森田子龍

没年月日:1998/12/01
分野:, (書)

 書家の森田子龍は12月1日午後7時、心筋梗塞のため滋賀県大津市の自宅で死去した。享年86。明治45(1912)年、兵庫県豊岡市に生まれる。昭和22(1947)年上田桑鳩らと書道芸術院を創設。翌年には『書の美』を発刊、同誌は書道芸術院の機関誌的役割を果たす。また抽象画家長谷川三郎と交友を深め、同25年秋から『書の美』に絵画を含めた実験作品を公募するα部を設けて、長谷川にその選評をゆだねた。同26年には京都において書芸術総合誌『墨美』を創刊、同誌は海外の前衛美術を積極的に紹介し、津高和一吉原治良ら関西の抽象画家達に大きな影響を与えるとともに、海外の画家にも日本の前衛書を知らしめる媒体となった。同27年にはより前衛的な運動をめざして井上有一らと墨人会を結成。さらに異ジャンルの前衛的な作家達を糾合した現代美術懇談会(ゲンビ)が同年発足すると、これに参加した。また森田は、ニューヨーク近代美術館の「日本の建築と書」展(同28年)、カーネギー国際美術展(同33年)、フライブルグ書展(同35年)、モントリオール万国博美術展(同42年)等に出品し、書と西洋美術の交流に貢献した。同55年京都市より京都市文化功労者として表彰、同60年、京都新聞文化章を受賞、同61年京都市美術館で「今日の作家3 森田子龍」展が、また平成4(1992)年に兵庫県立近代美術館で「森田子龍と『墨美』」展が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』平成11年版(427頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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