出光美術館(大阪)閉館

2003年03月

大阪市中央区にある出光美術館が、運営の母体である出光興産のリストラ策の一環から、3月23日をもって閉館した。同美術館は、大阪心斎橋の出光興産ビルの13階に設けられた施設で、平成元年11月に開館、これまでに72回の展覧会を開催してきた。

国宝の答申

2003年03月

文化審議会(高階秀爾会長)は、3月20日、藤原定家自選歌集「拾遺愚草」上中下、自筆本(冷泉家時雨亭文庫)を国宝にするよう、遠山敦子文部科学大臣に答申した。また、葛飾北斎筆「紙本墨画日新除魔図」(坂本安子)、鏑木清方筆「三遊亭円朝像」(東京国立近代美術館)、藤島武二筆「天平の面影」(石橋財団石橋美術館)、関根正二筆「信仰の悲しみ」(大原美術館)、小出楢重筆「Nの家族」(大原美術館)など、45件を重要文化財に指定するように答申した。あわせて近代建造物の保護を目的とした登録有形文化財(建造物)として、157件を登録するように求めた。

芸術選奨受賞者決定

2003年03月

芸術の分野で昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる芸術選奨の受賞者が、3月7日文化庁より発表された。美術関係では、彫刻家若林奮(67)(展覧会「若林奮展」)、美術史家榊原悟(54)(著作「美の架け橋-異国に遣わされた屏風たち」)が文部科学大臣賞、また建築家遠藤秀平(43)(建築「筑紫の丘斎場」)が文部科学大臣新人賞を受賞した。贈呈式は、3月13日に東京都内のホテルで行われた。

第10回VOCA賞受賞者決定

2003年02月

具象、抽象の区別なく、絵画、平面表現に取り組む40歳以下の作家を対象とした「VOCA展2003」(同展実行委員会、財団法人日本美術協会、上野の森美術館主催)の最高賞であるVOCA賞は、津上みゆきの「View,Sep―Nov,02」に決定した。奨励賞には、岩城直美、大谷有花、小野博、中ザワヒデキが選ばれた。なお展覧会は、3月14日から30日まで上野の森美術館で開催された。

文化庁予算決まる

2003年02月

平成15年度の文化庁予算は、前年度比1.9%増の133,300万円にすることが決まった。新規事業では、「文化交流使の派遣」、「ITによる国内外への発信」、「文化ボランティア活動推進事業」などが盛り込まれた。

「大日蓮展」開催

2003年01月

立教開宗750年を記念して、日蓮諸宗の寺院に伝わる美術品等によって構成された展覧会が、1月15日より東京国立博物館で開催された。内容は、「第一章 日蓮聖人とその門弟」、「第二章 法華経の美術」、「第三章 外護者と信者」、「第四章 法華文化の精粋」の4部によって構成され、160件余の美術品等が出品され、これまであまり顧みられなかったこの宗門にまつわる中世から近世にわたる美術、文化を総合的に検証する展覧となった。(会期、2月23日まで。)

「ダンス!20世紀初頭の美術と舞踏」展開催

2003年02月

バレエ・リュス、ノイエ・タンツなど、海外から紹介された新しい舞踏は、同時に新しい視覚的な身体イメージとして美術の分野にも少なからず影響を与えた。これを検証しようとする展覧会が、2月9日より栃木県立美術館で開催された。舞踏と美術の関係を顧みた企画としてユニークなものであり、内容は、「① 1910-20年代の美術家と舞踏」、「② 村山知義とニディー・インペコーフェン」、「③ 『シトゥルム木版画展覧会』と斉藤佳三の舞台美術」、「④ 久米民十郎と伊藤道郎の『鷹の井戸』」、「⑤石井漠と写真家たち」、「⑥ 1930年代-高田せい子と崔承喜」の6部によって構成され、油彩、水彩、素描、版画、写真等253点が出品されていた。(会期、3月23日まで。)

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