前方後円墳の祖型発見

1985年09月

和歌山県教育委員会は13日、和歌山市太田で、3世紀末の前方後円墳と思われる古墳を発見したと報じた。墳丘部が後世に削り取られているため確定はできないとしながらも、前方後円墳である可能性は極めて高く、学界で論争の激しい前方後円墳成立問題に重要な史料となることが予想される。

桂離宮第二の昭和大修理へ

1985年09月

昭和51年より57年まで行なわれ完了した前回の修理に続き、茶室の松琴亭、笑意軒など8棟が全面解体修理されることとなった。工期は6年、総工費4億円をかけて行なわれる。

第5回ヘンリームア大賞決定

1985年09月

彫刻の森美術館が開館10周年を記念して昭和54年に創設し、以後、具象彫刻を対象とした高村光太郎大賞と交互に隔年で実施しているヘンリー・ムア大賞の第5回受賞者が決定。大賞は該当作なし、特別優秀賞に鈴木久雄「風化儀式VI(相関体)」、太田益美「無題」、デビッド・E・ブラック「ウインドポイント」、ウンベルト・マストロヤンニ「ヒロシマ」がそれぞれ受賞。同賞展は1日より10月31日まで長野県・美ケ原高原美術館で開催された。

再興院展、二科展、70周年記念展を開催

1985年09月

大正3年に開設された再興院展、二科展が今年70周年を迎え、共に8日より25日まで東京都美術館で第70回展を開催。また日本美術院は10日から23日まで日本橋三越で「再興院展七十年の歩み展」を開催、歴代同人の作品が展観された。

石井鶴三美術館開館

1985年07月

彫刻家石井鶴三の彫刻、デッサン、絵画、写真資料を展示する美術館が、ゆかりの地長野県上田市に21日開館した。現展示室は旧市立図書館を改修したもので、近く独立した美術館を建設の予定。

サントリー地域文化賞

1985年08月

サントリー文化財団によるサントリー地域文化賞優秀賞に、岡山市の夢二郷土美術館が決定した。

敦煌保存、本格始動へ

1985年08月

昨年の国連総会で日中外相により正式な合意が為された、日中協力による敦煌美術の保存修復計画について、文化庁は61年度予算に敦煌文化財保存修復研究協力費として2000万円を計上。我国の専門家による敦煌壁画保存策定委員会の設置や、両国の専門家・研究者の派遣や招請など、事業遂行に本格的に動き出すこととなった。

モディリアーニ、初の本格的回顧展

1985年07月

エコール・ド・パリの中心的画家として活躍したアメディオ・モディリアーニの初の本格的な回顧展が、19日から9月29日まで東京竹橋の東京国立近代美術館で開催された。初期から晩年にいたる代表作から油彩約70点、水彩・素描約60点、彫刻3点の計130余点が出品され、充実した展観となった。

第10回吉田五十八賞決定

1985年07月

建築家吉田五十八の業績を記念し、建築の部と建築関連美術の部からなる同賞の、建築関連美術の部受賞者に、彫刻家清水九兵衛が選ばれた。受賞対象は大正海上火災本社中庭の彫刻「朱竜」。

石切剣箭神社宝物、大和政権史に新資料

1985年07月

東大阪市の石切劔箭神社に伝わる宝物58点を調査していた奈良国立文化財研究所は、16日、これらの宝物が4世紀古墳時代前期の古墳から出土した一括副葬品であったことを発表。殊に中国製と見られる単鳳環頭大刀柄頭は、奈良県天理市、群馬県高崎市で出土した二口と同鋳のものであることが確認され、卑弥呼が魏王から下賜された「五尺刀二口」との関連が注目されるとともに、邪馬台国問題や初期大和政権の勢力を検討する上での新資料として注目された。

裸婦大賞展(日本画)創設

1985年07月

現代日本画における裸婦表現の美に焦点をあてたユニークなコンクール展がこのほど創設された。その第1回は大賞に中島千波「形態*85-6-Nu」、優秀賞に亀山玲子「DOLL」、前本利彦「渚」、佳作賞に鳥山玲「Pandra」、内田あぐり「終生」が決定。展覧会は銀座・東京セントラル美術館(16日~28日)ほかで行なわれた。

生誕100年記念万鉄五郎展

1985年06月

我国におけるフォービスムとキュービズムの先駆者とされる大正期の洋画家万鉄五郎の生誕100年を記念する展覧会が、22日から7月21日までの神奈川県立近代美術館を皮切りに各地で開催された。同展には油彩約140点、水彩・素描約70点、文人画約20点、版画約20点のほかスケッチブックなど多数が出品された。

川端竜子賞展創設

1985年07月

和歌山市は、同市出身の川端竜子の画業をたたえると共に日本画振興のため、このほど全国公募による川端竜子賞展を創設。次年度開催の第1回展のため応募規定を発表した。

ニューヨークバークコレクション日本美術名品展

1985年05月

日本美術への関心がますます高まるアメリカで、長年日本美術蒐集に力を注いできたニューヨーク在住のメアリー・アンド・バーク夫妻のコレクション里帰り展が行なわれた。上代から近世に至る各ジャンルの作品計122点が出陳され、21日から6月30日までの東京国立博物館を皮切りに全国を巡回した。

日本芸術院院長再選

1985年06月

日本芸術院は6月25日で任期満了となる有光次郎院長の後任人事について、有光・安達健二両氏の正候補者に対し全会員による選挙を行ない、有光氏を再選した。同氏は3選目となり、任期は3年。

山元春挙展

1985年04月

明治から昭和初期にかけて京都画壇で活躍した山元春挙の画業を探る初の大規模な展覧会が、20日から5月26日まで大津の滋賀県立近代美術館で開催された。屏風多数を含む力作約80点と、下絵、写生などの諸資料が陳列され、充実した展観となった。

奈良国立博物館開館90周年

1985年04月

今年開館90周年を迎えた奈良国立博物館は、開館90周年記念特別展として「山岳信仰の遺宝」展を、28日から6月2日まで開催した。仏教とも係わりを深めながら進行した我国の山岳信仰を総合的に捉えるため、全国の代表的な霊山から工芸、彫刻、絵画、書蹟など国宝15件、重文約80件を含む約230件の美術工芸品が集められ、一堂に展観された。

第1回具象絵画ビエンナーレ

1985年04月

近年の具象絵画への関心の高まりを受け、神奈川県立近代美術館、三重県立美術館、福岡市美術館、笠間日動美術館によりこのほど「具象絵画ビエンナーレ」が組織された。第1回展は13日から5月12日までの神奈川県立近代美術館を皮切りに、全国を巡回した。

第17回現代日本美術展

1985年04月

昭和29年以来日本国際美術展と隔年で実施されてきた現代日本美術展第17回展が、24日から5月10日まで東京都美術館で開催された。それに先立つ選考委員会の審査の結果、入選作218作家219点の中から、大賞に立体の岩井俊雄「時間層Ⅱ」、佳作賞に平面の沢田英治、小本章、高原洋一、甲谷武、立体の松本秋則がそれぞれ選ばれた。

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