安宅安五郎
洋画家、日展会員安宅安五郎は、9月1日パーキンソン氏病のため逝去した。享年78才。明治16年4月22日新潟市に生れ、同43年東京美術学校を卒業した。同年第4回文展に「靴屋」「花壇」の二点が初入選となり洋画家としての第一歩をふみだした。翌年も入選、さらに第6回、7回展で「花園にて」、「緑の蔭」、が褒状となった。その後明るい戸外の、印象風の作風から、綿密な写実的描写に移り、帝展では、第1回展の「白蓮樹」、第2回展の「砂丘に立つ子供」、第4回展「裏通り」で連続3回特選をうけて無鑑査待遇となった。大正10年から翌年まで欧洲各地に遊学し、帰国後の作品は主観的な傾向に向い、第8回展「五人の子供」、12回展「浜の娘」14回展「刺繍」などがある。
なお、この間昭和3年に、明治神宮壁画「教育勅語下賜」を制作した。新文展、日展と終始官展系作家として活動していた。戦後は、日展には出品依嘱者として、又審査員として「ブドウと少女」、(第4回)、「北国の漁村」(7回)などの出品があるが作品は少ない。昭和31年、中国人民共和国対外文化協会の招きで日本文化代表団の一員として中国に赴いた。
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「安宅安五郎」『日本美術年鑑』昭和36年版(136頁)
例)「安宅安五郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9120.html(閲覧日 2025-02-11)
例)「安宅安五郎」『日本美術年鑑』昭和36年版(136頁)
例)「安宅安五郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9120.html(閲覧日 2025-02-11)
以下のデータベースにも「安宅安五郎」が含まれます。
- ■美術界年史(彙報)
- 1936年04月 聖徳記念絵画館壁画完成式
- 1940年12月 創元会創立
- ■明治大正期書画家番付データベース
- 1923(大正12) 大正拾弐年度改正東西画家格付表_806936
- 1923(大正12) 大正十二年帝國絵画番付_807086
- 1927(昭和2) 増補古今書画名家一覧_807121
- 1937(昭和12) 改訂古今書画名家一覧表 附古今書画名家印鑑譜_807016
外部サイトを探す