「日本の美術-よみがえる1964年」展開催

1996年01月

東京オリンピックが開かれ、東海道新幹線、東名高速道路開通など、高度成長期の象徴的なできごとが起きた1964年の美術を振り返る「日本の美術-よみがえる1964年」展が31日から東京都現代美術館で開催された。従来は1950年代、60年代と10年単位でとらえられてきた現代美術の動きを、一年間に注目することで検証する新たな視点の企画となった(~3月24日)。6月には50年代のなかでも特に顕著な出来事のなかった年にあえて光を当てる「1953年ライトアップ」展が目黒区美術館で開催され(8日~7月21日)、単年に注目する展観が相次いだ。

守口市立現代南画美術館開館

1996年02月

日本南画院所属の24作家の作品寄贈を契機に建設が具体化された大阪府守口市の市立現代南画美術館(守口市大宮通1-13-29)が1日開館した。鉄筋コンクリート二階建て、延べ床面積729平方メートルで展示室のほか資料室などを備え、南画を主要な対象とする特色ある美術館として注目される。 

「文化財建造物等の地震時における安全性確保に関する指針」提示

1996年01月

文化庁文化財保護部は阪神・淡路大震災の文化財(建造物)の地震による被害に鑑み、学識者の協力を得て「文化財建造物等の耐震性能の向上に関する調査研究協力者会議」を組織し、対策を検討してきたが、17日付け文化庁文化財保護部長通知「文化財建造物等の地震時における安全性確保について」に対して「文化財建造物等の地震時における安全性確保に関する指針」を各都道府県教育委員会宛に送付した。文化財建造物の修理・補強のみならず、日常の維持管理、環境整備、防災施設の充実、災害時の対応などについて具体的な指針を打ち出し、大規模災害から文化財を護る方向性を示した。

森洋子、ベルギーのウジェーヌベェ国際賞受賞

1996年01月

5年に一度、外国人を対象に贈られるベルギーのウジェーヌ・ベェ国際賞の受賞者に明治大学教授の森洋子が選ばれた。著作『ブリューゲルの全作品』など、長年のブリューゲル研究における業績が受賞対象となった。

オルセー美術館展開催

1996年01月

フランスの近代美術作品を数多く所蔵するパリのオルセー美術館の優品180余点を展観する「モデルニテ-パリ・近代の誕生 オルセー美術館展」が14日から国立西洋美術館で開催された(~3月31日)。自然の呼び声、リアリスムとオリエンタリスム、近代都市、芸術と産業、アール・ヌーヴォー、セザンヌからナビ派へ、の6セクションで構成され、美術に反映された近代性を探る充実した展観となった。

毎日芸術賞受賞者決定

1996年01月

優れた芸術活動をした個人・団体を顕彰する毎日芸術賞の1995年度の受賞者は3氏2団体に贈られることとなった。美術関係では陶芸家深見陶治(青白磁による造形「京都の美術 昨日・きょう・明日 16」展に対して)、写真家江成常夫(「まぼろし国・満州」「記憶の光景・十人のヒロシマ」の写真展と出版に対して)が受賞した。贈呈式は12日、如水会館で行われた。

1995年度朝日賞受賞者決定

1996年01月

わが国の文化・社会の発展に多大な貢献をした個人・団体に贈られる朝日賞受賞者を選ぶ財団法人朝日新聞文化財団(理事長・中江利忠朝日新聞社長)の選考委員会は、1995年度の受賞者6件7氏を決定した。美術関係では画家の故丸木位里・俊夫妻が「原爆、戦争、公害などをテーマに描き続けた長年の画業」によって受賞。贈呈式は22日、朝日新聞社東京本社で行われた。これで第1回以来の同賞受賞者は361人と24団体となった。

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