通称“永仁の壷”の偽作問題起る

記事番号:02239
年月:1960年10月

先に指定取消の要望書が提出された問題の瀬戸飴釉永仁銘瓶子について、陶芸家加藤嶺男は8月23日自作である旨を声明した。然し、この発言には疑問多く、問題の鍵を握るのは父唐九郎とみられていたが、在仏中の加藤唐九郎は9月29日、壼は唐九郎自身の製作であると発表、更に松留窯発掘は架空のことであると述べたため、真偽をめぐつて大きな問題となつた。文化財保護委員会も新に調査班を組織し、独自の立場から、古瀬戸全般にわたつて一層綿密な調査を行うこととなり、新に、X線や磁気測定その他による科学的研究を採用し、真相究明にのりだすこととなつた。

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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