- 本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された彙報・年史記事を網羅したものです。
- 現在、2019年/平成31(令和元)年まで公開しています。(記事件数
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1992年02月 東西ドイツ統一を記念して、旧西ドイツのベルリン東洋美術館の所蔵品に、旧東ドイツのベルガモン美術館所蔵の東洋美術品を加え、日本・中国の美術品約170点を展示する「ベルリン東洋美術館名品展」が、東京都庭園美術館で12日から開催された(~2.17)。中国殷代の青銅器から明・清の絵画・陶器、日本の鎌倉期から近代までの絵画が出品され、ヨーロッパでも有数の充実した東洋美術コレクションの一端が紹介された。同展は福岡市博物館(2.23~3.29)、名古屋市博物館(4.18~5.31)、京都国立博物館(6.30~8.2)、横浜美術館(8.11~9.23)を巡回した。
1992年01月 若手具象作家の育成を目的とする安井賞の35回目の受賞者が17日に決定し、安井賞には奥山民枝「山夢」、佳作賞には星憲司「Layer 91038」が選ばれた。第35回安井賞展は3月6日から4月5日まで東京のセゾン美術館で開かれた後、尼崎市、いわき市、尾道市、帯広市を巡回した。
1992年01月 戦後、書が造形美術を志向して行なった前衛的な試みを、書を強く意識したアンフォルメルの動きや長谷川三郎、菅井汲らの同時代作家の作品の中で検証しようとする「書と絵画の熱き時代・1945-1969」展が、25日から東京のO美術館で開催された(~2.26)。明治期に書画分離がなされ、美術の枠から疎外された書の近代の足跡を示し、現代に問題を提起する好企画となった。
1992年02月 昨年英国で行なわれた「ジャパン・フェスティヴァル1991」の企画のひとつ「JAPAN AND BRITAIN:AN AESTHETIC DIALOGUE 1850-1930」展の日本巡回展が8日から世田谷美術館で行なわれた(~3.22)。日英の美術交流を、建築、舞台美術を含む約400点の作品、資料でたどり、学術的にも内容の濃い展観となった。
1992年01月 インドの仏教遺跡アジャンタとエローラの壁画を保存するため、日本が海外経済協力基金(OECF)を通じて円借款を供与することとなり、10日にアスラニ駐日インド大使と西垣OECF総裁が東京で借款契約に調印。今年度分として37億4500万円が供与される予定で、交通網を含めた基盤整備への協力も予定されている。
1992年01月 1900年から1945年までの日本美術を「表現の影としての『趣味』」「アール・ヌーヴォーと浪漫主義」「装飾とエロティシズム」の3部構成で展観し、外来の美術様式と「日本的なるもの」との相関を検証しようとする「日本の眼と空間Ⅱ」展が2日から東京のセゾン美術館で開かれた(~1.27)。昨年の同題の企画に続くもので、工芸、建築を含む約80作家300余点が出品されて興味深い展観となった。
1992年01月 第33回毎日芸術賞受賞者4氏1団体が1日発表された。美術関係では「画業50年工藤甲人展」により日本画家の工藤甲人、「八代市立博物館・未来の森ミュージアム設計」により建築家伊藤豊雄、「大平山涛書展」により書家大平山涛が選ばれた。
1992年01月 平成3年度の朝日賞6件が1日発表され、美術関係では「大規模遺跡の調査発掘法と考古学における学際・国際研究の推進」により大阪文化財センター理事長の坪井清足が選ばれた。