田中喜作
東京美術学校教授、美術研究所嘱託田中喜作は山梨県に疎開中逝去した。享年61。明治18年京都下京に生れ、36年京都市立美術工芸学校に入学、38年同校退学後関西美術院に学んだが、41年同院を退くとともに渡欧、パリでアカデミー・ジユリアンに入学した。42年帰朝後は美術史ことに近世日本絵画の研究に入り、浮世絵の研究で知られた。一方批評家としても活躍し、国画創作協会にはグループの一人として参加している。昭和2年美術研究所創立と同時にその一員となり、その後「美術研究」誌上に種々の研究論文を発表して卓抜の見解をうたわれた。昭和19年には東京美術学校教授として美術史を担当したが、戦時中の無理が因となつて斃れたものである。なお美術研究所長田中豊蔵はその兄にあたる。著書の主なるものに「ルノアール」「マイヨール」「浮世絵概説」があり、後年の研究は主として桃山時代の美術、発祥時代の日本南画に向つていた。
出 典:『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(102頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「田中喜作」『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(102頁)
例)「田中喜作 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8730.html(閲覧日 2024-12-05)
例)「田中喜作」『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(102頁)
例)「田中喜作 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8730.html(閲覧日 2024-12-05)
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