館勝生

没年月日:2009/01/16
分野:, (美)
読み:たちかつお

 画家の館勝生は1月16日、がんのため大阪市で死去した。享年44。1964(昭和39)年2月1日、三重県桑名市に生まれる。87年大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。在学時にはデモクラート美術家協会の創立メンバーだった泉茂のゼミに入る。ニュー・ペインティングの影響を受けながら、大きなストロークによる有機的な形象の平面作品を個展やグループ展で発表、中原浩大、石原友明、松井智恵ら“関西ニューウェーヴ”の作家として注目を集める。1991(平成3)年、東京で初個展を開催(永井祥子ギャラリーSOKO)。94年VOCA展奨励賞を受賞。98年、原美術館で旧作を含めた個展「ハラドキュメンツ5 館勝生―絵画の芽」を開催。この時期を境にストロークを控え、余白の中に核となる痕跡をとどめた作を発表。2001年三重県立美術館県民ギャラリーで展覧会を開催。晩年はがんに侵されていることを知りつつも創作意欲は衰えず、亡くなる前月までアトリエで制作を続けていた。没後の09年8月、学生時代より個展やグループ展をほぼ毎年開催してきた大阪のギャラリー白で個展が開かれるとともに、画集『館勝生 Tachi Katsuo』が刊行された。 

出 典:『日本美術年鑑』平成22年版(458頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「館勝生」『日本美術年鑑』平成22年版(458頁)
例)「館勝生 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/28441.html(閲覧日 2024-04-25)

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