平成24年度文化庁予算決定

2012年04月

平成24年度予算案が5日、成立した。文化庁予算は1074億4700万円(東日本大震災復興交付金18億円を含む)となり前年度より4.2%、43億2000万円の増額となった。Ⅰ.豊かな文化芸術の創造と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.我が国の多彩な文化芸術の発信と国際文化交流の推進、の3つを柱とし、とくに東日本大震災からの復興特別会計として、Ⅱで「被災文化財の復旧」に37億3900万円、「被災ミュージアム再興事業」に5億700万円が計上、またⅢで「近現代建築資料等の収集・保存」に1億5000万円が計上された。

東京都美術館のリニューアルオープン

2012年04月

2010年春より大規模改修のため全面休館していた東京都美術館が1日にリニューアルオープンした。1975年に前川國男が設計した建物は老朽化が進んだため大改修となり、エレベーターやエスカレーターの増設や、企画棟の天井高を高くするなど展示空間の改善を行なった。またリニューアルを機に、とくにアート・コミュニケーション機能を強化、東京藝術大学との共同事業である「とびらプロジェクト」を立ち上げ、同大学の専任スタッフによる鑑賞プログラムやワークショップを展開することとなった。

「色彩の世界・伊藤若冲 日本花鳥画展1716-1800」の開催

2012年03月

日本から米国の首都ワシントンに3000本の桜が寄贈されてから100年目にあたるのを記念して、30日よりワシントン・ナショナル・ギャラリーで「色彩の世界・伊藤若冲 日本花鳥画展1716-1800」が開催された(4月29日まで)。若冲の代表作である「動植綵絵」全30幅(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)と京都相国寺の「釈迦三尊像」が、国外で一堂に展示される初めての機会となった。また同時期にアーサー・M.サックラー・ギャラリーで狩野一信の「五百羅漢像」(増上寺蔵)葛飾北斎の「富嶽三十六景」の展観も行なわれた。

第31回土門拳賞受賞者決定

2012年03月

前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第31回受賞者が高梨豊に決定した。受賞対象は写真集『IN’』(新宿書房)で、撮影対象に深く溶け込む姿勢と、瞬間の光景を通して、ありふれた日常から都市の姿を鋭敏に切り取る感性が高く評価された。

「ボストン美術館 日本美術の至宝」展の開催

2012年03月

20日より東京国立博物館で「ボストン美術館 日本美術の至宝」展が開催された(6月10日まで)。同展ではボストン美術館が所蔵する日本の美術品を展示、在外二大絵巻といわれる「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」が全巻公開されたほか、同展に向けて当初の襖絵の姿に修復された曽我蕭白の「雲龍図」が日本での初公開となった。同展は名古屋ボストン美術館(6月23日~12月9日)、九州国立博物館(2013年1月1日~3月17日)、大阪市立美術館(2013年4月2日~6月16日)に巡回した。

日本芸術院賞受賞者決定

2012年03月

日本芸術院(院長:三浦朱門)は16日、2011年度の芸術院賞受賞者を発表した。美術部門で池口史子(洋画、立軌会出品作「深まる秋」に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、同部門で吉野毅(彫塑、二科展出品作「夏の終り’11」に対して)、宮田亮平(工芸、日展出品作「シュプリンゲン『翔』」に対して)、星弘道(書、日展出品作「李頎詩 贈張旭」)が日本芸術院賞を受賞した。

芸術選奨文部科学大臣賞受賞者決定

2012年03月

文化庁は13日、2011年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞美術部門では、写真家の畠山直哉(「Natural Stories」展に対して)、建築家の坂茂(東日本大震災被災地で活用された「紙の建築」に対して)、評論等部門では美術史学者の鈴木杜幾子(著作『フランス革命の身体表象 ジェンダーからみた200年の遺産』に対して)、メディア芸術部門では東京藝術大学の佐藤雅彦(テレビ番組「0655」「2355」に対して)が受賞。同新人賞美術部門では、美術家・彫刻家の小谷元彦(「幽体の知覚」展に対して)、芸術振興部門ではせんだいメディアテーク主幹兼企画・活動支援室長の甲斐賢治(震災復興記録事業「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の活動に対して)、評論等部門では視覚文化研究者の佐藤守弘(著作『トポグラフィの日本近代 江戸泥絵・横浜写真・芸術写真』に対して)、メディア芸術部門ではアニメーション監督の長井龍雪(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」に対して)が受賞した。

第37回木村伊兵衛写真賞受賞者決定

2012年02月

写真家木村伊兵衛の業績を記念し、優れた新人写真家に贈られる木村伊兵衛写真賞(主催:朝日新聞社、朝日新聞出版)の第37回目の受賞者が18日、田附勝に決定した。受賞対象は写真集『東北』(リトルモア)で、東北の人々の風土に根ざした営みに真摯に向き合う姿勢が高く評価された。

「村山知義の宇宙」展の開催

2012年02月

11日より神奈川県立近代美術館(葉山)で「すべての僕が沸騰する 村山知義の宇宙」展が開催された(3月25日まで)。大正末期から昭和初期にかけて造形作品やダンスパフォーマンス、舞台装置、建築設計、デザイン、さらに戯曲や小説、評論の執筆などを手がけ、「日本のダ・ヴィンチ」と称された村山知義の多義性を紹介する初めての大規模な個展となった。同展は京都国立近代美術館(4月7日~5月13日)、高松市美術館(5月26日~7月1日)、世田谷美術館(7月14日~9月2日)に巡回した。

台北故宮展の日本開催、2014年開催で合意

2012年02月

台北・國立故宮博物院の周功鑫院長が8日、東京国立博物館の島谷弘幸副館長と会談し、同博物院の美術品による展覧会を2014年に東京国立博物館で開催することで基本合意した。同院の美術品の大半は元々北京にあったため、日本展開催の場合、中国政府が差し押さえに動く可能性があったが、海外から借り受けた美術品の第三者による差し押さえを禁じる「海外美術品等公開促進法」が2011年9月に施行されたのを受けて、計画が本格的に始動したもの。5月には、東京での開催後に九州国立博物館でも開催することで基本合意した。

VOCA賞受賞者決定

2012年01月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者が発表され、「絵が見る世界11_03」を制作した鈴木星亜が受賞した。またVOCA奨励賞は桑久保徹と武居功一郎、佳作賞は大成哲と柏原由佳、大原美術館賞は柏原由佳にそれぞれ贈られることとなった。受賞作等を展示するVOCA展2012は3月15日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

「特別展 北京故宮博物院200選」の開催

2012年01月

日中国交正常化40周年・東京国立博物館140周年を記念して、2日より東京国立博物館で「特別展 北京故宮博物院200選」が開催された(2月19日まで)。同展は北京故宮博物院のコレクションから200件を展示、なかでも北宋時代の張択端による「清明上河図巻」は中国国外での初めての公開となり、注目を集めた。

毎日芸術賞受賞者決定

2012年01月

芸術文化における優れた業績を顕彰する毎日芸術賞(主催:毎日新聞社)の第53回目の受賞者が発表され、美術関係では、建築家の坂茂(紙による新しい建築の探究と東日本大震災被災地での活用に対して)、画家の菊畑茂久馬(福岡市美術館・長崎県美術館での「菊畑茂久馬回顧展 戦後/絵画」に対して)、書家の石飛博光(「石飛博光書展 2011」に対して)が受賞した。

朝日賞受賞者決定

2012年01月

2011年度朝日賞(主催:朝日新聞文化財団)の受賞者が決定した。美術関係では美術家の横尾忠則が「常に時代と共振する斬新なグラフィックデザイン・絵画の制作」により受賞した。

「石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行」展開催

2011年12月

高度成長期の変動の激しい社会にあって、現代美術評論家として活躍した石子順造のしごとの全貌をふりかえる「石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行」展が府中市美術館で10日から2月26日まで開催された。美術にまつわる既成の価値観を疑い、「下へ下へとかいくぐる手続き」によって石子が評価したものを「美術」「マンガ」「キッチュ」の3章構成で130点の出品作によって展観する密度の高い企画となった。

芸術院新会員決定

2011年12月

日本芸術院(院長:三浦朱門)は1日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに4名を同院新会員に選出したと発表、美術関係では漆芸家の伊藤裕司が選ばれた。15日付で中川正春文部科学相により発令された。

伊藤延男のガッゾーラ賞受賞

2011年12月

国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は1日、フランス・パリの国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)本部で開催されている総会において、日本イコモス国内委員会名誉会員の伊藤延男へのガッゾーラ賞の授賞を発表した。アジアにおける木造建築の保存・修復の手法や伝統がヨーロッパの組石造建築のそれとは異なることを主張し、その多様性への理解と尊重を求め、歴史的建造物の保護に関する新たな国際基準の採択に貢献するなど、多年にわたり日本、アジアと海外との架け橋となった功績が認められたもの。日本人としては1987年に受賞した関野克に次ぐ二人目の受賞者となった。

名勝・史跡指定の答申

2011年11月

文化審議会(会長:西原鈴子)は18日、東日本大震災の津波で被災した景勝地「浄土ヶ浜」(岩手県宮古市)など5件を名勝に、平安時代から皇族や貴族が参詣した「石清水八幡宮境内」(京都府八幡市)など8件を史跡に指定するよう中川正春文部科学相に答申した。また三陸地方の豪商が造営した「盛合氏庭園」(宮古市)など3件を登録記念物に、島の狭い地域に漁港と農村が共存する「新上五島町北魚目の文化的景観」(長崎県新上五島町)を重要文化的景観に選定するよう答申した。一方で文化審議会は東日本大震災で被災した「茨城大学五浦美術文化研究所六角堂」(茨城県北茨城市)等、登録有形文化財の建物6件の登録を抹消するよう中川文部大臣に答申した。

第23回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2011年11月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第23回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は『銅像受難の近代』(吉川弘文館)の著者である平瀬礼太(姫路市立美術館学芸員)が、美術評論部門は「菊畑茂久馬回顧展」の企画と図録論文が評価された山口洋三(福岡市美術館学芸員)と野中明(長崎県美術館学芸員)が受賞した。

「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」展開催

2011年11月

西洋の裸体画を受容して日本人がどのように人の裸体を描いてきたかを跡づける「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」展が東京国立近代美術館で15日から1月15日まで開かれた。第Ⅰ章「はだかを作る」で西洋美術をもとに日本人の理想的身体像をつくった明治中期から後期までを、第Ⅱ章「はだかを壊す」で身体像がデフォルメあるいは切断されていく大正期を、第Ⅲ章「もう一度、はだかを作る」では再び構成された身体像が描かれた1920年代から40年代までを対象とし、油彩画を中心に98点の作品が展観された。裸体画論争など社会との摩擦を起こしつつ「ヌード」というジャンルを獲得するに至った過程を、身体像の造形のみならず、裸体の居る場所や立像・臥像の別といった視点も含む独創的な切り口で追う展観となった。

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