日本現代彫刻展に「あるポーズ」を出品し宇部市賞を受賞、70年に山形美術博物館で桜井祐一展が開催された。また77年第5回長野市野外彫刻賞を受賞し、79年「レダ」により第10回中原悌二郎賞、翌80年には第1回高村光太郎賞の優秀賞を受賞するなど、戦後の具象彫刻の代表的作家ととして活躍した。代表作は「青年」(51年)「ネグリジェの女」(60年)「若い男」(61年)「あるポーズ」(65年)「レダ」(79年)など。
略年譜
1914 山形県米沢市に生まれる。
1924 上京する。
1931 小林秀聰に彫刻の手ほどきを受ける。
1932 平櫛田中に師事する。
1934 第21回再興院展「乞ふ人」初入選
1936 第23回再興院展「壺」
1938 第25回再興院展「或る男」
1939 第26回再興院展「特務兵」、第3回新文展「男立像」
1940 第27回院展「支那の女」院友に推挙される。紀元2600年奉祝美術展「若者」
1941 第28回院展「女神像」「女の首」、第3回文展「女立像」
1942 第29回院展「梳る」
1943 第30回院展「菊子像」「濱の女」
1946 第31回院展、日本美術院賞
1947 第2回美術院小品展「小児坐像」、第32回院展「祐吉像」「少年」
1948 第3回美術院小品展「良寛」、第33回院展「支那服の乙女」「山下義廣先生」
1949 第34回院展「相馬氏像」「山下義廣先生」日本美術院賞奨励賞
1950 第5回美術院小品展「俳人」、第35回院展「小薗井正一氏像」「女座像」
1951 第36回院展「青年」日本美術院賞大観賞
1952 第7回美術院小品展「女立像」、第37回院展「若い男」日本美術院賞大観賞
1953 第8回美術院小品展「亡き友の像」、第38回院展「裸婦立像」
1955 第40回院展「沈む地球」同人推挙
1956 第11回美術院小品展「首習作」
1957 第12回美術院小品展「かがむ女」、第42回院展「怒りと悲しみと」

1958 第13回美術院小品展「女の像」、第43回院展「おんなの坐像」
1959 第14回院展春季展「トルソ」、第44回院展「ネグリジェの乙女」
1960 第15回院展春季展「裸婦習作」、第45回院展「ネグリジェの女」
1961 日本美術院彫刻部解散、彫刻家集団S・A・Sの結成に参加。
1963 国画会彫刻部創立、会員となる。第7回日本国際美術展「ネグリジェの女」
1964 第38回国展「腰をかけた女」、第6回現代日本美術展「女」「炎る」
1965 第39回国展「裸婦」、第1回日本現代彫刻展「あるポーズ」宇部市賞、第8回日本国際美術展「あるポーズ」、秀作美術展「女」
1966 第40回国展「あるポーズ2」
1967 第41回国展「あるポーズ5」
1968 第42回国展「横たわる裸婦」、第8回現代日本美術展「裸婦坐像」
1969 第43回国展「若い女」
1970 第44回国展「はじらい」、山形美術博物館で「桜井祐一展」開催。
1972 第46回国展「もの想ふ人」
1973 第47回国展「やすらい」
1974 第48回国展「はたちの女」
1975 第49回国展「裸婦」
1976 第50回国展「レダ」
1977 第51回国展「若い女・淑」、第5回長野市野外彫刻賞受賞
1978 第52回国展「腰かけた裸婦」
1979 第53回国展「ナイテイの女」、「レダ」により第10回中原悌二郎賞受賞
1980 第54回国展「金山国次郎氏像」、第1回高村光太郎賞優秀賞受賞
1981 第55回国展「五月の女」

出 典:『日本美術年鑑』昭和57年版(286-287頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「桜井祐一」『日本美術年鑑』昭和57年版(286-287頁)
例)「桜井祐一 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9945.html(閲覧日 2024-10-16)

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