第18回オリンピック東京大会の美術部門

記事番号:02549
年月:1964年10月

オリンピック東京大会(10日~24日)の運動競技に対して芸術展示も憲章に基づき正規のプログラムに編入されたので、東京国立博物館では、古代から江戸時代に至る「日本古美術展」(1日~11月10日)を、国立近代美術館では、明治以降現在に至る「近代日本の名作展」(1日~11月8日)を開催した。前者では、考古・彫刻・工芸・建築・絵画書跡の5部門にわたるわが古美術の代表作877点を集めた画期的な展観をなし、後者では、近代日本の美術において、重要な役割を果した作家の、最高の作品をよりすぐつて、日本画・油絵・彫刻・工芸の各ジャンルから合計146作家191点を展示した。 なお、この期間に毎日新聞社や日本経済新聞社が協賛して、各百貨店を会場に次のような大美術展を華々しく開催した。 △肉筆浮世絵名作家=室町後期の風俗図屏風から幕末までの各代表作家の代表作100余点(新宿・伊勢丹、6日-18日) △浮世絵版画平木コレクション=リッカーミシン社長平木信二のコレクションで重要文化財指定作品200点、その他。(東京・松坂屋、13日-25日) △加藤唐九郎陶芸展=障壁画の大作から古瀬戸・織部・黄瀬戸・志野・茶器・花器・酒器・食器など200余点。(新宿・伊勢丹、21日-11月3日) △浮世絵・風俗画名作展=ロンドン大英博物館、シカゴ美術館、ボストン美術館など海外からの協力出品を得て浮世絵327点、風俗画8点。(日本橋・白木屋、9日-21日、日本浮世絵協会・日本経済新聞社主催) △東洋古美術展=サールナートの「初転法輪仏坐像」など中国、インド、パキスタンなどの古美術70余点の展示。(日本橋・高島屋、20日-11月1日)

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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