海外であいつぐ日本美術展

記事番号:04009
年月:1990年08月

近年、海外での大規模な文化イベントに日本がテーマ国に選ばれる例があいついでいるが、美術界でも日本の作品が紹介される機会が多くなっている。西独のデュッセルドルフにあるフォルク・ウント・ヴィルトシャフト州立美術館では8月31日から9月29日まで「現代日本の屏風絵展」が開かれ、現存の日本画、洋画、彫刻作家による屏風絵43点が展観される。また、米国では重要文化財2件を含む若冲の優品を紹介する「若冲」展が、日本の文化庁との共催で10月5日よりニューヨーク市アジア・ソサエティー美術館で開かれ、12月6日よりロスアンゼルス・カウンティー美術館に巡回した。さらに10月17日よりボストン美術館において、東洋部創設100周年を記念して、日本の文化庁と共催で「王朝貴族の美術展」を開催。日本に所蔵される作品で構成される同展は、国宝11件、重要文化財25件を含む計60件を展観し、貴族の生活、宗教生活、源氏物語、武士の4部に分けて平安、鎌倉時代の貴族生活が紹介された。12月11日よりニューヨーク市IBMギャラリーで行なわれた文化庁、ジャパン・ソサエティー共催による「日本陶磁の源流」展は、土器から日本陶磁を紹介する特色ある企画となった。この他、「中世の絵画・書と刀剣」(2月1日より、ニューヨーク市ジャパン・ソサエティー・ギャラリー)「日本の刀剣」(12月4日より、大英博物館)等、多様な展観が行なわれた。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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