水町和三郎
日本工芸会評議員、陶磁器研究家の水町和三郎は、6月11日すい臓ガンのため京都市左京区の自宅で死去した。享年89。1890(明治23)年4月23日佐賀市に生まれ、県立佐賀中学を経て1912年東京美術学校図案科に入学したが、14年東京高等工業学校工業図案科に転入学し17年同校を卒業した。20年国立陶磁器試験所に入所し、46年辞任するまで第三図案部長をつとめる。この間、40年に恩賜京都博物館(京都国立博物館)学芸委員を兼務する。46年吉野信次のすすめで陶磁器試験所を依願退職し、石黒宗磨、小山富士夫、荒川豊蔵、日根野作三と日本陶磁振興会を組織して全国陶磁の指導振興にあたる。52年、文部省文化財保護委員会専門委員に任命され、国宝、重要文化財並びに無形文化財の指定選定にあたる。55年文化財保護委員会の外郭団体として発足した社団法人日本工芸会の理事に就任し、毎年開催される日本伝統工芸展の普及振興に尽力する。66年勲四等旭日小綬賞を受賞。77年日本工芸会理事を辞し、評議員をつとめ、特に有田窯、多治見窯の指導に力を注ぐ。陶磁器の意匠の研究と古陶器の発掘につとめ、著書に『唐津』『伊万里染付大皿の研究』『古唐津』『創作陶芸資料』『肥前古窯めぐり』などがある
出 典:『日本美術年鑑』昭和55年版(284頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「水町和三郎」『日本美術年鑑』昭和55年版(284頁)
例)「水町和三郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9734.html(閲覧日 2024-10-08)
例)「水町和三郎」『日本美術年鑑』昭和55年版(284頁)
例)「水町和三郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9734.html(閲覧日 2024-10-08)
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- ■美術界年史(彙報)
- 1966年11月 秋の生存者叙勲の美術関係者
- 1938年12月 紐育桑港万国博覧会参加
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