毎日芸術賞受賞者決定

2017年01月

芸術文化における優れた業績を顕彰する毎日芸術賞(主催:毎日新聞社)の第58回目の受賞者が1日に発表され、美術1部門(絵画・彫刻・工芸・グラフィック)で現代美術家の河口龍夫(埼玉県・川口市立アートギャラリー・アトリアでの個展「河口龍夫―時間の位置」に対して)が受賞した。

朝日賞受賞者決定

2017年01月

2016年度朝日賞(主催:朝日新聞文化財団)の受賞者が決定した。美術関係では美術史家の辻惟雄が「“奇想の画家”の再評価など日本美術史への多大な貢献」により、漫画家の萩尾望都が「漫画表現の革新と長年にわたる創作活動」により受賞した。

薬師寺東塔の建立年代判明

2016年12月

解体修理中の奈良市の薬師寺東塔(国宝)で、心柱と部材5点が8世紀前半(奈良時代前半)に伐採されたヒノキ材を用いていたことが年輪年代測定で判明し、同寺と奈良文化財研究所等が19日発表した。東塔をめぐっては、飛鳥時代の藤原京からの移築説と平城京遷都後の新築説があり、明治時代より論争が展開されてきたが、新築説が確定的となった。

VOCA賞受賞者決定

2016年12月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「二つの眼を主語にして」を制作した幸田千依に決定したことが13日発表された。VOCA奨励賞は上田良「4つのオブジェと1つの視点」と鈴木基真「Ghost♯4」、佳作賞・大原美術館賞は青木恵美子「見知らぬ果ての」「PRESENCE No40」、佳作賞は村上華子「ANTICAMERA(OF THE EYE)♯E1 ANTICAMERA(OF THE EYE) ♯P4」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2017は2017年3月11日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

日本イコモス賞2016受賞者決定

2016年12月

建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物と歴史風土の保存、保全、活用の振興を図る日本イコモス賞2016の受賞者が10日に発表され、シリア・パルミラで長年、発掘調査を行ない、内戦によって危機に直面する文化遺産の保存修復を進めた西藤清秀(奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザー)、京都府舞鶴市内のレンガ倉庫群を生かした街づくりを展開している特定非営利活動法人赤煉瓦倶楽部舞鶴および舞鶴市が選ばれた。

すみだ北斎美術館開館

2016年11月

東京都墨田区に22日、すみだ北斎美術館(館長:菊田寛)が開館した。浮世絵師の葛飾北斎が現在の墨田区内でその生涯のほとんどを過ごしたことから、墨田区が地域振興の一環として美術館を建設。収集家のピーター・モースや浮世絵研究者の楢崎宗重のコレクションを収蔵する。建築は妹島和世による設計で、地上四階、地下一階建て、延べ床面積3,278.9㎡。

久留米市美術館開館

2016年11月

福岡県久留米市に19日、久留米市美術館(館長:楢原利則)が8月28日に閉館した石橋美術館の建物と活動を引き継ぐ形で開館した。石橋正二郎のコレクションを基とした石橋美術館を運営管理する石橋財団が、同じく同財団が運営するブリヂストン美術館の収蔵品とあわせ東京で一元管理することとなったことを受け、あらためて公益財団法人久留米文化振興会による運営となったもの。開館記念展として「2016ふたたび久留米からはじまる。九州洋画」展(11月19日~2017年1月22日)が開催された。

名勝・史跡指定の答申

2016年11月

文化審議会は18日、日本画家横山大観の旧宅及び庭園(東京都台東区)を史跡・名勝に、邪馬台国の女王卑弥呼の墓説のある箸墓古墳の周濠(奈良県桜井市)等10件を史跡に、旧龍性院庭園(愛知県豊田市)を名勝に指定、大正初期に造成された松田屋ホテル庭園(山口市)等2件を登録記念物に登録、四国山間部に位置する奥内の棚田および農山村景観(愛媛県松野町)を重要文化的景観に選定するよう松野博一文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、1881年に日本人技師が手掛けた洋式灯台の立石岬灯台(福井県敦賀市)や1932年建築の宮崎県庁舎本館ほか(宮崎市)等177件の建造物を登録することも求めた。

第28回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2016年11月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第28回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は「小川千甕展―縦横無尽に生きる」の企画およびカタログ中の論文を担当した増渕鏡子(福島県立美術館主任学芸員)、植田彩芳子(京都府京都文化博物館学芸員)が共同受賞、美術評論部門は『日本画と材料 近代に創られた伝統』を著した荒井経(東京藝術大学大学院准教授)が選ばれた。

第38回サントリー学芸賞受賞者決定

2016年11月

第38回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)が10日に発表、美術関係では芸術・文学部門で池上裕子(神戸大学准教授)の『越境と覇権』、金沢百枝(東海大学教授)の『ロマネスク美術革命』が受賞した。

文化勲章受章者、文化功労者決定

2016年10月

政府は28日、2016年度の文化勲章受章者6名と文化功労者15名を決定した。美術関係では、画家・彫刻家の草間彌生が文化勲章受章者に、書家の尾崎邑鵬と小山やす子、美術評論・文化振興の辻惟雄が文化功労者に選ばれた。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2016年10月

文化審議会は21日、明治時代に建設された現存する最古の刑務所である旧奈良監獄や、洋式農場の先駆けとなった小岩井農場(岩手県雫石町)の施設等、9件65棟の建造物を重要文化財に指定するよう、松野博一文部科学相に答申した。また歴史的景観が残る戸隠神社(長野市)の門前町とカツオ漁で栄えた徳島県牟岐町の漁村集落を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。

第28回国華賞受賞者決定

2016年10月

日本・東洋美術に関する優れた研究を対象とする第28回国華賞は、国華展覧会図録賞が植松瑞希による『蘇州の見る夢 明・清時代の都市と絵画』展図録(大和文華館、2015年)、原田一敏他による『極 大茶の湯釜展 茶席の主』展図録(MIHO MUSEUM、2016年)に贈られることが決定した。

鳥獣戯画の絵順入れ替え判明

2016年09月

京都市の高山寺に伝わる国宝の絵巻「鳥獣人物戯画」(鳥獣戯画)の甲巻について、絵順の入れ替えが料紙に付いた刷毛跡から裏付けられたことが、修理報告書『鳥獣戯画 修理から見えてきた世界』(京都国立博物館編)で報告された。2009年からの修復に際し、透過光による調査により第23紙と第11紙が、製紙工程で刷毛を使って紙を撫で付けた際に付いた筋の跡でつながることが判明した。さらに甲巻は画風の違いから、第1~10紙、第11~23紙の2巻に分かれると考えられていたが、2巻は紙質も異なることが確認され、甲巻は2巻を合体して成立した可能性が高くなった。

「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」開館

2016年09月

奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡)壁画を保存・展示する施設「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」が24日、開館した。古墳に隣接する同館は平屋・地下1階建てで、延べ床面積は約2,500㎡。1階のキトラ古墳壁画保存管理施設は文化庁により設置されたもので、壁画保管室、出土品保管室、展示室等の諸室からなり、期間限定、事前申し込み制で公開される。

第28回世界文化賞受賞者決定

2016年09月

世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第28回受賞者が13日発表された。美術関係では、絵画部門でシンディ・シャーマン(アメリカ)、彫刻部門でアネット・メサジェ(フランス)、建築部門でパウロ・メンデス・ダ・ホッシャ(ブラジル)が受賞した。

松方コレクション、ロンドン焼失分のリスト発見

2016年09月

実業家の松方幸次郎が収集した1万点を超えるとされる美術品群のうち、ロンドンで1939年に火災で焼失した作品のリストが発見されたことを、同コレクションの一部を収蔵する国立西洋美術館が5日に発表した。2月に英国テート美術館付属アーカイブで確認されたもので、953点が記載され、マネやゴッホの絵画、ロダンの石膏彫刻が含まれていた。

国立西洋美術館、世界遺産に決定

2016年07月

世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月17日、国立西洋美術館(東京都台東区)を含む7カ国17資産で構成される「ル・コルビュジエの建築作品」について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて7月17日、トルコのイスタンブールで開催されたユネスコの世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。

登録有形文化財登録の答申

2016年07月

文化審議会は15日、岸田日出刀の設計によるオフィスビルのリバーサイドビルディング(大阪市北区)や、金沢市中心部を流れる浅野川にかかる橋脚がないアーチ橋である天神橋等、204件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう馳浩文部科学相に答申した。

人間国宝認定の答申

2016年07月

文化審議会は15日、植物染料による透明感のある色彩や独自の手法による大胆な色面構成を特徴とする紬織の村上良子を含む5名を、新たに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう馳浩文部科学相に答申した。

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