国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2017年10月

文化審議会は20日、真宗高田派の本山寺院・専修寺(三重県津市)の御影堂と如来堂を国宝に、明治期の和風裁判所建築である旧松本区裁判所庁舎(長野県松本市)等建造物7件を重要文化財に指定するよう林芳正文部科学相に答申した。また景勝地である鞆の浦(広島県福山市)の港町等2地区を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。

文化勲章受章者、文化功労者決定

2017年10月

政府は24日、2017年度の文化勲章受章者5名と文化功労者15名を決定した。美術関係では、洋画家の奥谷博が文化勲章受章者に、彫刻家の雨宮敬子、写真家の杉本博司が文化功労者に選ばれた。

第29回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2017年11月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第29回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は『天皇の美術史6 近代皇室イメージの創出 明治・大正時代』を著した塩谷純(東京文化財研究所文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長)、増野恵子(早稲田大学非常勤講師)、恵美千鶴子(東京国立博物館百五十年史編纂室長)が共同受賞、美術評論部門は「蜘蛛の糸」展の企画およびカタログ中の論文を担当した都筑正敏(豊田市美術館学芸担当長)が選ばれた。

第39回サントリー学芸賞受賞者決定

2017年11月

第39回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)が9日に発表、美術関係では芸術・文学部門で加藤耕一(東京大学准教授)の『時がつくる建築』、金子遊(批評家、映像作家)の『映像の境域』が受賞した。

名勝・史跡指定の答申

2017年11月

文化審議会は17日、犬山城跡(愛知県犬山市)等10件を史跡に、仙台藩上級家臣の邸宅に築かれた煙雲館庭園(宮城県気仙沼市)等2件を名称に指定、穂積橋(愛媛県宇和島市)等2件を登録記念物に登録、葛飾柴又の文化的景観(東京都葛飾区)等3件を重要文化的景観に選定するよう林芳正文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、昭和初期の大規模旅館建築である花巻温泉旧松雲閣別館(岩手県花巻市)等188件の建造物を登録することも求めた。

日本芸術院新会員決定

2017年11月

日本芸術院(院長:黒井千次)は30日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに8名を同院新会員に選出したと発表、美術関係では日本画の西田俊英、洋画の根岸右司、建築の磯崎新が選ばれた。12月15日付で林芳正文部科学相により発令された。

日本イコモス賞2017・日本イコモス奨励賞2017受賞者決定

2017年12月

建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物と歴史風土の保存、保全、活用の振興を図る日本イコモス賞2017・日本イコモス奨励賞2017の受賞者が2日に発表され、信州縄文時代黒曜石鉱山の調査研究・保存普及・体験学習に関する系統的展開活動を行った大竹幸恵(長野県長和町教育委員会教育課長補佐・文化財係長、黒曜石体験ミュージアム学芸員)が日本イコモス賞2017に、歴史的建造物の保存活用に構造設計家として貢献した冨永善啓(株式会社文化財構造計画所長)が日本イコモス奨励賞2017に選ばれた。

VOCA賞受賞者決定

2017年12月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「our crazy red dots」を制作した碓井ゆいに決定したことが11日に発表された。VOCA奨励賞は藤井俊治「快楽の薄膜」と山田七菜子「磯」、佳作賞は梅沢和木「すべてを死るのも」と森本愛子「唐草文様」、大原美術館賞は浦川大志「風景と幽霊」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2018は2018年3月15日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

第29回國華賞受賞者決定

2017年10月

日本・東洋美術に関する優れた研究を対象とする第29回國華賞は小林宏光の著書『中国版画史論』(2017年)に、國華展覧会図録賞は山本英男による『海北友松』展図録(京都国立博物館、2017年)に贈られることが決定した。

第12回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2017年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第12回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は塚田美紀・世田谷美術館主任学芸員(「アルバレス・ブラボ写真展―メキシコ、静かなる光と時」に対して)、本橋弥生・国立新美術館主任研究員(「ミュシャ展」に対して)が、団体に贈られる文化振興賞はINAXライブミュージアム10周年特別展「つくるガウディ」を開催したLIXILが受賞した。

「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」、世界遺産に決定

2017年07月

世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月、日本政府が推薦していた「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)について、沖ノ島及び周辺の岩礁以外の構成資産を除いて世界遺産一覧表への登録を勧告した。7月9日、ポーランドのクラクフで開催されたユネスコの世界遺産委員会では、諮問機関の勧告を覆し、全ての構成資産を文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。

「怖い絵展」の開催

2017年07月

22日より兵庫県立美術館で「怖い絵展」が開催された(9月18日まで)。ドイツ文学者中野京子による美術書で、ベストセラーとなった『怖い絵』(2007年刊)の刊行10周年を記念して開催。「恐怖」に焦点をあてつつ、現代の感性だけでは触れることのできない西洋絵画の主題やコンテクスト、一枚一枚の作品が内包する様々な意味を読み解く展示が観客の好奇心を刺激し、評判を呼んだ。同展は上野の森美術館(東京都台東区)に巡回した(10月7日~12月17日)。

登録有形文化財登録の答申

2017年07月

文化審議会は21日、建築家黒川紀章の初期の代表作である寒河江市役所庁舎(山形県寒河江市)や、鐘塔を戴く昭和初期の木造教会堂である日本聖公会中部教区飯山復活教会(長野県飯山市)等、244件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう松野博一文部科学相に答申した。

富山県美術館開館

2017年08月

富山県富山市に26日、富山県美術館が全面開館した。1981年に開館した富山県立近代美術館(2016年12月閉館)の老朽化に伴い移転新築し、2017年3月25日に一部開館、4月29日に屋上庭園の開園を経て全面開館となったもの。冨岩運河環水公園の一角に位置し、地上三階建てで敷地面積は12,500㎡、内藤廣の設計による。「アートとデザインをつなぐ美術館」を基本方針に掲げた体験型の美術館を目指す。開館記念展として「生命と美の物語 LIFE―楽園をもとめて」展(8月26日~11月5日)、「素材と対話するアートとデザイン」(11月16日~2018年1月8日)が開催された。

全国美術館会議「美術館の原則と美術館関係者の行動指針」の掲載

2017年09月

国公私立約380館が加盟する全国美術館会議(会長:建畠晢)が10日、「美術館の原則と美術館関係者の行動指針」を同会議のウェブサイト上に掲載した。美術館を取り巻く社会情勢が厳しく、様々な問題、課題が降りかかっている状況にあって、美術館の基本的なあり方と美術関係者の拠るべき基準を掲げたもので、11の原則と行動指針からなる。同会の美術館運営制度研究部会で約5年にわたり検討作業を行い、2017年5月の全国美術館会議総会で採択されたもの。

第29回世界文化賞受賞者決定

2017年09月

世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第29回受賞者が12日発表された。美術関係では、絵画部門で写真、ビデオ・インスタレーション、映画で現代イスラム社会における女性のあり方を詩的かつ刺激的に描写してきたニューヨーク在住のイラン人女性映像作家シリン・ネシャット、彫刻部門で廃材の金属意ボトルキャップを銅線で編み上げた巨大な「メタル・タペストリー」等で知られ、ナイジェリアを拠点に活躍するガーナの彫刻家エル・アナツイ、建築部門で土地の歴史的背景を重視しながら、環境と調和させて都市空間に溶け込む建築物をデザインするスペインの建築家ラファエル・モネオが受賞した。

雪舟作品、84年ぶりの発見

2017年09月

室町時代の水墨画家、雪舟が描き、所在不明になっていた「倣夏珪山水図」が84年ぶりに見つかったと、山口県立美術館が19日に東京都内で発表した。雪舟が中国の画家に倣った団扇形倣古図12点のうちの1点で、1933年に西日本鉄道の前身である九州電気軌道が売立に出した際の目録に掲載された後、行方が分からなくなっていた。同作品は、山口県立美術館で開催された「雪舟発見!展」(10月31日~12月10日)で公開された。

「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」の開催

2017年09月

26日より東京国立博物館で「興福寺中金堂再建記念特別展 運慶」が開催された(11月26日まで)。仏師の運慶が20代半ば頃に造ったとみられる円成寺大日如来坐像から、晩年の作である光明院大威徳明王坐像まで一堂に集め、さらに父の康慶、息子の湛慶や康弁ら親子三代にわたる作品を通じて、運慶が独自の作風を生むに至った経緯とその後の継承をたどったもの。青年期の運慶が活動拠点とした興福寺の中金堂再建を記念する展覧会でもあった。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2017年05月

文化審議会は19日、戦前の木造モダニズム建築の代表作とされる聴竹居(京都府大山崎町)や四国八十八ヵ所霊場札所の白峯寺(香川県坂出市)等、10件の建造物を重要文化財に指定するよう松野博一文部科学相に答申した。また養蚕の発展とともに成立した木造3階建て農家が残る兵庫県養父市の大屋町大杉地区を重要伝統的建造物群保存地区に選定することも答申した。

「北斎 大波の彼方へ」展の開催

2017年05月

25日より英国ロンドンの大英博物館で「北斎 大波の彼方へ(Hokusai:beyond the Great Wave)」展が開催された(8月13日まで)。浮世絵師葛飾北斎の60歳から没する90歳に至るまでの30年間の作品に焦点を当て、英国初公開となる祭屋台天井絵「濤図」(北斎館蔵)等、肉筆画を含む約160点を展示した。同展は国際共同プロジェクトとして日本にも巡回、大阪のあべのハルカス美術館で「北斎 富士を超えて」展として開催された(10月6日~11月19日)。

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