北海道立近代美術館開館

1977年07月

昭和48年に建設準備室が設けられ進められてきた北海道立近代美術館(札幌市)が、7月21日開館した。開館記念として、西ドイツ、ミュンヘン市の協力により<世紀末から青騎士へ・ミュンヘン近代美術展>が開催された。

美術家の芥川賞受賞

1977年07月

第77回芥川賞選考委員会は、14日同賞の1人に版画家池田満寿夫の「エーゲ海に捧ぐ」(「野性時代」1月号)を選出し、版画家の芥川賞受賞ということで話題をまいた。

戦争画の公開

1977年07月

永久貸与の形でアメリカから一括返還され、東京国立近代美術館に保管されていた戦争画153点は、昨年度までに補修が完了し、展示可能な約50点が、9日から同館において随時、分割展示されることとなった。

素朴な画家たち展

1977年07月

ヨーロッパとアメリカ七カ国、32人の画家たちによる「素朴な画家たち」展が7月9日から8月28日まで東京国立近代美術館で開催され(主催/東京国立近代美術館、朝日新聞社)、アンリ・ルソーらの名作139点が展示された。また、同展は引き続き大阪市立美術館でも開催された。

彫刻の森美術館大賞

1977年06月

第3回彫刻の森美術館大賞展(6月5日~11月30日)の大賞は、清水九兵衛「アフィニティの継続」に決定、授賞式は6月4日、同館において行なわれた。

高台寺傘亭、時雨亭修理完了

1977年05月

老朽化と白蟻の被害のため、昭和51年秋から修理が行われていた京都市高台寺の重文・茶室傘亭・時雨亭は、このほど修理が完了した。

「アートクラブ」解散

1977年05月

昭和28年(1953)に国際アートクラブ日本支部(通称アートクラブ、会長岡本太郎)として発足、現代的意義ある芸術の発展をめざして多彩な会員を擁し、「世界・今日の美術展」(昭和31年)の開催などの活動をおこなってきたアートクラブは、昭和40年以降ほとんど活動を停止していたが、このたび解散を決定した。

観音菩薩展

1977年04月

奈良国立博物館は、飛鳥時代以来、ひろくわが国民に親しまれてきた観音信仰を代表する観音菩薩の彫刻、絵画162点を、29日から5月29日まで展観した。

第13回現代日本美術展

1977年04月

第13回現代日本美術展(毎日新聞社、日本国際美術振興会主催)が28日東京都美術館で開幕された。受賞は事前に銓衡発表されたが、大賞は市川治之「PRESS AND PRESSED I」に決定、その他の各美術館賞もそれぞれ選出された。

大徳寺聚光院茶室の解体修理完了

1977年04月

老朽化のため、昭和50年4月から解体修理が行われていた京都市大徳寺聚光院の茶室(重文)は2年ぶりに修理が完了し、16日落慶法要が営まれた。

長岡京発掘

1977年04月

京都市埋蔵文化財研究所が京都市伏見区で行っていた長岡京発掘調査は16日終了、三条大路並に周辺の屋敷群址を発見した。

パリで唐招提寺展

1977年04月

6日から5月22日までパリのプチ・パレ美術館で文化庁、外務省、国際交流基金主催の「唐招提寺展」が開かれることになり、国宝鑑真和上像、仏像九体(重文)など国宝・重文16点、東山魁夷の大障壁画28面が出品された。

文化財の新指定

1977年03月

今回指定された物件は、京都市来迎院蔵日本霊異記2帖、大和郡山市額安寺蔵額田寺伽藍並条里図が国宝に指定されたほか、美術工芸部門では重要文化財に絵画26件、彫刻7件、工芸品17件、書籍・典籍17件、古文書11件、考古資料7件、歴史資料2件、建造物部門では重要文化財に民家4件、洋風建築4件、社寺建築その他7件がそれぞれ指定され、重要伝統的建造物群保存地区に2個所が選定された。

美術院が吉川英治文化賞受賞

1977年03月

財団法人美術院(京都国立博物館内)は、長年にわたる仏像修理の功績によって第十一回吉川英治文化賞を受賞した。

第20回安井賞きまる

1977年03月

第20回安井賞に横尾茂「里のひろみとうちのはあちゃん」が選ばれた。受賞者は「水墨はいつも理想の表現として頭にある。それを油絵でどこまで出せるかが私の課題です」と述べていて、日本的美術スタイルを踏襲、活用した作品が多い。

第11回仏教伝道文化賞

1977年03月

仏教伝道文化に貢献した人たちに贈られる仏教伝道文化賞の贈呈式が、26日港区芝の仏教伝道センタービルで行われた。美術関係では日本画家平山郁夫が選ばれた。

重要無形文化財保持者(人間国宝)認定

1977年03月

文化財保護審議会(田中義男会長)は、25日重要無形文化財(人間国宝)5人を認定し、海部文部大臣に答申した。また「輪島塗」を重要無形文化財の総合指定とし、昨年から補助金を出して奨励している文化財保存技術をもつ9人1団体を認定した。認定者はつぎの通り。近藤悠三(染付)(ざくろ、梅花、山水などのモチーフを、絵画的な筆致と濃淡の諧調によって表す技法で、現代の陶芸界にあって全く独自の境地を示す)。香取正彦(梵鐘)(比叡山延暦寺阿弥陀堂の梵鐘、池上本門寺梵鐘、広島市原爆記念日使用の「平和の鐘」などの製作者。古鐘を調査研究し、これに基づいて80余の優れた梵鐘を制作している)。関谷四郎(鍛金)(金属を鉄床等の上に置いて金槌、木槌で打ちながら成形してゆく手法の名手で、至難な接ぎ合せにすぐれている)。

日本の山水画展

1977年03月

東京国立博物館は、朝日新聞社と共催で、「国華」刊行1000号を記念して、平安時代から江戸時代後期に至る山水画の名品60点を、19日から5月5日まで展示した。

第33回(昭和51年度)日本芸術院賞

1977年03月

今年度日本芸術院賞と恩賜賞が17日決まった。美術関係受賞者はつぎの通り。恩賜賞―第1部美術・伊藤清永(洋画)第8回日展出品作「曙光」に対し。日本芸術院賞―加藤東一(日本画)「女人」(51年度日展出品作)に対して。淀井敏夫(彫塑)「ローマの公園」(51年二科展出品作)に対して。以上の受賞者は総会の承認を得て正式決定となり、受賞式は6月上旬東京上野の同院で、天皇陛下臨席のもとに行われる。なお受賞者には50万円の賞金と賞状、賞牌が贈られ、恩賜賞にはさらに陛下から花びんが贈られる。

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