鎌倉大仏調査

1957年02月

文化財保護委員会事務局では、一九日から三日間、鎌倉大仏に大規模な足場を組んで、鋳造方法、鋳型の種類、青銅の質等の調査を行つた。

唐津周辺の発掘

1957年01月

京大水野清一を中心とする東亜考古学会唐津調査団は、中旬から二月にかけて唐津市東宇木部落附近の原始墓群調査を行い、大陸先進文化移入径路の研究に貴重な資料多数をえた。

意匠奨励審議会発足

1957年01月

戦後商品意匠の重要性が社会的に大きく取りあげられてきたが、行政上これらを調査審議すべき機関が明確でなく、製品等において実際面で非常に煩雑であつた。そこで行政上に於ける意匠に関する各般の事項を調整する場が要求されるに至つたが、これに応じて民間有識者を含めた意匠奨励審議会が特許庁附属機関として設置され、二八日発足するに至つた。尚同審議会では優良意匠の奨励助成、及び意匠侵害防止に関する問題のほか、グッドデザインの選定、公表を行い、本年度中にも数回に亘り、ミシン、カメラ等数種の製品をグッドデザインとして選定発表した。

美術映画「平安美術」完成

1957年01月

東京国立博物館製作の美術映画「平安美術」が二一日完成した。博物館が美術映画の製作をはじめて七本目に当り、これで上代から江戸までを通覧するフィルムの日本美術史ができたわけである。

芸術院補充会員決定

1957年01月

日本芸術院では芸術院会員の欠員九名の補充をするため昨年暮会員補充選考委員会を設け一三名の候補者をえらんで会員の投票を求めていたが、二二日その結果が開票された。新会員は第一部五名、第二部一名第三部二名、合計八名が選ばれ、第一部(美術)新会員は左の通りである。 日本画-徳岡神泉 洋画-金山平三長谷川昇 工芸-山鹿清華山崎覚太郎

東京都文化会館の建設

1957年01月

東京都では開都五〇〇年記念事業として文化会館を建設することになりその準備がすすめられていたが、この程同会館建設委員会により具体的計画がまとまつた。計画によると、建設地は上野公園竹之台で、三二年度から三カ年以内に完成され、総延坪六五〇〇坪総工費一三億程度が見込まれている。

御蔵三宅両島の都文化財

1957年01月

東京都文化財専門委員会議は、一七日第三回総会に於て前年行つた御蔵・三宅両島の総合調査で発見された両島文化財の指定と解除を審議した。紙本著色神馬図額、板絵著色英一蝶作大森彦七図額、木造楽面二個等が新指定品である。

熱海美術館開館

1957年01月

熱海市伊豆山に箱根美術館と同じく財団法人東明美術保存会に所属する熱海美術館が二日開館した。箱根美術館の姉妹館として絵画を主として陳列する。開館記念展として浮世絵を展観して一般に公開した。

「新日本工業デザイン」入賞決定

1957年01月

毎日新聞社提唱による三一年度第五回「新日本工業デザイン」の入賞が決定し、一〇日次の通り発表された。 特選一席ナショナル電気冷蔵庫、石井賢康他四名。特選二席リコー35ミリカメラ、柴田献一他三名。准特選三席スタンダード5石トランジスター携帯ラジオ、小野沢潤。三菱噴流式洗濯機、野口瑠璃他三名。(以上各賞金特選一席通産大臣賞並に副賞五〇万円、特選二席同三〇万円、准特選三席同各一〇万円)

朝日賞

1957年01月

昭和三一年度第二七回「朝日賞」の授賞が決定し、三日発表された。美術関係では、梅原竜三郎の第三〇回国画会展出品作「富士山図」が文化賞の中で選ばれた。尚授賞式は一五日朝日新聞東京本社で行われ、本賞(賞牌)と副賞五〇万円が贈呈され、終つて記念講演会が開催された。

毎日美術賞

1957年01月

昭和三一年度第八回「毎日美術賞」の授賞が決定し、三日左の通り発表された。尚授賞式は一六日同社で行われ、受賞者に賞状と賞金各一〇万円が贈られた。 岡鹿之助 第二回現代日本美術展出品作「雪の発電所」(油絵) 小倉遊亀 第四一回日本美術院展出品作「少女」(日本画)

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