殿敷侃

没年月日:1992/02/11
分野:, (造形作家)

 廃材を用いた作品で近年注目されていた造形作家殿敷侃は2月11日午後10時25分、肝臓がんのため島根県益田市の日赤益田病院で死去した。享年50。昭和17(1942)年1月22日、広島市に生まれる。3才の時に広島への原爆投下で父をなくし、間もなく母も失う。被爆当日は疎開先にいたが、2日後に広島市に帰ったため後に健康を害する。広島大学を中退し、同53年久保貞次郎の勧めで版画を始める。両親の遺品等を題材とした絵画、版画など、原爆の問題をとりあげた作品を制作する。同56年第1回西武美術館版画大賞展でシルクスクリーン「作品2」が日版商買上賞を受賞。同50年代後半からインスタレーションを試み、古タイヤを野性の木々の枝にかけたり、捨てられたテレビ数十台で田を囲む等、廃材を利用した環境芸術を制作。近年の地球環境問題の高まりと並行して注目されるようになった。平成2年春、それまでの7年間の活動をまとめた『逆流する現実』を刊行。同年ヨーロッパを巡遊した。晩年は山口県長門市北浦に住んで制作していた。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(309-310頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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