文化財の新指定(建造物)

1987年03月

文化財保護審議会は27日、建造物に関する重要文化財指定について塩川文相に答申を行なった。滋賀県の延暦寺大講堂、弘誓寺本堂(滋賀県)、島田神社本殿(京都府)、石田神社境内社・恵比寿神社本殿(京都府)、田島神社本殿(佐賀県)を重要文化財に、東部町海野宿(長野県)、竹富島(沖縄県)を伝統的建造物群保存地区に指定するよう答申が行なわれ、また、62年11月に火災で焼失した前原家住宅1棟(岡山県)の重要文化財指定が解除されることとなった。

77回日本学士院賞決定

1987年03月

日本学士院(黒川利雄院長)は12日の総会で9氏に対し第77回日本学士院賞を贈ることに決定した。美術部門では建築史家福山敏男、(『福山敏男著作集』の「寺院建築の研究」「神社建築の研究」に対して)が学士院賞・恩賜賞に選ばれた。これで恩賜賞は119件130人、学士院賞は432件496人が受賞したこととなった。

「絵巻」展開催

1987年03月

国宝に指定されている絵巻全点を含む名品約80件を平安~室町時代の作品から選んだ「絵巻」展が、21日から4月30日まで京都国立博物館で開かれた。文学、絵画、書の一体となったものとして歴史、風俗を含む広い範囲から注目を集めている絵巻の画風の変遷をたどる久々の本格的な絵巻展となった。

30回安井賞決定

1987年02月

昭和32年に創立され今年30回目をむかえた安井賞は、推薦応募数372点(227人)のうちから選考が行われ、安井賞に小林一彦「MOVIN’OUT 86-A」、佳作賞に川口起美雄「交感(音の抑揚)」が選ばれた。安井賞展は28日より3月18日まで東京池袋西武美術館で開かれたのち、全国を巡回した。

ゴーギャン展開催

1987年03月

19世紀末、ヨーロッパ文明を避けてタヒチに渡った画家ポール・ゴーギャンのタヒチ時代に焦点をあてた「ゴーギャン展」が6日より5月17日まで東京国立近代美術館で開かれた。油彩60点、彫刻、水彩、版画などを含む約120点が出品され、大規模な展観となった。

毎日デザイン賞受賞

1987年02月

工業デザイン、グラフィックデザインなどの分野を対象とする毎日デザイン賞の’86年受賞者はグラフィックデザイナーの松永真に決まった。ロゴをシンプルにデザインした一連の仕事が評価されたもの。

37回芸術選奨決定

1987年02月

第37回芸術選奨が27日、文化庁の選考委員会によって決定され、美術関係では陶芸家鈴木蔵(「炎舞する蔵志野展」の造形的力動感と深い火色のぬくみをもつ作品群に対し)、洋画家高橋秀(「高橋秀展」の単純明快な色面パネルをレリーフ的に使い不思議なエロスを漂わせる作品群に対し)、美術史家青木茂(明治洋画史の重要史料を発掘・紹介した『明治洋画史料-記録篇』に対し)が選ばれた。

将軍が李王朝に贈った?風絵発見

1987年01月

ソウル市の李王朝時代の王宮、昌徳宮に秘蔵されていた日本絵画34点のうち8点が江戸期のもので、そのうち4点は徳川幕府が朝鮮通信使を通じて贈ったものであることが判明、30日韓国文化公報省により発表された。徳川幕府の御用絵師狩野友甫、梅笑師信らの制作によるもので保存状態も良いと伝えられる。

22回昭和会賞決定

1987年01月

新人の登竜門である昭和会賞の第22回目の受賞者の選考が月末に行なわれ、昭和会賞に桜井孝美、林武賞に片桐克彦(彫刻)、優秀賞に稲垣考二、大村富彦(彫刻)が選ばれた。

バーン=ジョーンズと後期ラファエル前派展

1987年02月

日本近代洋画に影響を与えたことでも知られるバーン=ジョーンズを中心に、イギリスの19世紀末芸術の流れをたどる展覧会が5日から23日までの東京、伊勢丹美術館での開催を皮切りに行なわれた。同展は石橋美術館、栃木県立美術館、山梨県立美術館を巡回した。

28回毎日芸術賞決定

1987年01月

第28回毎日芸術賞が1日に決定し発表され、美術関係では建築家安藤忠雄「『六甲の教会』の設計」、彫刻家堀内正和「渋谷区立松涛美術館5周年記念特別展『堀内正和』」が受賞した。

to page top