北野治男
読み:きたのはるお
日本画家で日展理事の北野治男は7月29日、転移性肝がんのため死去した。享年71。
1946(昭和21)年12月5日、大阪府に生まれる。70年京都教育大学特修美術科卒業、71年同専攻科修了。同大学で西山英雄に学び、在学中の67年第10回日展に「フラミンゴ」が初入選、以後入選を重ね、73年改組第5回日展「赤い月」、翌74年「森の中」が連続して特選、同年日春展「幻映」で奨励賞を受賞。この間70年に京都の若手日本画家によるグループである真魚(MAO)を結成、同会の中心的存在として活躍。鳥をモティーフとし、71年に初めて北海道西別の原野を訪れ、大自然に生きるカラスの群れを見て衝撃を受けて以来、北海道の原野に題材を求める。カラスをメインモティーフとした夢幻的な作風から、写実を基調とした表現に変化しながらも、大自然の神秘、生命に対する畏敬の念と共感に根ざした作品を描き続けた。76年第1回京都市芸術新人賞受賞。77年京都・朝日画廊で初個展開催。84年日展会員となる。80年代よりアメリカ南部を度々訪れ、とくにテネシーの風景を描くようになる。2004(平成16)年「道」で第36回日展会員賞受賞。05年日展評議員となる。10年「樹」で第42回日展内閣総理大臣賞を受賞。13年には京都府立堂本印象美術館で「テネシーへの想い 北野治男素描展」が開催される。13年日展理事となる。16年第34回京都府文化賞功労賞を受賞。17年京都市文化功労者として表彰された。
登録日:2022年08月16日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「北野治男」『日本美術年鑑』令和元年版(518頁)
例)「北野治男 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/995771.html(閲覧日 2024-10-10)
例)「北野治男」『日本美術年鑑』令和元年版(518頁)
例)「北野治男 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/995771.html(閲覧日 2024-10-10)
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