第8回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2013年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第8回目の受賞者が決定し、12日に発表された。個人に贈られる学術賞は保坂健二朗・東京国立近代美術館主任研究員(「フランシス・ベーコン展」に対して)、陳岡めぐみ・国立西洋美術館主任研究員(「ユベール・ロベール―時間の庭」展に対して)が、団体に贈られる文化振興賞は数多くの展覧会への助成などを行なっているポーラ美術振興財団が受賞した。 (English)

日光東照宮陽明門の修理開始

2013年07月

日光東照宮で「平成の大修理 第1期第2次事業(平成25~30年度)」の一環として、国宝・陽明門の修理が8日に始まった。彫刻や金具、建物全体の外装を塗り直す工事で、7月には牡丹の浮彫が施された東西壁面の羽目板を取り外し、その下の壁面に描かれた桐油蒔絵が現われた。同壁画は宝暦年間の修理に際し、狩野祐清が下絵を描いたもので、11月よりその一般公開を開始した。 (English)

富士山、世界遺産に決定

2013年06月

世界遺産への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は4月30日、古来より信仰・芸術の対象であった富士山(山梨県、静岡県)について、世界文化遺産への登録を勧告した。これを受けて6月22日、カンボジア、プノンペンで開催されていた第37回ユネスコ世界遺産委員会で、富士山を世界文化遺産として登録することが決定した。イコモスから富士山の一部とは見なせないとして除外の勧告を受けていた三保の松原も、委員各国から異論が相次ぎ、構成資産として登録が認められた。なお武家の古都として政府が登録を推薦していた鎌倉については、イコモスが「不登録」を勧告したため、世界遺産委員会への推薦を取り下げた。 (English)

名勝・史跡指定の答申

2013年06月

文化審議会(会長:宮田亮平)は21日、披雲閣庭園(高松市)など2件を名勝に、邪馬台国畿内説の最有力地とされる纏向遺跡(奈良県桜井市)など11件を史跡に指定、旧城山国民学校校舎など4件の長崎原爆遺跡(長崎市)を含む13件を登録記念物に登録、酒谷の坂元棚田および農山村景観(宮崎県日南市)など3件を重要文化的景観に選定するよう下村博文文部科学相に答申した。 (English)

「慶長遣欧使節関係資料」と「御堂関白記」の世界記憶遺産登録

2013年06月

国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)は18日、韓国・光州で開かれていた国際諮問委員会で、江戸時代初期にローマへ派遣された仙台藩士支倉常長に関わる「慶長遣欧使節関係資料」(仙台市博物館蔵)と平安時代中期の貴族藤原道長の日記「御堂関白記」(京都市、陽明文庫蔵)を世界記憶遺産に登録することを決定した。 (English)

「南蛮漆器:スペインに残された『日本』」展の開催

2013年06月

13日よりマドリード、スペイン国立装飾美術館で「南蛮漆器:スペインに残された『日本』」(Lacas NAMBAN:HUELLAS DE JAPÓN EN ESPAÑA)展が開催された(9月29日まで)。支倉常長を団長とする慶長遣欧使節のスペイン派遣400周年を記念した日本スペイン交流400周年事業の一つで、マドリードの王立デスカルサス修道院所蔵洋櫃をはじめ、スペイン各地に伝世する南蛮漆器を一堂に集めた展観となった。 (English)

輸出漆器の櫃、アムステルダム国立美術館が落札

2013年06月

フランスの宰相ジュール・マザランが1658年に購入した江戸時代初期の日本製櫃がフランスの民家で見つかり、9日の競売でオランダのアムステルダム国立美術館が730万ユーロ(約9億5000万円)で落札した。マザラン家が所有していた四つの櫃のうちの一つで、黒漆を総体とし、金蒔絵や螺鈿装飾を施した最高級の輸出漆器。1882年に英国の日本美術蒐集家トレバー・ローレンスの手に渡ったが、1941年以降、行方が分からなくなっていた。 (English)

ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館特別表彰

2013年06月

隔年で開催される世界最大規模の国際現代美術展ヴェネツィア・ビエンナーレの開会式と授賞式が1日、イタリアのヴェネツィアで開かれ、88か国による国別参加部門で日本館が特別表彰となった。同館は東京国立近代美術館の蔵屋美香美術課長の企画で、美術家・田中功起の個展を開催、「抽象的に話すこと・不確かなものの共有と集団行動」と題して2011年の東日本大震災をふまえた映像作品を中心に構成された。 (English)

第38回中原悌二郎賞受賞者決定

2013年05月

日本の彫刻界の発展に貢献する目的で創設された中原悌二郎賞(主催:北海道旭川市・同市教育委員会)の選考が18日に行なわれ、第38回目の受賞作が植松奎二の「截接―軸・経度・緯度」に決定した。 (English)

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2013年05月

文化審議会(会長:宮田亮平)は17日、東日本を代表する中世の密教寺院である鑁阿寺本堂(栃木県足利市)を国宝に、旧加賀藩主が昭和初期に建設した旧前田家本邸(東京都目黒区)など建造物9件を重要文化財に、また島根県津和野町の津和野地区、岡山県津山市の城東地区の2地区を重要伝統的建造物群保存地区にするよう、下村博文文部科学相に答申した。一方、2012年に全焼した金山寺本堂(岡山市)の重要文化財指定を解除することも求めた。 (English)

平成25年度文化庁予算決定

2013年05月

平成25年度予算案が15日、成立した。文化庁予算は1033億4200万円となり前年度より0.14%、1億4200万円の増額となった。Ⅰ.豊かな文化芸術の創造と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.我が国の多彩な文化芸術の発信と国際文化交流の推進、の3つを柱とし、とくにⅠで「大学を活用した文化芸術推進事業」に4億5000万円、Ⅱで「文化財建造物等を活用した地域活性化事業」に17億円、「地域の特性を活かした史跡等総合活用支援推進事業」に32億円、「地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業」に10億1000万円、「文化遺産を活かした地域活性化事業」に33億8400万円が新規に計上された。 (English)

国立近現代建築資料館開館

2013年05月

戦前・戦後の日本建築に関する資料を収集・保存する国立近現代建築資料館が東京・湯島に開館した。同館は文化庁直属の機関で、建築家の安藤忠雄が名誉館長に就任。同館は展示や普及活動も行ない、開館記念特別企画展示として「建築資料にみる東京オリンピック 1964年国立代々木競技場から2020年新国立競技場へ」(5月8日~6月14日)が開催、丹下健三設計の国立代々木競技場の図面等が展示された。 (English)

読売あをによし賞受賞者決定

2013年05月

保存科学・修復の現場で優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する読売あをによし賞(主催:読売新聞社、特別協力:文化財保存修復学会)の第7回目の受賞者として、本賞に織田信長にも重用された石工集団「穴太衆」の伝統を受け継ぎ、城郭石垣修理に取り組む粟田純司、奨励賞に文化財の表装の金襴などに使う金銀糸を製作する鳥原雄治、特別賞に文化財の維持に関する助成事業を行なう住友財団(理事長:住友吉左衛門)が決定した。 (English)

「フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展」の開催

2013年04月

24日より国立新美術館で「フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展」が開催された(7月15日まで)。フランス国立クリュニー中世美術館が所蔵する中世末期のタピスリー「貴婦人と一角獣」6面を中心とする展観で、同館の展示環境の全面改修を機に館外へ貸し出し、日本での初公開となったもの。同展は国立国際美術館(7月27日~10月20日)に巡回した。 (English)

「特別展覧会 狩野山楽・山雪」の開催

2013年03月

30日より京都国立博物館で「特別展覧会 狩野山楽・山雪」が開催された(5月12日まで)。京狩野の初代山楽、二代山雪の生涯と画業を、在外作品3件を含む83件の作品でたどるもので、二代にわたり狩野永徳の豪壮華麗な画風を継承しつつ、更に濃厚な独自の画風を確立していく過程が丹念な調査研究をふまえて示された。 (English)

「夏目漱石の美術世界」展の開催

2013年03月

26日より広島県立美術館で「夏目漱石の美術世界」展が開催された(5月6日まで)。文豪夏目漱石の文学作品や美術批評に登場する美術家の作品を集め、その美術世界を読み解こうとする試みで、ラファエル前派や近代日本美術の作品、漱石と交遊をもった美術家による装丁や挿画、さらに漱石自筆の文人画などが展示された。同展は東京藝術大学大学美術館(5月14日~7月7日)、静岡県立美術館(7月13日~8月25日)に巡回した。 (English)

第32回土門拳賞受賞者決定

2013年03月

前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第32回受賞者が20日、亀山亮に決定した。受賞対象は写真集『AFRIKA WAR JOURNAL』(リトルモア)で、アフリカ各地の紛争地域で底辺にあえぐ人々の苦悩に肉薄し、フォトドキュメンタリーの新たな方向性が高く評価された。 (English)

日本芸術院賞受賞者決定

2013年03月

日本芸術院(院長:三浦朱門)は19日、2012年度の芸術院賞受賞者を発表した。第一部(美術)で槇文彦(建築、「名古屋大学豊田講堂」の設計に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、同部門で能島和明(日本画、日展出品作「鐘巻(黒川能)」に対して)、佐藤哲(洋画、日展出品作「夏の終わりに」に対して)、寺池静人(工芸、日展出品作「富貴想」に対して)が日本芸術院賞を受賞した。 (English)

伊東豊雄のプリツカー賞受賞

2013年03月

建築界のノーベル賞といわれ、優れた建築家に毎年贈られるプリツカー賞受賞者に伊東豊雄が選ばれたことを、主催団体の米ハイアット財団が17日発表した。仙台市の「せんだいメディアテーク」等を通して建築の可能性を広げようとしたことや、作品の精神性、詩的な広がりが評価された。 (English)

芸術選奨文部大臣賞受賞者決定

2013年03月

文化庁は12日、2012年度の芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表した。芸術選奨文部科学大臣賞美術部門では美術家の川俣正(「川俣正Expand BankART」展などに対して)、奈良美智(「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」展に対して)、評論等部門では美術史家・武蔵野美術大学教授の玉蟲敏子(『俵屋宗達―金銀の〈かざり〉の系譜』に対して)、メディア芸術部門ではCGアーティストの河口洋一郎(「河口洋一郎特別展」に対して)が受賞。同新人賞美術部門では写真家の川内倫子(「川内倫子展 照度 あめつち 影を見る)に対して)、評論等部門では比較美術史研究者の清水恵美子(『岡倉天心の比較文化史的研究―ボストンでの活動と芸術思想』に対して)、メディア芸術部門ではアニメーション監督の沖浦啓之(「ももへの手紙」に対して)が受賞した。 (English)

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