人間国宝認定
1987年03月文化財保護審議会は26日、重要無形文化財保持者(人間国宝)として新たに4氏を認定するよう塩川文相に答申した。美術関係では備前焼の山本陶秀、木象嵌の秋山逸生が認定された。木象嵌の分野での認定は初めてのことである。
文化財保護審議会は26日、重要無形文化財保持者(人間国宝)として新たに4氏を認定するよう塩川文相に答申した。美術関係では備前焼の山本陶秀、木象嵌の秋山逸生が認定された。木象嵌の分野での認定は初めてのことである。
日本学士院(黒川利雄院長)は12日の総会で9氏に対し第77回日本学士院賞を贈ることに決定した。美術部門では建築史家福山敏男、(『福山敏男著作集』の「寺院建築の研究」「神社建築の研究」に対して)が学士院賞・恩賜賞に選ばれた。これで恩賜賞は119件130人、学士院賞は432件496人が受賞したこととなった。
国宝に指定されている絵巻全点を含む名品約80件を平安~室町時代の作品から選んだ「絵巻」展が、21日から4月30日まで京都国立博物館で開かれた。文学、絵画、書の一体となったものとして歴史、風俗を含む広い範囲から注目を集めている絵巻の画風の変遷をたどる久々の本格的な絵巻展となった。
昭和32年に創立され今年30回目をむかえた安井賞は、推薦応募数372点(227人)のうちから選考が行われ、安井賞に小林一彦「MOVIN’OUT 86-A」、佳作賞に川口起美雄「交感(音の抑揚)」が選ばれた。安井賞展は28日より3月18日まで東京池袋西武美術館で開かれたのち、全国を巡回した。
19世紀末、ヨーロッパ文明を避けてタヒチに渡った画家ポール・ゴーギャンのタヒチ時代に焦点をあてた「ゴーギャン展」が6日より5月17日まで東京国立近代美術館で開かれた。油彩60点、彫刻、水彩、版画などを含む約120点が出品され、大規模な展観となった。
第37回芸術選奨が27日、文化庁の選考委員会によって決定され、美術関係では陶芸家鈴木蔵(「炎舞する蔵志野展」の造形的力動感と深い火色のぬくみをもつ作品群に対し)、洋画家高橋秀(「高橋秀展」の単純明快な色面パネルをレリーフ的に使い不思議なエロスを漂わせる作品群に対し)、美術史家青木茂(明治洋画史の重要史料を発掘・紹介した『明治洋画史料-記録篇』に対し)が選ばれた。
工業デザイン、グラフィックデザインなどの分野を対象とする毎日デザイン賞の’86年受賞者はグラフィックデザイナーの松永真に決まった。ロゴをシンプルにデザインした一連の仕事が評価されたもの。
第13回平櫛田中賞は米林雄一「微空音-Ⅰ」に贈られることに決定した。授賞式は7月30日に行なわれた。
第38回日本放送協会放送文化賞が18日決定し、美術関係では日本画家平山郁夫が受賞した。
ソウル市の李王朝時代の王宮、昌徳宮に秘蔵されていた日本絵画34点のうち8点が江戸期のもので、そのうち4点は徳川幕府が朝鮮通信使を通じて贈ったものであることが判明、30日韓国文化公報省により発表された。徳川幕府の御用絵師狩野友甫、梅笑師信らの制作によるもので保存状態も良いと伝えられる。
新人の登竜門である昭和会賞の第22回目の受賞者の選考が月末に行なわれ、昭和会賞に桜井孝美、林武賞に片桐克彦(彫刻)、優秀賞に稲垣考二、大村富彦(彫刻)が選ばれた。
日本近代洋画に影響を与えたことでも知られるバーン=ジョーンズを中心に、イギリスの19世紀末芸術の流れをたどる展覧会が5日から23日までの東京、伊勢丹美術館での開催を皮切りに行なわれた。同展は石橋美術館、栃木県立美術館、山梨県立美術館を巡回した。
第28回毎日芸術賞が1日に決定し発表され、美術関係では建築家安藤忠雄「『六甲の教会』の設計」、彫刻家堀内正和「渋谷区立松涛美術館5周年記念特別展『堀内正和』」が受賞した。