VOCA賞受賞者決定

2018年12月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ摸写」を制作した東城信之介に決定したことが19日に発表された。VOCA奨励賞は石場文子「2と3、もしくはそれ以外(祖母の家)」とチョン・ユギョン「Let’s all go to the celebration square of victory!」、佳作賞は遠藤薫「ウエス」と目「アクリルガス」、大原美術館賞は喜多村みか「TOPOS」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2019は2019年3月14日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

日本芸術院新会員決定

2018年11月

日本芸術院(院長:黒井千次)は30日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに2名を同院新会員に選出したと発表、洋画の馬越陽子、評論・翻訳の芳賀徹が選ばれた。12月15日付で柴山昌彦文部科学相により発令された。

第40回サントリー学芸賞受賞者決定

2018年11月

第40回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)の受賞者が16日に発表、美術関係では芸術・文学部門で京谷啓徳(九州大学大学院准教授)の『凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力』が受賞した。

名勝・史跡指定の答申

2018年11月

文化審議会は16日、甲府城跡(甲府市)等9件を史跡に、旧益習館庭園(兵庫県洲本市)を名勝に指定、会津飯盛山白虎隊士墳墓域(福島県会津若松市)等3件を登録記念物に登録、宇和海狩浜の段畑と農漁村景観(愛媛県西予市)を重要文化的景観に選定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、吉田五十八の設計による旧吉田茂邸サンルーム(神奈川県大磯町)等185件の建造物を登録することも求めた。

第30回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2018年10月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第30回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は「没後40年 幻の画家不染鉄」展の企画及び図録中の論文を担当した松川綾子(奈良県立美術館学芸員)、美術評論部門は「戦後美術の現在形 池田龍雄展 楕円幻想」の企画及び図録中の論文を担当した喜夛孝臣(練馬区立美術館学芸員)が選ばれた。

文化勲章受章者、文化功労者決定

2018年10月

政府は26日、2018年度の文化勲章受章者5名と文化功労者20名を決定した。美術関係では、技術的に難しいとされる象嵌技法を広い面に展開する面象嵌に発展させ、陶芸に新しい可能性を切り開いた陶芸家の今井政之が文化勲章受章者に、斬新な散らし書きが伝統の品格と現代の造形感覚を兼ね備え、高く評価された書家の井茂圭洞、「建築を軽く」という方法論で注目を集め、日本各地でプロジェクトを展開し、現代建築の発展に寄与した建築家の伊東豊雄、地域創生に至るアートプロジェクトという前人未到の領域で第一人者として活躍するアートディレクターの北川フラムが文化功労者に選ばれた。

日本イコモス賞2018・日本イコモス奨励賞2018受賞者決定

2018年10月

建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物と歴史風土の保存、保全、活用の振興を図る日本イコモス賞2018・日本イコモス奨励賞2018の受賞者が19日に発表され、松隈章(一般社団法人聴竹居倶楽部代表理事)が聴竹居の長年の保存活動と研究・著作実績に対して、加藤友規(植彌加藤造園株式会社代表取締役社長)が文化遺産としての日本庭園の保全研究とその活用についての現代的方策と実践に対して日本イコモス賞2018を、惠谷浩子(奈良文化財研究所文化遺産部景観研究室研究員)が文化的景観の調査研究・普及・保全に関する取り組みに対して日本イコモス奨励賞2018を受賞した。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2018年10月

文化審議会は19日、琉球王国の国王の陵墓である玉陵(那覇市)を国宝に、17世紀末から18世紀初めにかけて建造され、社殿の柱や壁を幾何学文様で飾った大前神社(栃木県真岡市)等8件の建造物を重要文化財に指定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。沖縄県内の建造物が国宝に指定されるのは初めて。

第30回國華賞受賞者決定

2018年10月

日本・東洋美術に関する優れた研究を対象とする第30回國華賞は田辺昌子「菱川師宣と浮世絵の誕生」(『國華』1465号、2017年)に、國華特別賞は有賀祥隆『日本絵画史論攷』(2017年)に贈られることが決定した。

「1968年 激動の時代の芸術」展の開催

2018年09月

19日より千葉市美術館で「1968年 激動の時代の芸術」展が開催された。全共闘運動やベトナム反戦運動の盛り上がりで社会が騒然とし、アングラ、カウンターカルチャーのような過激でエキセントリックな文化が花開いた1968年前後に焦点をあて、その時代の前衛芸術運動と社会背景を約400点の作品・資料によって展観。赤坂にオープンしたアンダーグラウンド・ディスコMUGENのライトショーを再現するなど、当時の熱気を伝える試みもなされた。同展は北九州市立美術館分館(12月1日~2019年1月27日)、静岡県立美術館(2019年2月10日~3月24日)に巡回した。

ヤノベケンジ「サン・チャイルド」の撤去決定

2018年08月

福島市が教育文化複合施設こむこむ館前に設置し、3日に除幕式を行なった現代美術家ヤノベケンジの作品「サン・チャイルド」(高さ約6.2m)が批判を受け、28日に木幡浩市長が記者会見で像を撤去する方針を明らかにした。同作品は東日本大震災を契機に2011年に制作された防護服姿の子供の立像で、原子力災害のない世界や希望を表現したものだったが、東京電力福島第1原発事故の風評被害を助長する等の批判が相次ぎ、撤去となった。作者も合意のもと、9月18日より撤去作業が行なわれた。

第29回平櫛田中賞受賞者決定

2018年07月

日本の彫刻界の振興と平櫛田中の業績の後世への継承を期して設けられた平櫛田中賞(主催:岡山県井原市)の第29回目の受賞者は岩間弘に決定したことが27日に発表された。造形の本格的な展開を試み、持続的な意志をもって彫刻とは何かを問い続けてきた姿勢が評価された。

登録有形文化財登録の答申

2018年07月

文化審議会は20日、ヨーロッパ中世の町家風に和風の表現を加味した万平ホテルアルプス館(長野県北佐久郡軽井沢町)や、1955年の建設時には東洋一の支間長を誇った大規模鋼橋の西海橋(長崎県佐世保市、西海市)等、209件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう林芳正文部科学相に答申した。

人間国宝認定の答申

2018年07月

文化審議会は20日、人間国宝の父康孝に師事し、伝統技法を習得、染色に適した生地や型紙の和紙、のり等に徹底してこだわり“連子柄”に代表される精緻な文様を実現した江戸小紋の小宮康正、沈金の前大峰と蒔絵の松田権六から指導を受け、創意工夫を加えて技を磨き、沈金象嵌の技法等を効果的に織り交ぜて表現の可能性を広げた沈金の山岸一男を含む3名を、新たに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう林芳正文部科学相に答申した。

第30回世界文化賞受賞者決定

2018年07月

世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第30回受賞者が11日発表された。美術関係では、絵画部門で、国際的な前衛美術集団コブラ(CoBrA、1948~51年)で活躍、書道の影響を受けた自由な筆さばきと、アクリル絵の具の乾きやすい特性を生かし、自身の内面を大胆に表現するベルギーの現代美術家ピエール・アレシンスキー、彫刻部門で、水を用いた人工霧による「霧の彫刻」を1970年の大阪万国博覧会で初めて発表し、以来、世界各地で霧を使ったインスタレーションやパフォーマンス、環境彫刻等80作品以上を手がけ、“霧のアーティスト”として世界的に知られる中谷芙二子、建築部門で、フランスの“音楽都市”で一躍有名になり、福岡市のネクサス集合住宅等が高く評価されるフランスの建築家・都市計画家のクリスチャン・ド・ポルザンパルクが受賞した。

第13回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2018年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第13回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は平野到・埼玉県立近代美術館学芸主幹(「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」展に対して)、安井裕雄・三菱一号館美術館学芸グループ副グループ長(「ルドン・秘密の花園」展に対して)が、団体に贈られる文化振興賞は「クラーナハ展 500年後の誘惑」(国立西洋美術館)他への調査研究助成、出版援助、国際交流援助による研究振興に功績のあった公益財団法人鹿島美術財団が受賞した。

「特別展 縄文 1万年の美の鼓動」の開催

2018年07月

3日より東京国立博物館で「特別展 縄文 1万年の美の鼓動」が開催された(9月2日まで)。日本のもの作りの源流として、縄文時代の土器や石器、土偶等のダイナミックな造形美に焦点をあてた展覧会で、火焔型土器や土偶「縄文のビーナス」といった国宝指定の出土品全6件を展示、また同時期の世界各地の土器も併せて展示し縄文土器の独創性をうかがうコーナーも設けた。

文化財活用センターの開設

2018年07月

国立文化財機構に1日、文化財活用センター(センター長:旭充)が開設された。文化財の積極的な活用を打ち出した文化審議会の答申を受けて設置されたもので、企画、貸与促進、保存、デジタル資源の4事業を通して国内の有形文化財の活用を目指す。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、世界遺産に決定

2018年06月

世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月、日本政府が推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて6月30日、バーレーンの首都マナマで開催されていたユネスコの第42回世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。

名勝・史跡指定の答申

2018年06月

文化審議会は15日、新津油田金津鉱場跡(新潟市)等9件を史跡に、白山公園(新潟市)等4件を名勝に指定、絲原氏庭園(島根県奥出雲町)を登録記念物に登録、「伊庭内湖の農村景観」(滋賀県東近江市)および「北大東島の燐鉱山由来の文化的景観」(沖縄県北大東島)を重要文化的景観に選定するよう林芳正文部科学相に答申した。

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