日展改革案決る

1946年09月

第二回日展を前に官展の改革案が四日文部省から発表された。要点は無鑑査の廃止、審査員の公選、審査の公開等である。

「アトリエ」復刊

1946年08月

大正一三年四月創刊されて以来続いて来た美術雑誌「アトリヱ」は一時「生活美術」と改称され、その後中断されていたが今月より再び「アトリヱ」として復刊した。

国宝重美の減税運動

1946年08月

財産税の実施によつて国宝や重要美術品も課税の対象となり、個人所有のものなどは転売等によつて保存上支障を来す恐れがあるので、文部省、国宝保存会等では大蔵省、国会等に働きかけ減税をはかつたが不可能となつた。

新国宝指定

1946年07月

戦後始めての国宝保存会が二三日開催され、川越の喜多院、東京の寛永寺清水堂、浅草寺二天門など十件の建造物が国宝に指定され、八月九日発表された。

全国美術教育連盟結成

1946年07月

美術教育の検討拡充を計画して中等師範学校の美術教育関係者による全国美術教育連盟が二一日創立総会を行つた。

戦災国宝重美等の件数発表

1946年07月

文部省では国宝二九三件、重要美術品一三四件史跡名勝天然記念物四四件の罹災数を一日発表。

第一回日本美術及工芸交易振興展開催

1946年06月

輸出をめざしてわが国の美術及び工芸品の基準を確立するため第一回日本美術及工芸交易振興展覧会が東京都美術館で二八日から七月八日まで開かれた。日本美術及工芸品株式会社主催、貿易庁後援によるもので、第一部産業工芸、第二部第一類日本画、第二類洋画、水彩、版画、第三類彫刻、第四類工芸美術にわけて公開された。

早大に芸術学科新設

1946年05月

早稲田大学文学部に芸術学科が新設され、演劇、映画を主として美術音楽に関する講座を併置した。

現実会結成

1946年06月

旧プロレタリヤ美術作家同盟の作家一一名によつて東西美術文化の交流による綜合レアリズムの確立をめざして現実会が結成され、六月六日より二五日まで第一回展が東京都美術館で開催された。

水彩連盟研究所開設

1946年04月

作家相互の研究及後進指導の目的をもつて東京に水彩聯盟研究所が開設された。

法隆寺保存協議会開催

1946年05月

二六、七の両日しばらく中止していた法隆寺保存協議会が開かれ法隆寺解体復原工事について種々協議した。

国展で梅原竜三郎の作品盗まる

1946年04月

東京都美術館で開催中の第二〇回国画会展の梅原竜三郎二〇年史室に陳列されていた「雪?」が二七日朝盗まれたが、三〇日犯人の画家が検挙され作品は無事にかえつた。

火の会結成

1946年04月

日本に於ける前衛運動の集りとして、豊島与志雄、中島健蔵、村山知義猪熊弦一郎等によつて火の会が結成された。二〇日銀座実業之日本社に於て風変りな発会式を挙げて注目をあびた。

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