「特別展 顔真卿 王羲之を超えた名筆」の開催

2019年01月

16日より東京国立博物館で「特別展 顔真卿 王羲之を超えた名筆」が開催された(2月24日まで)。書の普遍的な美しさを法則化した唐時代に焦点をあて、後世に大きな影響を与えた顔真卿の人物や書の本質に迫る展覧会で、台北・故宮博物院が所蔵する「祭姪文稿」をはじめとする名品を展示、さらに甲骨文から清代、日本の書に至る書道の歴史を問い直す構想が話題を集めた。

第41回中原悌二郎賞受賞者決定

2019年06月

日本の彫刻界に貢献する目的で創設された中原悌二郎賞(主催:北海道旭川市・同市教育委員会)の選考が8日に行なわれ、第41回目の受賞作が三沢厚彦の「Animal 2018―01」に決定した。

第31回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2019年11月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第31回目の受賞者が7日に発表され、美術史研究部門は『超現実主義の1937年 福沢一郎『シュールレアリズム』を読みなおす』の著者(共著)である伊藤佳之(福沢一郎記念館非常勤嘱託)、美術評論部門は「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」展の企画及びカタログ中の論文を担当した片多祐子(横浜美術館学芸員)が選ばれた。

旧都城市民会館の解体方針発表

2019年02月

宮崎県都城市は5日、メタボリズム建築の代表作とされる菊竹清訓設計の旧都城市民会館を解体する方針を発表した。同建築は1966年に完成、都城市の文化振興拠点として利用されたが、老朽化に伴い2007年に閉館、以後活用の見通しが立たず、市民アンケートの結果もふまえて解体を決定したもの。解体工事は7月23日に開始され、2020年3月に終了。解体に際しては建物の形状を3次元スキャンで立体的に記録し、建築的価値の継承と新たな保存手法の構築を目的としたデジタルアーカイブのプロジェクトが実施された。

名勝・史跡指定の答申

2019年06月

文化審議会は21日、弘法大師空海が修復工事に関わった国内最大級のため池である満濃池(香川県まんのう町)等3件を名勝に、戦国大名の真田氏ゆかりの岩櫃城跡(群馬県東吾妻町)等8件を史跡に指定、耶馬渓の景観を生かした平田氏庭園(大分県中津市)等3件を登録記念物に登録、防風林による緑豊かな住環境が特徴の「今帰仁村今泊のフクギ屋敷林と集落景観」(沖縄県今帰仁村)を重要文化的景観に選定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。

第41回サントリー学芸賞受賞者決定

2019年11月

第41回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)の受賞者が12日に発表、美術関係では芸術・文学部門で桑木野幸司(大阪大学准教授)の『ルネサンス庭園の精神史』が受賞した。

文化庁メディア芸術祭、受賞作品決定

2019年03月

文化庁は1日、国内外の優れた映像作品などを表彰する第22回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を発表した。アート部門は日本の古舘健によるサウンドインスタレーション「Pulses/Grains/Phase/Moiré」、エンターテインメント部門は日本の「チコちゃんに叱られる!」制作チームによるテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」、アニメーション部門はフランスのBoris LABBÉの短編アニメーション「La Chute」、マンガ部門は韓国のBoichiによる「ORIGIN」がそれぞれ大賞を受賞した。

出光美術館のプライス・コレクション購入

2019年06月

東京・丸の内の出光美術館は24日、米国の実業家で長年江戸絵画を中心に収集を続けてきたジョー・プライス夫妻のコレクションのうち、マス目状の画面に動植物を色鮮やかに描いた伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」等190件を21日付で購入したと発表した。同夫妻は高齢等を理由に、コレクションの一部を日本へ引き継ぐことを希望していた。

名勝・史跡指定の答申

2019年11月

文化審議会は15日、国宝「金錯銘鉄剣」が出土した稲荷山古墳を含む埼玉古墳群(埼玉県行田市)を特別史跡に、国内最古の旧石器時代の人骨が見つかった白保竿根田原洞穴遺跡(沖縄県石垣市)等15件を史跡に、明治時代末期に造られた須藤氏庭園(青森県弘前市)等4件を名勝に指定、江戸時代に整備された水路を現在まで保つ長峯氏庭園(長野市)等5件を登録記念物に登録するよう萩生田光一文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、国内現存最古級の鋼製アーチ橋である十綱橋(福島市)等133件の建造物を登録することも求めた。

「日本博」旗揚げ式の開催

2019年03月

政府・文化庁は3日、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化プログラムの中核的事業である「日本博」の旗揚げ式を、東京千代田区の国立劇場で開催した。「日本人と自然」という総合テーマの下に、美術・文化財、メディア芸術等の分野にわたり、縄文時代から現代まで続く日本の美を国内外に発信しようとするもので、2020年を中心とした期間で幅広く展開することとなった。

東京国立近代美術館の鏑木清方「築地明石町」収蔵

2019年06月

東京・竹橋の東京国立近代美術館は24日、日本画家鏑木清方の代表作「築地明石町」(1927年作)を収蔵したと発表した。同作品は1927年の帝展で帝国美術院賞を受賞、戦後も美術展に度々出品され、71年には郵便切手の図案に採用されるなど広く親しまれたが、75年の展覧会を最後に所在不明となっていた。同館が6月に都内の画商から、三部作として制作された「新富町」「浜町河岸」とともに購入、収蔵へと至ったもので、同館にて11月1日から12月15日まで一般公開された。

日本芸術院新会員決定

2019年11月

日本芸術院(院長:黒井千次)は29日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに7名を同院新会員に選出したと発表、美術関係では工芸の春山文典、書の黒田賢一が選ばれた。12月15日付で萩生田光一文部科学相により発令された。

磯崎新のプリツカー賞受賞

2019年03月

建築界のノーベル賞と称され、優れた建築家に毎年贈られるプリツカー賞受賞者に磯崎新が選ばれたことを、主催団体の米ハイアット財団が5日発表した。東洋と西洋の文化を融合し、欧米の建築デザインに大きな影響を与えたことが評価された。

「百舌鳥・古市古墳群」、世界遺産に決定

2019年07月

世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月、日本政府が推薦していた「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて7月6日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催されていたユネスコの第43回世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。

VOCA賞受賞者決定

2019年12月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「Remove」を制作したNerholに決定したことが19日に発表された。VOCA奨励賞は菅実花「A Happy Birthday,#selfiewithme」と李晶玉「Olym‐pia 2020」、佳作賞は黒宮菜菜「Image―終わりし道の標べに」と宮本華子「白が消えていく。―Mein Tagebuch―」、大原美術館賞は浅野友理子「くちあけ」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2020は2020年3月12日から3月27日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

芸術選奨文部科学大臣賞受賞者決定

2019年03月

文化庁は6日、2018年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞の美術部門では美術家の小沢剛(「不完全―パラレルな美術史」展他の成果に対して)、美術家の内藤礼(「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」展の成果に対して)、芸術振興の部門ではグラフィックデザイナーの佐藤卓(「デザインあ展 in TOKYO」他の成果に対して)、評論等の部門では造形作家・批評家の岡﨑乾二郎(『抽象の力 近代芸術の解析』の成果に対して)、メディア芸術部門では漫画家の荒木飛呂彦(「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」他の成果に対して)が受賞。同新人賞の美術部門では建築家の石上純也(ボタニカルガーデンビオトープ「水庭」の成果に対して)、評論等の部門では大阪市立大学教授の菅原真弓(『月岡芳年伝 幕末明治のはざまに』の成果に対して)が受賞した。

第14回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2019年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第14回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は関昭郎・東京都庭園美術館事業企画係長(「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」に対して、肩書は展覧会開催時)、村上博哉・国立西洋美術館副館長兼学芸課長(「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」に対して)が、団体に贈られる文化振興賞は2000年に開設した印刷博物館での継続的で質の高い展示活動を行なってきた凸版印刷株式会社が受賞した。

「世界遺産・国宝等における防火対策5か年計画」の策定

2019年12月

文化庁は23日、「世界遺産・国宝等における防火対策5か年計画」を策定、公表した。2019年4月に発生したパリ・ノートルダム大聖堂での火災や同年10月31日に発生した首里城(那覇市)での火災を受けた対応で、世界遺産または国宝(建造物)、国宝・重要文化財(美術工芸品)を保管する博物館等を重点整備対象とし、総合的・計画的な防火対策を2024年度までに進める計画を策定したもの。

毎日芸術賞受賞者決定

2019年01月

芸術文化における優れた業績を顕彰する毎日芸術賞(主催:毎日新聞社)の第60回目の受賞者が1日に発表され、美術Ⅰ部門(絵画・彫刻・工芸・グラフィック)で現代美術家の内藤礼(個展「内藤礼―明るい地上には あなたの姿が見える」に対して)が受賞した。

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