日本芸術文化振興会発足

記事番号:03981
年月:1990年03月

国と民間が協力して芸術文化活動を支援しようとする芸術文化振興基金が、30日発足した。こうした基金の創設は、文化庁長官の私的諮問機関である「文化行政長期総合計画懇談会」の昭和52年のまとめ、「民間芸術活動の振興に関する検討会議」の同61年の報告などにより既に提言されていたが、平成元年12月、財界関係者、芸術文化関係者有志により「芸術文化振興基金推進委員会」が結成され、財界からの資金協力が表明された。これを受けて、政府は平成元年度の補正予算に基金創設のための政府出資金500億円を計上。また国立劇場法の一部を改正し、特殊法人「国立劇場」を日本芸術文化振興会として、国会の中に基金を設置したもの。民間企業等からは、134企業から112億円を超える拠出表示があり、総計約600億円を原資として、その運用益による助成が行なわれる。 助成の対象分野は、芸術創造普及活動、地域文化振興活動、文化振興普及団体活動の3分野からなり、平成2年度は応募総数780件のうち446件が採用され、助成交付内定額は、21億2589万円となった。当研究所関係では、文化振興普及団体活動の中の伝統工芸技術・文化財保存技術の保存伝承活動の区分で、古文化財科学研究会が「海外所在の日本文化財を対象とする調査研究」に助成を受けた。

登録日: 2014年04月14日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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