ピカソ版画展開催

1961年10月

ピカソ全貌シリーズ第1回展として、版画展が、アート・フレンド・アソシエーションの主催、外務省、文部省、フランス大使館の後援で日本橋白木屋で(17日-29日)最初の展観を行った。エッチングは1930年前半に制作されたものを中心に、近作まで含め111点、戦後のリトグラフ145点、リノカット45点という大量で、東京展のあと、京都、名古屋、大阪でも開かれる。

前田青邨喜寿記念展

1961年10月

本年喜寿と金婚を迎えた前田青邨の記念展で、屏風、襖絵をはじめ大小100点近い作品が10日から22日まで日本橋高島屋で展示された。

重要美術品の刀盗まる

1961年10月

新潟市の小林デパートで開催中の「正宗とその一門展」に、東京国立博物館から出陳されていた、重要美術品の「相州・弘光」作の脇差が盗まれていることが6日の朝、判明した。

大谷磨崖仏の調査に仏学者協力

1961年09月

文化財保護委員会は、日仏文化交流の一環として来日中のフランスの地理学者ドリオ、ポー両氏に、ヨーロッパにおける石造美術保存法の立場からの助言を求めるため27・28両日、大谷石仏の日仏共同調査を行った。

法隆寺献納御物の収蔵館建設着工

1961年10月

文化財保護委員会は、法隆寺献納御物の収蔵館を東京国立博物館敷地内に建設することをきめ10月上旬より工事にとりかかった。設計は、工学博士・大島久次。完成は昭和37年5月ごろの予定。

円山応挙展

1961年09月

屏風と画巻を中心とする応挙名作展が9月20日から10月15日まで東京国立博物館で開かれ、「保津川図屏風」をはじめ応挙の大画面代表作10数点が一堂に集まった。

勅使塚古墳の発掘調査

1961年09月

霞ヶ浦西岸古墳群のうちで最大の規模をもつ茨城県行方郡玉造町の「勅使塚古墳」発掘調査が明治大学考古学研究室の手により9月21日から10月10日迄行われた。

円空彫刻展

1961年09月

江戸時代の修験僧円空の残した多くの鉈彫りにより仏像彫刻は、現代彫刻の課題にもつながる表現的作風の故に近年注目を集めるようになり、その大規模な展覧会が9月12日から17日まで、東京渋谷・東横で開催された。

ユーゴ彫刻シンポジウムで受賞

1961年09月

ユーゴスラヴィアのスロヴェニア州で行なわれた国際彫刻シンポジウムに、日本からは美術家連盟の推せんで田中栄作、富樫一、またパリから水井康雄が参加し、木彫部門一位に田中が、石彫部二位に富樫が入賞した。

高野山秘宝特別展

1961年09月

昭和32年から吉野山文化保存協会、文化財保護委員会、毎日新聞社が行なつた高野山の文化財総合調査がこのほど終了、その成果の一端が「高野山財宝特別展」として9月5日から17日まで東京上野松坂屋で開かれ、未公開の多数を含む仏画、仏像、仏具、文書百余点が展示された。

「彫刻家集団S.A.S」結成

1961年09月

今春解散した日本美術院彫塑部の、新海竹蔵山本豊市ら旧同人、院友を中心とする彫刻家32人は、新に「彫刻家集団」(S.A.S)を結成、11日発表式を行なった。全員を会友とし、その中から9人の委員を選出して集団の運営に当り、年数回の研究会と、年1回の公募展を開くことを決めた。 なお第1回展は11月3日から9日まで銀座松坂屋で開いた。

大谷磨崖仏の調査

1961年08月

文化財保護委員会は8月21日から23日まで、大谷磨崖仏の損傷程度、修理方法の検討のための実地調査を行った。これは来年度に予定されている根本修理のための予備調査であり、辻村太郎ら6人が任に当った。

奈良唐招提寺の調査

1961年08月

奈良市西ノ京、唐招提寺の第3次総合調査が8月28日から、奈良国立文化財研究所の手で行われた。この調査によって、奈良時代の工芸品「紙裁文」の他、多くの古文書類が発見された。

崋山名作展

1961年08月

渡辺崋山の没後120年を記念する展覧会が東京日本橋三越で8月15日から20日まで開かれ、作品約120点が展示された。

岸田劉生展

1961年08月

33周忌記念展ということで代表作70余点、遺品を加えて100点近くが銀座松坂屋で19日から27日迄展観された。劉生回顧展は時折行われているが、「門と草と道」「冬の日の崖上の道」など数点久し振りの出品がみられた。

親鸞上人展

1961年08月

親鸞聖人の7百回大遠忌を記念する親鸞上人展が8月8日から18日まで読売新聞主催のもとに東京白木屋で催された。

アイヌの歴史学的調査始まる

1961年08月

北海道沙流郡平取町教育委員会と毎日新聞の後援で、今年から3年間、沙流川流域を中心に行われる「アイヌの歴史学的調査」(調査団長・駒井和愛)の第1年度現地調査が9日より始つた。

中尊寺金色堂の調査

1961年08月

文化財保護委員会は8月7日から11日まで、中尊寺金色堂の損傷程度と修理の方法について実地調査を行った。これは、来年度に予定されている根本修理に先立つもので、松田権六ら6人がその任に当つた。

埼玉県東松山市の古墳発掘調査

1961年07月

埼玉県東松山市大谷にある「三千塚古墳」をふくむ丘陵地帯78ヘクタールがゴルフ場となるため、ゴルフ場着工前の7月25日より1ヶ月間、大規模な発掘調査が行われた。これには、10大学、約50人の調査団と地元の高校20余校・地方研究家50余人が参加した。

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