日本芸術院賞決定

1990年03月

日本芸術院(有光次郎院長)は26日、平成元年度の第46回日本芸術院賞受賞者14名を内定、うち女性は4名が受賞し、単年度の女性受賞者としては過去最高となった。 第1部美術では、恩賜賞に日本画家郷倉和子(平成元年院展出品作「静日」に対して)、日本芸術院賞に洋画家鶴岡義雄(平成元年二科展出品作「舞妓と見習いさん」に対して)、彫塑の雨宮敬子(平成元年日展出品作「想秋」に対して)、人形の奥田小由女(平成元年日展出品作「炎心」に対して)、建築家阪田誠造(東京サレジオ学園ドンボスコ記念聖堂および小聖堂に対して)が、それぞれ選ばれた。授賞式は6月4日、東京上野の日本芸術院で行なわれた。

サントリーグランヴィルコレクションポスター名品展

1990年03月

イギリスのフィリップ・グランヴィルが30年近くをかけて収集した世界中のポスター約3800点は、ポスター美術の歴史を包括するコレクションとして知られている。その散逸を惜しむグランヴィルの要請を受けて、昨年同コレクションを購入したサントリー株式会社は、17日から4月15日まで同美術館でその名品展を開催し、一般に公開した。

ブリューゲルとネーデルランド風景画展

1990年03月

プラハ国立美術館が所蔵する、ブリューゲルを中心とする16世紀ネーデルランドの風景画58点を出陳する展覧会が、20日から5月27日まで国立西洋美術館で開催された。同展は、ひき続き京都国立近代美術館で開催された。

朝日新聞、シカゴ美術館に15万ドル寄付

1990年02月

朝日新聞社は、東洋美術のギャラリー建設計画を進めるシカゴ美術館に15万ドルを寄付した。目標の400万ドルを達成した同美術館は、1500㎡のギャラリー建設にとりかかり、1991年夏に完成予定。

写真の企画展相次ぐ

1990年03月

写真が誕生して150年にあたる今年、大規模な写真の企画展が相次いだ。その主要なものとして、セゾン美術館「表現としての写真・150年の歴史」(3月3日~4月1日)、東京国立近代美術館「写真の過去と現在」(9月26日~11月11日)、京都国立近代美術館「今日の写真表現」(9月23日~11月11日)、新たに開館した東京都写真美術館「東京-都市の視線」(6月1日~7月10日)、山口県立美術館「戦後写真・再生と展開展」(7月20日~8月26日)、水戸芸術館「現代写真の動向・脱走する写真」(7月14日~8月26日)などが開催された。

川上冬崖とその周辺展

1990年02月

日本洋画の先駆者のひとり川上冬崖の作品とその周辺作家の作品約120点を集めた展覧会が、24日から3月25日まで長野県信濃美術館で開催された。作品は冬崖の南画約20点、交流のあった作家の日本画約50点、冬崖を中心とする洋画約50点が出品され、日本の初期洋画の時代相を示す展覧会となった。

企業メセナ協議会発足

1990年02月

民間企業による芸術文化活動支援団体「企業メセナ協議会」が、14日正式に発足した。メセナはフランス語で文化芸術擁護の意味。フランスのアドミカル、イギリスのアブサなどの民間文化支援団体を参考に作られ、会員は年会費一口25万円、準会員一口12万円とし、会長に昭和電工名誉会長鈴木治雄、実務総括の理事長に資生堂社長福原義春が就任。事務所は有楽町マリオン13F朝日記念会館内に置かれた。今後、芸術家・文化団体と企業の橋渡し、シンポジウムなどの啓蒙普及事業などを行ない、国にも税制優遇措置を働きかけていく。

平成元年度芸術選奨

1990年02月

第40回の芸術選奨受賞者が、22日文化庁から発表された。美術関係では、文部大臣賞に彫刻家建畠覚造(合成の積層を成形した抽象彫刻「Waving Figure」で独自の世界を示した)、陶芸家藤原雄(個展「備前一千年、そして今-藤原雄の世界」などの作品で、備前焼の伝統を継承しながら、現代的な表現を追求した)、文部大臣新人賞で写真家野町和嘉(写真集『The NILE』でアフリカ大陸の人間の営みをとらえたほか、長征の全行程を追う業績をあげた)が、それぞれ選ばれた。授賞式は3月22日、東京上野の日本芸術院会館で行なわれた。

文化財の新指定(建造物)

1990年02月

文化財保護審議会(斉藤正会長)は23日、建造物関係の重要文化財として秋田市の天徳寺、同市佐竹家霊屋など10件22棟を新たに指定するよう、石橋文相に答申した。これで建造物関係の重要文化財は、2049件3335棟となった。

「18世紀の日本美術」展

1990年02月

18世紀の日本美術の多彩な様相を、上方と江戸という二大都市文化圏の視点から立体的に捉えようとする「18世紀の日本美術」展が、6日から3月11日まで京都国立博物館で開催された。絵画、工芸品を通して二大文化圏の文化思想をヴィジュアル化する試みは、美術と文化の総合的理解として新鮮な視点を提示した。

第33回安井賞決定

1990年02月

具象絵画の登龍門安井賞の第33回受賞者が、11日発表され、安井賞に北久美子「夢想植物園…Y」、佳作賞に智内兄助「桜狩遊楽図1」が決定した。推薦応募数215人357点から選ばれた入賞、入選作57点による安井賞展は、3月3日から4月1日まで東京池袋のセゾン美術館で開催され、その後各地を巡回した。

トヨタ、愛知県に20億円寄付

1990年01月

美術館や演劇、コンサートホールなどを備えた、総合的な文化施設をめざす愛知県新文化会館の建設計画が進められているが、トヨタ自動車は、計画を進める愛知県に「美術館絵画購入資金」として20億円を寄付した。これで同県の「美術品等取得基金」は原資ベースで66億5千万円となった。同文化会館は平成4年秋に開館予定。

沖縄県初の公立美術館開館

1990年02月

琉球王朝時代、政治、経済、文化の中心として栄えた沖縄県浦添市に、1日、沖縄県で初の公立美術館として浦添市美術館(浦添市字仲間1330)が開館した。琉球建築をとり入れた外観を持つ同芸術館は、約300点の琉球漆器に加えて周辺の漆工品も収集し、漆芸を収集方針の柱とする予定。

アセアン文化センター開館

1990年01月

東京渋谷に10日、アジア文化の総合的な紹介を行なう国際交流基金アセアン文化センター(渋谷区宇田川町34-5)が開館した。同館は、海外への日本文化に努めてきた国際交流基金(ジャパン・ファンデーション)が、日本へのアジア文化紹介を目的に設立したもので、過去の文化遺産のみならず、広く現代の美術、演劇、映像文化などの紹介を行なっていく予定。

第25回昭和会賞決定

1990年01月

第25回昭和会賞受賞者が31日の選考委員会で決定した。昭和会賞には村田睦夫「赤い室内」、林武賞にかえて新たに設けられた笠間日動美術館奨励賞には鷲崎直子「暁」、優秀賞に筧本生「市場のカフェ」、増田清志「反照の中で」が選ばれた。昭和会賞展は、2月1日から8日まで銀座日動画廊で行なわれた。

ポーランドに日本美術センター設立へ

1990年01月

ポーランドの古都クラクフ市に、同市の国立博物館が所蔵するフェリックス・ヤシェンスキーの日本美術コレクション(1880年代にパリで収集)などを展示する日本美術センターを設立する計画が、実現に向けて動き始めた。この構想は、2年前に京都賞(稲盛財団)を受賞したポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダが提案し、賞金4500万円を設立資金として寄贈することを表明したことに始まる。このほどポーランドを訪問した海部首相が、計画を日本政府として側面から支援することを表明したことから、日本の財界によびかけての募金構想が浮上してきたもの。

第31回毎日芸術賞決定

1990年01月

第31回を迎える毎日芸術賞受賞者6名が1日発表され、美術関係者では、彫刻の豊福知徳(昨秋の個展に対して)、建築の谷口吉生(「東京都葛西臨海水族園」の設計に対して)が受賞した。

朝日賞決定

1990年01月

平成元年度の朝日賞7件8氏が1日発表され、美術関係者では、洋画家三岸節子(60余年の剛直な画業と女性画壇の向上に努めた功績)、美術史家林屋辰三郎(日本史および日本芸能文化史の研究における業績)が選ばれた。

to page top