佐久市立近代美術館敦井美術館開館

1983年05月

長野県佐久市立美術館が26日開館。同館は51年に寄贈された油井一二コレクション760余点を蔵し、独自の佐久文化の創造をめざして活動する。また、28日、新潟市に地元企業によって敦井美術館がオープン。同館は日本近代陶芸品を中心とした敦井コレクション約100点を所蔵する。

伴大納言絵詞、出光美術館に売却

1983年05月

2日、酒井家所蔵の国宝件大納言絵詞が、30億円を下らぬと予想される価格で昨年度出光美術館に売却されていたことが明らかとなった。

第11回平櫛田中賞

1983年05月

日本の木彫界の巨匠平櫛田中をたたえ、優れた彫刻家に贈られる平櫛田中賞は昨年度中止され先行きを心配されたが、このほど復活され、脇田愛二郎「コミック・ボリューム3の2」が受賞作に選ばれた。

榊原紫峰展

1983年04月

大正期の日本画革新運動の中で主導的な役割を果たした国画創作協会の主要作家の一人榊原紫峰の作品を集めた展覧会が28日から5月29日まで京都国立近代美術館で開催された。本画80点、下絵30点が出品され、代表作を網羅した展観としては遺作展以来11年ぶり。

建築史学会設立

1983年04月

近年、建築史研究者のみならず、多方面から建築の持つ様々な文化史的意味への関心が高まりつつある中で、30日、建築史学会の設立総会が行なわれた。年2回論文集『建築史学』を発行し、開かれた学会を目指して会員資格は設けられていない。

藤島武二展

1983年04月

歿後40周年を記念して、藤島の初期作から晩年までの油彩・グワッシュ・水彩・パステル・素描など約140点を集め藤島芸術の全貌をうかがう展観が、23日から6月12日まで三重県立美術館で行なわれた。引続き神奈川県立近代美術館で開催。

浄土曼荼羅展

1983年04月

浄土教の美術を集めた展覧会が、24日より5月29日まで奈良国立博物館で行なわれた。浄土教絵画を二分する阿弥陀浄土図・来迎図を主とした絵画作品をはじめ、彫刻・厨子・経典・法具など国宝11件18点、重文72件99点を含む166件233点が陳列され、寺外初公開のものも少なくなかった。

第16回現代日本美術展

1983年04月

1954年以来、日本国際美術展と隔年で開かれてきた現代日本美術展の第16回展が、27日から5月12日まで東京都美術館で開催された。ビデオなどを含むメディアの多様化が見られる中で、伝統的素材である紙(こうぞ)を使った長谷光城による立体「内部―連結」が大賞に選ばれ、佳作賞には畦地拓治「CARVING-WAVE」(平面)、坂口正之「工作体83―1」(立体)、原田大三郎「TV MUSIC」(ビデオ)、山本秀夫「オーム」(立体)、偸太人々「TERRITORY BOX(2)」(平面)が選ばれた。

阿刀家秘蔵資料京博へ寄贈

1983年04月

弘法大師空海の母方の家系で、平安時代以来東寺の執行職を世襲している阿刀家が、昨秋逝去した41代阿刀弘文の遺志により、秘蔵の古文書類約2千点、美術工芸品1千点を、このほど京都国立博物館に寄贈・寄託した。そのうち、約100点が「弘法大師と密教美術展」に併陳されたが、ほとんどが未公開であり、中には鎌倉時代初期の木彫「弘法大師座像」や「大師絵伝」など極めて貴重なものが含まれている。

南禅寺三門落慶

1983年04月

4年の歳月をかけて行なわれた南禅寺三門(重要文化財)の半解体修理が完了し、6日落慶法要が営まれた。

姫路市立美術館白樺美術館等開館

1983年04月

1日、姫路市本町の旧市庁舎(明治38年建設)を改築した姫路市立美術館がオープン。開館展は郷土出身の「酒井抱一展」。また、同日兵庫県立歴史博物館も開館。17日には南アルプス連峰を望む八ケ岳山麓の清春芸術村(山梨県北巨摩郡長坂町)に白樺美術館が開館した。同芸術村主宰者が私財を投じて建設したもので、白樺派に関係する作品、書簡、書籍等を所蔵する。

ピカソ展

1983年04月

ピカソ歿後10年にちなみ、ピカソの孫娘マリーナのコレクションを中心に、クリーブランド美術館、プーシキン美術館、エルミタージュ美術館などの作品を加えた204点によるピカソ展が、2日から5月29日まで、東京国立近代美術館で開催された。ピカソが生前アトリエに保管した自らの作品4万余点の内マリーナが相続した5千点以上の作品から成るマリーナ・コレクションには、多くの実験的作品も含まれているといわれる。今回の展覧会には「青の時代」から後年の円熟期にいたる油彩(90点)、グワッシュ、デッサン、コラージュ、彫刻などが出品され、2点を除く総てが日本初公開であった。同展は、ピカソ生誕100年にあたる一昨年からヨーロッパを巡回してきたもので、質量ともに充実したピカソ展となった。

人間国宝認定

1983年03月

文化財保護審議会(会長小林行雄)は28日、新たな重要無形文化財保持者(人間国宝)として3人を認定するよう瀬戸山文相に答申した。これで人間国宝は154人。美術部門では萩焼の十一代三輪休雪、白磁・青白磁の塚本快示が選ばれたが、白磁・青白磁の分野での人間国宝は初めて。

文化財の新指定(美術工芸品)

1983年04月

文化財保護審議会は1日、美術工芸品関係で4件を国宝に、33件を重要文化財に指定するよう瀬戸山文部大臣に答申した。国宝の指定は2年ぶりで、「辛亥銘鉄剣」を含む「稲荷山古墳出土品」80点と、昨年重文に指定された冷泉家文書10件の中から藤原俊成「古来風体抄」藤原定家書写「古今和歌集」同じく定家書写「後撰和歌集」が今回国宝に昇格した。重文に指定されたのは絵画7件、彫刻5件、工芸品6件、書籍・典籍5件、古文書4件他の計33件。これで美術工芸品関係の国宝は825件、重文は8399件となった。新指定の国宝・重文は5日から17日まで東京国立博物館で特別展観された。

国立歴史民俗博物館開館

1983年03月

歴史・考古・民俗学の三分野一体による研究を目ざし、明治百年記念事業として昭和41年に計画されて以来17年をかけた国立歴史民俗博物館が、18日千葉県佐倉市の佐倉城址にオープンした。収集資料は国宝・重文・模写模造品等約7万2千点、国立民族学博物館と同様、文部省共同利用研究機関で、歴史・考古・民俗・情報資料の4研究部が置かれている。

弘法大師と密教美術展

1983年03月

’84年の弘法大師入定1500年を記念して、空海ゆかりの宝物や密教美術の名品169点を公開する展覧会が、19日から5月5日まで京都国立博物館で開催された。絵画・彫刻・書跡・工芸のいずれも逸品が陳列され、9割までが国宝・重文という充実した展覧会となった。引続き、東京国立博物館等五カ所を巡回。尚、京博では特別展観として29日から5月5日まで、「南禅寺の名宝」が併陳された。

文化財の新指定(建造物)

1983年03月

文化財保護審議会(会長小林行雄)は25日、建造物の重要文化財として新たに函館ハリストス正教会復活聖堂など4件5棟を指定するよう瀬戸山文相に答申した。同聖堂は、大正以降の建築としては2件目。また併せて重文指定済みの建築2件の宅地などの追加指定も答申されたが、これで建造物関係の重文は1960件3157棟(内国宝207件249棟)となった。

第50回毎日広告デザイン賞決定

1983年03月

第50回毎日広告デザイン賞が決定し12日発表された。入賞作品は第1部(一般公募・広告主課題の部)19点、第2部(一般公募・公共福祉広告の部)4点、第3部(広告主参加の部)40社が選ばれ、各部門特選一席は次の通り。 第1部 中泰博、田中英貴、森真一 第2部 近賀孝志、藤井淳志、鈴木英雄 第3部 西武流通グループ

ボストン美術館所蔵日本絵画名品展

1983年03月

明治初期にフェノロサ、ビゲローによって収集されボストン美術館に寄贈された日本美術の優品の中から絵画80点が里帰りし、15日から5月8日まで東京国立博物館で展示された。ビゲロー・コレクションが海外に出るのはこれが初めて。美術史上貴重な作品を多く含み、また収集者の好みをあらわす意義深い展観となった。同展は京都国立博物館を巡回した(5月17日-6月26日)。

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