小山やす子

没年月日:2019/02/27
分野:, (書)
読み:こやまやすこ

 書家で文化功労者であった小山やす子は、2月27日、誤嚥性肺炎のため死去した。享年94。
 1924(大正13)年8月25日、東京・墨田区に生まれる。1950(昭和25)年より川口芝香に師事。61年日展初入選、79年日展特選となり、87年には日展審査員、1999(平成11)年日展評議員、2000年から16年まで現代書道二十人展に出品。
 古筆に魅せられ、古筆の本が少なかった時期は写真を拡大して学書し、とくに「本願寺本三十六人家集」(国宝、西本願寺蔵)が京都で展示された際には毎週東京から通ったという。古筆を臨書し、目や頭に焼き付けた特徴を反射的に運筆できるようにすることが創作にあたって大切だと述べる。『貫之集』『山家集』をはじめとする古典を中心に書写する作品を数多く制作し、昭和から平成にわたって現代の仮名書をけん引してきた。毎日新聞社主催のサンパウロ展(1975年)など海外展にも出品、自身の個展を多胡碑美術館(2001年)ほかで開催。また、51年より書道研究「玉青会」を組織し、後進の育成にも尽力した。
 毎日書道会理事、日展参事、日本書道美術院常任顧問、かな書道作家協会名誉顧問等歴任。77年オリベッティ国際賞、96年日展会員賞、02年毎日書道展文部科学大臣賞、03年毎日芸術賞、09年恩賜賞・日本芸術院賞受賞。03年旭日小綬章、13年紺綬褒章受章。16年、書の分野で女性初の文化功労者となった。19年旭日中綬章受章。

出 典:『日本美術年鑑』令和2年版(482-483頁)
登録日:2023年09月13日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「小山やす子」『日本美術年鑑』令和2年版(482-483頁)
例)「小山やす子 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/2040941.html(閲覧日 2024-04-29)

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