平生文相声明 

記事番号:00074
年月:1936年06月

六月十二日帝国美術院会員十六名が辞表を提出したことは、帝展問題の解決に頓挫を来し、帝国美術院の将来にも多大の危惧を感じさせるに至つたが、同十三日午後一時平生文相は談話の形式を以て、左の如き声明を行つた。 「自分のこの際考ふるところは日本美術の真の発達振興に適し有力なる美術家大多数の希望に合致することであつて又新進有為の美術家を鼓舞激励しその将来の大成に資するやうな方法の確立を希望してゐる。これがために虚心坦懐慎重なる態度をもつて種々の状況を考慮し又充分各方面の意見を聴き、その協力一致の下に最善と信じられる方策を樹立せんことを期してゐる、なほ自分として秋の展覧会の開催せられることを期待してゐる。」

登録日: 2014年04月11日
更新日: 2020年12月11日 (更新履歴)
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